見出し画像

足関節前面の痛みについて

今日も柔道整復師、理学療法士、整体師の方、新人の方に向けて、僕の実際行っていることについて書いていきます


今日は捻挫後に多い足関節前面の痛みでどんな原因があるのかについて書いていきたいと思います

足関節前面の痛みの原因

①距骨下関節不安定症

まずは足関節捻挫で最も損傷しやすい前距腓靭帯の役割から

前距腓靭帯の走行は前額面で約45°、水平面で約25°内方に傾斜しているため、内反制動に作用します

★内側の前脛距靭帯も内反制動作用があります

矢状面にも47°前方に傾斜しているので、距骨の前方移動制動にも作用します

つまり前距腓靭帯は距骨の内反制動と前方移動制動を行います

内反の制動は、外側の前距腓靭帯と内側の前脛距靭帯がうまくコントロールすることにより制動されます

(騎手が馬の手綱をコントロールするようなイメージ)

足関節捻挫では、外側の前距腓靭帯の損傷がほとんどであるので、前距腓靭帯と前脛距靭帯のバランスが崩れる結果、前脛距靭帯が距骨を内側に引きます(距骨内旋)そして前方移動制御の機能も失われているので、距骨は内旋しながら前方移動を行う形になってしまい、距骨下関節が不安定になってしまいます

②足根洞症候群

距骨溝と踵骨溝の間の空間を足根洞といいます

足根洞の内部には自由神経終末や滑膜が豊富に存在しています

靭帯では骨間距踵靭帯が存在していて、この骨間距踵靭帯に過剰な伸張が加わると、周囲にある神経終末や滑膜に刺激が加わるので痛みを引き起こします

骨間距踵靭帯は距骨下関節の回外で緊張します

それぞれ足関節前面の痛みに繋がりやすいとされています

足関節前面の痛みのメカニズム

①距骨下関節不安定症

距骨下関節不安定症で引き起こる病態で足関節前方インピンジメントがあります

ここで問題になるのが2つの組織です

1 前距腓靭帯の遠位束(Bassetts靭帯)

2 距腿関節前面に存在する疎性結合組織

順番に解説していきます

1 前距腓靭帯の遠位束(Bassetts靭帯)ですが、捻挫の際に、遠位束を損傷した場合、治癒の過程で、肥厚や瘢痕が起こります

距骨下関節不安定症の場合は、普段から距骨が前内方に移動している状態です

足関節の背屈の運動では、距骨は後方に滑り込みます

前内方に移動してる状態からの背屈は、距骨の後方への滑り込みが起こりにくくなり、その際に肥厚している前距腓靭帯の遠位束を挟み込む(インピンジメント)ことにより足関節前面に疼痛を引き起こすものと考えられています

2 距腿関節前面に存在する疎性結合組織

関節包表層に存在している軟部組織があり、これは膠原線維と脂肪からなる組織だそうです

こちらが肥厚や瘢痕を起こした際に挟み込まれて前面の痛みを引き起こすこともあるとのことです


②足根洞症候群

足根洞の骨間距踵靭帯の役割については、十分明らかにはなっていないが、関節軸を安定させる役割があるのではないかとのことでした

足根洞症候群により、距骨の動態が不安定になり、結果、距骨下関節不安定症になり、前面の疼痛を引き起こす可能性があります


足関節前面の痛みの施術

足関節のインピンジメントは結果の痛みであることも考えられるので

①背屈不良に対する施術

②不安定性に対する施術

③アライメントに対する施術

こちらをしっかり見るようにしています

結構痛みが長期化しやすい病態でもあると思うので、病態や施術のポイントを確認していきたいですね

明日も臨床頑張りましょう

ではまた

なぜがわかる評価戦略 引用
運動器のなぜがわかる臨床解剖学 引用



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?