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腱板の痛み、機能検査について

今日も柔道整復師、理学療法士、整体師の方、新人の方に向けて、僕の実際行っていることについて書いていきます

今日は腱板損傷での痛みと機能検査について書いていきたいと思います

腱板損傷・腱板炎の原因(臨床経験から)

腱板損傷や腱板炎の原因としては、一発の外傷も教科書的にはありますが、

僕の臨床経験では、多くは繰り返しの外力が原因で段々痛みが増してくる症例が多かったです

繰り返しの外力が原因で起こる肩関節の痛みの特徴は、肩関節の運動に伴う痛み(モーションペイン)が多い印象でした

原因としては、肩峰下インピンジメントが多く、肩関節の運動に伴う痛みは、肩峰と上腕骨近位部の特に大結節とのインピンジ(衝突)による痛みに由来します

その際に大結節に付着する腱板筋のダメージで断裂や炎症が発生します

ダメージを受けるとされる腱板筋群の特徴について確認します

腱板筋の特徴(望月らの報告により)

①棘上筋

大結節前方一部〜小結節(約25%)に付着

前方挙上と骨頭の回旋運動軸の内側を通るため内旋にも作用しうる

②棘下筋

大結節の大部分に付着

外転動作と外旋に作用する

腱板損傷の多くが、棘下筋損傷の可能性がある

③小円筋

大結節後方に付着

下垂位での外旋作用、外転位からの内転にも作用

棘下筋損傷があっても外旋できるのは小円筋が作用するため

逆に棘下筋損傷がある患者で経過が長い場合は、棘下筋は萎縮し、小円筋が発達している場合がある

④肩甲下筋

小結節の頭側から関節包下方まで付着する

頭側は腱性部(腱の部分)、それ以下の付着部は筋で付着している

肩甲下筋の頭側は上腕二頭筋長頭腱の安定化にも作用していると言われているので、肩甲下筋の頭側部が損傷した場合には上腕二頭筋長頭腱は不安定になるので、上腕二頭筋長頭腱炎になる可能性が多いとされています

逆に上腕二頭筋長頭腱炎の患者が来た際には、肩甲下筋損傷がある可能性もあるので、ベアハグやベリープレスなどの肩甲下筋のテストを行うようにしています

腱板の機能検査

①パームアップ

肩を肩甲骨面上に外転して、肘を伸ばして、手を回外してもらいます

この肢位は大結節前方、小結節が上を向く関係で、棘上筋が張力を発揮しやすい肢位になります

その肢位で維持してもらって抵抗を加えます

その際に疼痛や、筋力低下が見られれば棘上筋の損傷を疑います

②サムアップ(full can test)

肩を肩甲骨面上に外転して、肘を伸ばして、母指が上を向く肢位にしてもらいます

この肢位は大結節前部、中部が上を向く関係で、棘上筋、棘下筋(前部)が張力を発揮しやすい肢位になります

その肢位で維持してもらって抵抗を加えます

その際に疼痛や、筋力低下が見られれば棘上筋、棘下筋(前部)の損傷を疑います

③サムダウン(empty can test)

肩を肩甲骨面上に外転して、肘を伸ばして、母指が下に向く肢位にしてもらいます

この肢位は大結節中部・後部が上を向く関係で、棘下筋(中部〜後部)が張力を発揮しやすい肢位になります

その肢位で維持してもらって抵抗を加えます

その際に疼痛や、筋力低下が見られれば棘下筋(中部〜後部)の損傷を疑います

④ベアハグ

下垂位内旋から、肩の内旋を指示し抵抗を加える検査で肩甲下筋の上部にストレスがかかります

その際に疼痛や、筋力低下が見られれば肩甲下筋(上部)の損傷を疑います

肩甲下筋の頭側部の損傷があれば陽性になる可能性が高いです

⑤ベリープレス

腹に両手を当ててもらい、肘を前方に出してもらいます(45度内旋位の状態)

肘を前から押すのと同時に抵抗を加えてもらいます、そうすることで肩甲下筋中部にストレスがかかります

その際に疼痛や、筋力低下が見られれば肩甲下筋(中部)の損傷を疑います

まとめ

肩峰下インピンジメントによる痛みでは、運動時痛のみなのか、炎症の痛みなのか(安静時痛)があるのかで施術が変わってきますので、しっかりジャッジするように心がけています

また腱板が損傷された際には、損傷された腱板を伸張させる肢位は取らせないようにしています

腱板損傷=腱板トレーニングではないので理解しましょう

なお、今日投稿した内容は教科書的ではないところがあります

そして教科書に書いてることは一般的には古いです

ただ、国家試験には教科書に書いてあることが出題されていますので、国家試験を控えている学生は教科書のまま覚えてください

資格を取った方に関しては、今のことを覚えていく必要があると思いますので参考にしていただけると幸いです

明日も臨床頑張りましょう

ではまた







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