頚部痛の原因②
今日も柔道整復師、理学療法士、整体師の方、新人の方に向けて、僕の実際行っていることについて書いていきます
前回は頚部周囲の原因について書きました
今日は頚部痛の肩甲骨周囲の問題について書いていきます
肩甲骨について
肩甲骨が作る関節は肩鎖関節、肩甲上腕関節、そして烏口鎖骨靭帯によって体幹とも繋がっています
肩関節を動かす多くの筋は肩甲骨に付着しています
上腕骨と肩甲骨を比べた場合には、上腕骨の方が重いので、筋が収縮した場合には、肩甲骨を動かす方向に作用します
そうなった場合に、肩甲骨を胸郭に引きつける筋が作用し、アライメントを調整することになります
頚部痛との関係ですが
肩甲骨のアライメントが変化するか頭頸部のアライメントが変化する場合には、どちらかのアライメントが変化するということです
アライメントが変化した結果、それを維持する筋だったり、働きづらくなる筋が出てきたりするということで悪循環にはまっていきます
肩甲骨外転・下方回旋位の場合
頚部痛を引き起こすアライメントで多いのが、肩甲骨外転・下方回旋位だと思います
肩甲骨外転・下方回旋位をとることによって問題となるのが
①胸椎の屈曲
②僧帽筋中部、下部の筋力不足
③頭部の伸展
④僧帽筋上部の過緊張
⑤大菱形筋、小菱形筋、前鋸筋の協調活動低下
となりますので、施術するのであれば、これらに対してアプローチをしていくことになります
アプローチの考え方
①胸椎の屈曲に対するアプローチ
・胸椎の伸展運動指導(背臥位で胸椎にタオルを当て、上肢を挙上してもらい胸椎伸展を促す)
・固有背筋群の収縮を促す
・固有背筋群への手技などを行います
②僧帽筋中部、下部の筋力不足
僧帽筋中部、下部は肩甲骨を内転・上方回旋させる作用があるため、筋力強化を行います
③頭部の伸展
僧帽筋中部、下部が機能していない状態では、代償的に僧帽筋上部が過緊張となります
僧帽筋上部の起始が後頭隆起、項靭帯であることから、肩甲骨が動かない場合、僧帽筋上部の過緊張が発生すると、起始である後頭骨が牽引されるということでもあるので、頭部が伸展します
なので、僧帽筋上部の筋緊張を緩和させるような施術も行っています
④僧帽筋上部の過緊張
頭部の伸展を参照してください
⑤大菱形筋、小菱形筋、前鋸筋の協調活動低下
大菱形筋と小菱形筋は肩甲骨内転作用
前鋸筋は肩甲骨外転作用
を有しています
実はこれだけではなくて、これらの筋が均等に働くことによって浮き上がった肩甲骨を内側に引きつけるという作用が発揮されます
大菱形筋・小菱形筋・前鋸筋の収縮を促す手技を行うことで協調性を取り戻します
まとめ
頚部痛は原因が様々あります
初検の際でも、ある程度予想は立てることができますが、次回来院時には痛みが戻っていることはよくあります
そういう時は、最初にアプローチしたことと違うアプローチをするのが良いと思います
最初は頚部に問題があると思い、頚部周囲に対してアプローチした
次回来院時に、2日位で元に戻ってしまいましたと患者から言われた
みたいなことって、かなりあると思います
そしたら次は肩甲骨に問題があると考えアプローチする
といった具合にやってみると、変化が出る可能性がグッと上がります
最初にやって効果の持続がないのであれば、そこは違うと思った方が個人的にはいんじゃないかなって思います
漫然と治療しても頚部痛の多くは改善しません
原因は必ずあるので、日々勉強していきましょう
明日も臨床頑張りましょう
ではまた
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