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腰椎分離症について

今日も柔道整復師、理学療法士、整体師の方、新人の方に向けて、僕の実際行っていることについて書いていきます

今日は、思春期や成長期に多いとされる腰椎分離症について書いていきます

腰椎分離症とは

発育期に腰椎椎弓の関節突起間部に起こる疲労骨折

遺伝的な要因は否定できないものの主因は疲労骨折であるとされている

成人の場合はこの発育期の疲労骨折が治癒せず、偽関節に陥っている状態を指す

脊柱理学療法マネジメント から引用

発生メカニズム

腰椎の伸展、回旋時に関節突起間部に高い応力が見られる

回旋方向と反対側の関節突起間部に高い応力が生じる

右回旋する場合は左関節突起間部に高い応力

疲労骨折が生じると腹側、尾側から骨吸収が始まり、頭側へ進行し完全分離に至る

脊柱理学療法マネジメント から引用

病期について

①分離初期 骨吸収がヘアライン状に見られる時期

②分離進行期 骨性のgapが見られる時期

③分離終末期 いわゆる偽関節とある時期

疲労骨折時の出血や浮腫が周囲の軟部組織に及ぶと神経根性疼痛を呈することがあり、屈曲時にも疼痛が見られることがある

脊柱理学療法マネジメント から引用

腰椎分離症には病期があって、病期によって痛みの原因も違ってきます

①初期〜進行期はいわゆる疲労骨折の痛み

②終末期は分離部周囲に発生する滑膜炎の痛み

ということになりますので

疲労骨折の痛みであれば、長期のコルセット固定が必要になり、骨癒合を目指した治療になります

滑膜炎の痛みであれば、炎症消失をはかる対症療法になるかと思います

実際の見分け方

①伸展時痛

②棘突起の圧痛

③ケンプ動作での痛み

こちらで見分けています。

初期の段階だと、浮腫が神経根を刺激する可能性もあるので、屈曲動作などで痺れなどの下肢症状が出ることもありますので注意してます

いずれにせよ、X線やMRIでの評価が必要になる疾患ですので、病院紹介をするようにしています

施術方法

①安静(コルセット)を勧め、コルセットは胸椎部〜骨盤部までの専用のものを使います

胸椎は回旋に作用しますし、骨盤の前傾によって、腰椎の前弯が増強しますので、関節突起間にかかる剪断力が増強することが予想されます

なので腰椎部分だけのコルセットでは不十分と思われるため胸椎から骨盤部までのコルセットを装着します

この時期は伸展と回旋の動きは出さないようにします

腰椎の前弯が強いと剪断力が働いて関節突起間の負荷が増えるため、
②前弯を増強させている筋や骨盤の動きを止めている筋を評価して緊張をとる施術を行っています

例えば、腸腰筋、大腿筋膜張筋、ハムストリングス、大臀筋など

分離症患者を担当する上で思うこと

分離症患者を施術する上で考えなきゃいけないのが、骨癒合を目指すのであれば、学生が3ヶ月〜4ヶ月の期間、部活の本格的な練習を休まないといけないということです

レギュラー争い、周りからの目、監督からの評価など様々な精神的負担があるでしょう

そういった中で、耐えられなくなり早期に復帰してしまうこと

これが分離症の治療で、治療が思うように行かない理由の一つでもあると思いますし、僕も病院時代に経験してきました

これは早期復帰する、しないの正解がその患者によって違うと思いますので難しいのですが

(例えば、3年生最後の大会なのか、まだ1年生なのかなど)

僕はまず、早期復帰した場合のリスクをしっかり伝え、患者と向き合ってその患者に合わせたゴールを設定して行くことが重要ではないかなと思います

実は患者だけじゃなく、親の希望とかも絡んでくるので大変なんですけどね(笑)

難しいですね、、、

逃げずにがんばりましょう

じゃあね


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