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楠本奇蹄
2021年8月6日 12:24
冷や汁を緻密な風として掬ふ溽暑かな化石にはつめたい羽毛姉の血透けて夕凪の主語となりビリヤニの匙ひるがへり夏の雲青葉騒つづくいつかの詩の終はりに味噌汁の渦おさまらず夏休鼻歌の妣は銀河に着地して血のなかに薬の澱む暑さかな恐竜にいつかの木漏れ日の涼しさ鬼灯のなかに大事な人がゐる✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎