月と小芋の炊いたん

今日は中秋の名月、十五夜。

我が家では毎年、祖母が里芋の煮物を作ってくれる。

「"小芋の炊いたん"できたでー」

大阪出身の祖母が今年も台所で精を出したようだ。

御年85歳、健康体かつお喋りで、とても年相応には見えない。


食卓に並んだいつもの”小芋の炊いたん”を家族みんなでつつく。

食べ慣れた味に安心を覚えるとともに、少し寂しさも感じた。


この味をあと何回食べられるのだろう…。


祖母はとても元気だ、定期的に通っている病院の検査では異常もない。だけど年齢のことを考えてしまうと、センチメンタルになってしまう。

そんな心配をよそに、祖母はお喋りに夢中だった。

家族みんなで全て平らげ、綺麗になった食卓を見て

今年の中秋の名月の終わりを感じた。

こういう気分になってしまうのも、月の光の力なのだろうか…。


今夜も駄文失礼しました。


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