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稚拙にみえるたったひとつの理由

稚拙で幼稚で頭が悪くみえてしまうたったひとつの理由が書いてある本を見つけた。「自分のことは話すな」、端的でめちゃくちゃわかりやすいタイトル。その名の通り、自分のことを長々と話さない意識を持つだけで、すこぶる賢くみえるから不思議だ。

周りをみてみると、たしかに、人として仕上がっている人は決して自分の話はしない。というより、求められれば話すけれど、自分発信で滔々と述べ続けることは皆無に近い。

反対に、年齢が若かったり経験が乏しかったり、人として尊敬する点が薄いと思える人は0から100まで自分の話ばかりだ。

相手との会話を途切れさせないことだけに全力を注ぎ、自分しか話していないのに「会話が盛り上がった」と絶望的な勘違いをして、自己過信がどんどん進んでいき、典型的な裸の王様になっていく。

あなたも、周りを見回してみてほしい。この法則が例外なく当てはまっているはずだ。

そして最後に自らを省みる。私も人のことはいえない。困ったらすぐに自分の話ばかりで、ただただ、良い歳して恥ずかしいとしか思えない。穴があったら入りたいというやつだ。

目の前の相手に興味をもって、想像しながら質問を重ねていくだけ。尋問のようにならないよう、自分の話も時折入れ込みながら(割合としては2:8くらいがちょうどいいと勝手に思っている)ゲームのように会話を楽しむことに重きを置く。

この一点を少し意識するだけで、周囲に配慮できる視野の広い大人の中の大人にみえるから不思議だ。

自分の話を聞いてもらえるのは嬉しい。嫌なことやイライラするようなことがあればなおさら、誰かに聞いてもらって発散したい気持ちはすごくよくわかる。

その頻度があまり多くならないように配慮しつつ、自分のことしか考えていない自分勝手な人間にだけは陥らないように気をつけたい。

自分という人間が稚拙にみえるたったひとつの理由、それは、「自分の話しかしない」からだ。


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