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最初から、正解がわかる人間はいない
毎週木曜21時から放送されている「ハケン占い師アタル」というドラマを欠かさず見ている。杉咲花ちゃん演じるアタルが占いによって人を助けていく様がなんとも痛快で、あたたかくて泣ける。
アタルが毎回良いキラーワードを残すんですが、中でも好きなのがタイトルの台詞。「いないっつーの。最初から正解がわかってる人間なんて」。これ、その通りだと思いませんか。
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私たちは日々様々な選択をしますが、「これが正解だ!間違いない!」と自信をもっていえる選択なんて早々ないんじゃないでしょうか。
小さいところでいうと、ファミレスでメニューを決めるときなんかがそれにあたるかも。大体好きなものを選ぶか、既に食べたことがあって外れではないと知っているものを選びますよね。でも、食べたことのない未経験の味は美味しいか美味しくないかがわからない。自信を持って選べないから、私たちは冒険を避けることに慣れている。
そこを敢えて、正解か不正解かわからない状態で選びにいける人が強いんだろうな、と最近になってよく思うんです。
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未読ですが、「いつもの自分がやらないほうをやってみる」という本があります。これはきっと、選択に慣れているマンネリな自分から脱して冒険してみることを推奨する内容だと思うんです。
人は安定が好き。
外れのない安牌が好き。
誰でも失敗はしたくない、損はしたくない。
痛い目を見ないで済むなら、新しい味なんて知らなくて構わない。ずっと同じ味で、美味しいと初めから知っている料理を毎日食べ続ける人生で構わない。そういう人生を選択することは、自分で自分から新しい幸せの芽を積んでいることと同じなんじゃないでしょうか。
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私は「旅する書評家」を名乗っていますが、パスポートを持っていません。「旅する」なのに、海外に行ったことがないんです。国内でも、青森と東京と千葉と大阪と奈良と福岡にしか行ったことがありません。いま書き出してみて余りにもの少なさに自分でもびっくりしました。
元々、私は旅そのものが好きではないんです。
移動中は疲れるし、飛行機は怖いし、新幹線やバスは高確率で酔うし、肩は凝るし、宿にチェックインしたらそのまま部屋から出たくないって思うこともあります。元来、出不精なんですよね。
それでも、なぜあえて「旅」をするのか?
「いつもの自分がやらないほうをやってみる」。そして、新しい味を知る。もしかしたらそれが自分にとってのもうひとつの幸せかもしれないから、それを探しにわざわざ出向いてるのかもしれないって思いました。
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最初から、正解がわかる人間はいない。
あなたにとっての「嫌い」や「苦手」や「避けたいもの」が、本当にそうだって心から言い切れますか?
もしかしたら、正解かもしれないのに。
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