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スタートラインはそこではない


「どうして会社を辞められたんですか?」
「フリーランスになるときに不安はなかったんですか?」
「会社を辞めるべきか辞めないべきか、迷っています……」

2018年10月に会社を辞めてフリーランスになった。Twitterやnoteで報告したときに、たくさんの反応をいただいた。その中には、上記のような言葉も少なからず混じっていた。

こう問われたときに、相談されたときに、はじめて私は考えた。どうして私は会社を辞められたんだろう? どうして私はフリーランスを選んだんだろう? 会社を辞めるべきか辞めないべきか、いつどのタイミングで決断したんだろう?

今、私が言えることは、「スタートラインはそこではない」ということだ。

やるか、やらないか。

ありがちなキャッチコピーのようになってしまうが、これからの時代、差別化をはかるとしたらここしかない。情報はすでに溢れていて、インターネットを介せばどんな情報でも簡単に手に入れることができる。

行動を起こしているか、そうでないかで簡単に色分けされてしまう。

行動を起こす前の葛藤(会社を辞めるか辞めないか、フリーランスになるか就職するかなど)は、総じて無駄になる場合が多いと私は思う。

無駄になるというか、そこでの悩み・葛藤・逡巡など、決断に至るまでの紆余曲折のなかで、「他人に判断を委ねている時点」でもうすでに、スタートラインに立つ以前の問題だと感じてしまうのだ。

「どうして会社を辞めたのか?」
「なぜフリーランスになったのか?」

正直いって、こう訊かれてから初めて真面目に考えた。答えなければならないと思ったから、「私はなにか根拠があってフリーランスになったはずだ」と思い込んでいたのだ。

もちろん、ライターとして食べていく夢のために一歩踏み出した、というもっともらしくてきちんとした理由は、あるにはある。けど、それは本質的ではない。私は気づいたらスタートを切っていたのだ。そして、ずっと走っていないと死んでしまうから、止まったら食べていけない環境になってしまったから、手を動かしつつ考えているのだ。今もずっと。たどり着きたい理想はどこなのか、私は何をしたくてここにいるのか、って。

だから、スタートラインに立つ前からあれこれ考えても無駄だ。

あなたの考えているスタートラインは、きっともう少し先にある。

辞めるか、留まるべきか。

もし1ヶ月以上同じ考えがぐるぐる頭の中をまわっているなら、試しに辞めてみて、何か違うことをしてみたらどうだろう?

それでもあなたが同じことを考えてしまうのなら、問題はもっと深いところ、根っこの部分に潜んでいるはずだし、それで悩みや疑問が解決して、全力で仕事に打ち込めるようになったなら、それはそれで御の字だ。

悩みは停滞。スタートラインを視野に入れるためには、立ち位置を変えて眺めなければならないと思う。検討を祈ります。



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