クソ女らしく堂々と
フェミニズム関連のコーナーに置かれていたこちらのコミックエッセイ、タイトルは尖ってますが読みやすく面白かったです。
「もし、男と女が入れ替わったら」どんな社会になるか? をひたすらポップなイラストと著者の実体験を交えて描写されてます。
女性ひとりが夜中に堂々とコンビニへ行ける世の中
全体をとおして読んでいて、個人的にピンとこない箇所や「韓国と日本のお国柄の違い」が感じられる部分もありました。
たとえば、「女性はひとりで夜中にコンビニへ行けない。十分に警戒し、明かりがあるところを選んで素早く歩き、30分後に連絡がなければ通報してくれと友人に依頼しておかねばならない」といった意識。
たしかに日本でも注意しなければならないのだろうし、まさに現在ストーカー被害に遭っているとか特殊な事情があるとかいった場合は、気をつけねばならない部分だと思います。
ただ、ちょっと描写が行き過ぎかな……と感じました。そういったポイントを除けば、気づきの多い1冊です。
堂々とすればするほど生きづらくなるのか?
可愛いですね、美人ですねと言われたからって連絡先を教える義務はない。おごられたからってまた会う約束を取り付けられる謂れはない。「ロングのほうが似合うよ」と言われたからってベリーショートにしてはいけないわけではない。
女性としてではなく、人として、自分として、やりたいことをやりたいだけやってもいい。わきまえるべきなのは「人として」の分別だけであり、そこに「女性として」の礼儀や配慮など必要ない。というか文脈がそもそも違うのである。
一言でいうと、しびれます。そうか、こんなに堂々としてもいいんだ! むしろ何をびくびくと怖がっていたんだろう、ただ女として産まれたってだけで! と清々しく開き直れるような心地。爽快です。
フェミニズムとしての教科書としては、概要説明や歴史解説などはないので適切ではないかも知れませんが、「もしフェミニズムという概念さえなく、女性と男性が公平であったならどういう社会になっているか」をリアルに想像するには、良いトリガーだと思います。
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