【サザエご飯】 最後の1粒まで食べたくなる !サザエの炊き込みごはん
サザエはアワビなどに比べてお値段的も手を伸ばしやすく、お刺身、つぼ焼、煮貝など何にしてもおいしい貝ですが、筆者のおすすめは炊き込みごはん。
地域によってはサザエ飯と呼ばれ、郷土料理としても親しまれています。
サザエの貝柱を一緒に炊き込んだり、炊き上がったごはんに混ぜるなど、地域や家庭によりつくりかたは違いますが、サザエの旨みがしみ込んだお米は最後の1粒まで残さず食べたくなるおいしさです。
ちなみに過去に食べて感動したのは島根県小伊津の甘鯛漁師 金築さんのお宅でご馳走になったおにぎり。たっぷり入ったサザエとお醤油味の加減が絶妙でした。
甘鯛漁師金築さんのお話はこちら。
サザエの旬はいつ?
サザエの旬は一般的には3月〜8月と言われていますが、実際のところいつ頃買うのが良いのでしょうか。
あくまで一例ですが、令和4年〜5年の東京都の豊洲市場の入荷量と平均価格をみてみます。
1年のうちでいちばん入荷が多いのは8月。
8月よりも入荷が少ないながら価格が下がっているのは6月と12月。
こちらも、あくまで筆者の個人的な見解ですが、サザエは禁漁期間を設定されている地域が多く、その期間は様々です。各地の禁漁期間をみてみると8月に設定されているところが少ないため入荷が増えていると推測されます。
なので東京都内に限っていえば手に入りやすいのは8月、お得に購入したい場合は価格が落ち着いている6月と12月あたりがおすすめといえます。
地域により禁漁期間、その年、その日の天気により水揚げ量は変わるので、住んでいる地域や旅行先の市場の年間水揚げ量を調べてみるのも面白いかもしれません。
生のサザエの保存法
サザエはあさりなどと同様に生きている状態で売られています。
死んでしまうと臭みが出てくるので、ビニール袋に入れてから新聞紙などでくるみ、冷蔵庫の中でも温度が高めな野菜庫に入れて生きたまま保存します。これで次の日に料理しても大丈夫。
当日の朝購入した場合、夕方料理するからと冷蔵庫に何時間も入れてしまうのも死んでしまう原因です。長時間冷蔵庫へ入れるときは野菜庫へしまいます。
市場で貝類を購入するときは発報スチロールに氷を詰めたビニール袋を入れ、その氷に直接貝が当たらないよう入れてくれます。これも氷が直接貝にあたって死んでしまうのを防ぐため。
ただし、購入したサザエが新鮮なものかどうかは素人目には分かりづらいところ、万が一死んでしまうと劣化が早いため観光地や安さを売りにしているお店など、信頼できるお店以外は当日煮てしまうことをおすすめします。
サザエごはんをつくる
今回つかったサザエはとても立派で貝柱も大きかったため、煮汁のみでごはんを炊き込み、貝柱は大きめに切って肝と一緒にご飯にのせています。好みで貝柱は刻んで一緒に炊き込んでください。
●サザエごはんの素をつくる
ごはんの素<材料>
サザエ 1個(530g)
*通常の大きさであれば3個〜4個分
かつお出汁 600ml
酒 50ml
薄口醤油 大さじ2
*今回は薄めの色に仕上げたいので醤油は薄口に。濃口を使う場合は小さじ1程度醤油を増やしてください。
サザエごはん<材料>
こちらが今回使うサザエ。
かなり大きめです。
タワシで殻の汚れを落とします。
サザエが入る深さのお鍋に入れて出汁600ml、酒50ml、うすくちしょうゆ大さじ2を合わせて中火にかけます。
貝だけでも十分おいしいのですが、カツオだしと合わせることで旨みの相乗効果が生まれ、さらにおいしく仕上がります。
余裕があればぜひ使ってください。
出汁を使うのが面倒な時は、鰹節(3g程度)をお茶パックに入れ煮上がったところに入れておくだけでも出汁が出ます。
また、殻ごと煮るのもポイントです。
郷土料理で貝の殻に具材を入れて焼く料理がありますが、それは貝殻から出る旨みも一緒に味わうためなのだそう。
沸騰して1〜2分したらアクをとり、ごく弱火にします。
沸騰させるのはしっかりとアクを取りたいから。
その後ごく弱火にするのは身が締まって固くなるのを防ぐため。
特に今回は貝を一緒に炊きこまず、そのまま食べるのでやわらかく仕げたいのです。
お米と一緒に炊き込む場合はグツグツ煮ても全く問題ありません。
10分ほどしたら(通常のサイズであれば5分)火を止めてそのまま冷まします。
冷めたら金串やフォークを隙間に差し込み、貝を渦と同じ方向にまわしながら中身を取り出します。
口を下にして殻を上下に振るとスルリと出てくる事もあります。
貝柱は味が滲みやすいようにギザギザにして切ります。
さらに両面に細かく切り込みを入れておくとかみ切りやすくなります。
肝も食べる場合は色の濃い部分と薄い部分をとっておきます。
煮汁に貝を戻しいれてサザエごはんの素の完成です。
サザエごはんの素の保存法
サザエごはんの素は、ごはんを炊く前まではこのまま煮汁に入れて冷蔵庫で保存します。
保存期間は冷蔵で3日ほど。冷凍する場合はジップロックなどに入れてから冷凍庫の匂いがうつらないよう密閉容器に入れます。
時間がないのにサザエを買ってしまった時は
つい美味しそうでサザエを買ったはいいけど料理する時間がとれなかった、という時は、文頭のように生のまま野菜庫に一晩置いて次の日に料理します。
ただし、サザエは魚のように下処理に手間がかかりません。使う調味料もシンプルです。
煮るところまでがんばって終え、殻ごと煮汁につけたまま保存し、ごはんを炊く日にサザエを殻から取り出す作業からはじめてみてはいかがでしょうか。
●サザエごはんを炊く
洗ったお米(3合分)はザルにあげ、水気を切ってから炊飯釜に入れます。
みりん(大さじ2)、塩(小さじ1)を合わせてからサザエの煮汁を入れ、煮汁が足りない場合は水を足して3合の目盛りに合わせ30分以上浸水させます。
*お米は30分置けばそれ以上は吸水しないので、それ以上長くても置いても味に影響はありません。
ただし、長く常温で置くときは食中毒の心配が出てくるので炊飯釜ごと冷蔵庫へ入れておきましょう。
あとは通常通り炊けばOK。
茶碗に盛りつけ、サザエの貝柱とお好みで2色の肝をあしらえばできあがりです。
せん切りの生姜をさっと水にさらしたものや、青ネギの小口切りなどをちらしても良いですが、貝の旨みをより味わいたいときはそのままで。
サザエご飯の保存法
サザエご飯があまった時は1食分ずつラップに包み、乾燥を防げる保存容器に入れて冷凍します。
貝柱は冷凍すると食感が変わってしまうので、刻んで混ぜ込んだり、冷凍せずに煮貝として食べてしまっても。
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以上がサザエごはんのつくりかたでした。
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