![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/128334103/rectangle_large_type_2_10be61b479e012b37bc3ee1637edcbe1.png?width=800)
文系の blender 4.0 マテリアル | プラスチック
ひとことにプラスチックといってもさまざまですが、質感のやや細かな違いを、プリンシプルBSDFのプロパティ別に整理してみました。
文系のため、素材的特性や、光学についての理解が浅く、下のマテリアルについても、物理的に正しくないこともあるでしょう。みためがしっくりいくようであれば良しとしています。
サンプルはすべて cycles でのレンダリング。EEVEEについては、設定が大きく異なる場合のみ付記した。
環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2
基本
デフォルトのプリンシプルBSDFに、ベースカラーをオレンジに変更し、粗さ(Roughness) を 0.2 とした。
これだけでも、じゅうぶんプラスチックの質感は表現されているように思える。
![](https://assets.st-note.com/img/1705824402292-6VnJ3J2UUv.jpg?width=800)
IOR
基本の設定に加え、IOR(屈折率)の値を、1.9 とした。
一般的なプラスチックの IOR の値は、1.4から1.5とされるが、高くすることで、より光沢のある加工表面を表現できる。
![](https://assets.st-note.com/img/1705824488823-i3C4Gmrrec.jpg?width=800)
IOR(Index of Refraction)は、材質によって異なる屈折率の値で、値が大きいほど光を反射しやすい。
スペキュラー(Specular)
基本の設定に加え、スペキュラー(鏡面反射)の IORレベル を0.9とした。
光沢感がより強調され、陶器に似た質感になる。プラスチックベースであっても高級感を増すため、鏡面仕上げ加工を施す場合があるが、それに近い印象。
![](https://assets.st-note.com/img/1705824671067-NUuIIUXyx6.jpg?width=800)
サブサーフェス(Subsurface)
基本の設定に加え、サブサーフェスのウェイトを 0.8 としてみた。その他は初期設定で、スケールは ここでは、5cm(サンプルのカップの直径は約40cm)、R(赤)寄りの透光が混じっている。
プラスチック玩具や、昔のメラニン樹脂プラスチックのような質感だろうか。
サブサーフェスは、物質の内部での光の散乱をシミュレートすることにより、人の肌や蝋のようなやや有機的な質感を再現できる。
スケール は光の浸透する距離を表し、オブジェクトの大きさ(厚さ)によって値を変える。
![](https://assets.st-note.com/img/1705824764018-ZC09NqhVHq.jpg?width=800)
EEVEE
EEVEEでは、スケールを、0.3m (30cm) とした。やや多めに値を与えないと効果が現れないようだ。
伝播(Transmission)
基本の設定に加え、ベースカラーを白に変更し、伝播のウェイトを 1.0 とした。
タッパーウェアのような、半透明のプラスチックの質感を表現できる。
![](https://assets.st-note.com/img/1705824831494-XZ9QdIpQYg.jpg?width=800)
さらに、上の設定のまま、粗さを 0.1 とした。
ほぼガラスに近い表情になるが、透明度の高いプラスチックとガラスはほぼ見た目として同じになるだろう。
![](https://assets.st-note.com/img/1705824893432-DcvNI8qAjk.jpg?width=800)
伝播は、マテリアルの透明性を表し、通常は 0 または 1 とする。同じく透明性を操作する アルファと異なり、光の屈折を伴うため、ガラスなど透明物質のリアルな質感を表現するために利用される。
EEVEE
デフォルトでは透明なマテリアルの屈折等の表現を省いているため、レンダーやマテリアルの設定を変更する必要がある。
![](https://assets.st-note.com/img/1705993032800-qymS0yUEaK.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1705993082583-t6jL50jACc.jpg)
上の設定を組み合わせたり、適宜、調整を加えることで、ほぼすべてのプラスチックは表現できるのではないか。
また、ノイズテクスチャ等を使って表面にやや擦れや汚れを加えることで、よりリアリスティックな表現も加えることができるだろう。
参考
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?