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blender 4.1 海を作ろう |Ocean 海洋 モディファイア

blender には、Ocean(海洋)モディファイアという物理ベースのモディファイアがあり、海の表面を比較的手軽に生成することができます。

ここでは、その設定値を中心にかんたんにまとめてみました。


環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4



Ocean Modifires


デフォルトの平面オブジェクトを追加し、物理演算 > 海洋 モディファイアを適用する。


Resolution

ビューポートの解像度、および、レンダー の値をここでは 20 とした。

値が高いほど、波の模様等が細かくなる。ただし、やや処理に負担はかかるので、適度に増やす。

時間、ランダムシードの値を変更することにより、形状を変化させることができる。


ライティング


カメラを設置し、ここでは、空の表示に、HDRI による環境テクスチャを使用した。

cycles レンダープレビュー

kloofendal_38d_partly_cloudy_puresky_4k.hdr(Polyhaven)
HDRI の具体的な設置方法等は、HDRI 照明 を参照してください。

海洋モディファイアの、リピートX Y をそれぞれ 3 とした。

タイル状に海面オブジェクトが敷き詰められる。
 1 面のオブジェクトよりも、波模様が細かくなる。


マテリアル


マテリアルには、グラス BSDF を適用した。

環境光(HDRI)を反映するので、基本的には無色(白)を設定。シーンによっては、やや青やグリーンを入れるなどしてもよいだろう。

cycles デフォルト基本形
粗さ 0.0 IOR 1.33
伝播(Transmission)を 1.0 としたプリンシプル BSDF でも同じ。


調整

Waves

上のままでもかなりリアルな海の表情が出ているが、海洋モディファイアの「波」設定値の変更により、細かな調整が可能。

スケール 2.0 波の高さの調整
スケール 2.0 波立ち 4.0 波頭がたつより荒い波を
配置 0.1 波の方向が揃えられ、この場合やや平坦に。

「方向」では波の整列の角度を変更、「減衰」ではその方向以外の波を減少させる。


Spectrum

また、スペクトルでは、4種のプリセットを選択できる。デフォルトは「荒れた海洋」

「規定の海洋」 波 > スケール 0.4 配置 0.1 穏やかな海
「浅水域」 波 > 配置 0.1 湖などに適しているか


夕暮れ


HDRI ファイルを変更することにより、さまざまなシチュエーションを表現できる。

belfast_sunset_puresky_4k.hdr

沈む夕日を強調するため、画面外やや上に 発光する UV 球を追加。

プリンシプル BSDF 放射色 オレンジ 放射強度 100
海面マテリアルに ノイズテクスチャで細かな起伏をつけ、擬似的に解像度を上げた
バンプは表面に起伏を与える機能。 強さ 0.1


まとめ


物理ベースなので、設定項目を把握するのにすこし時間が必要ですが、海辺や湖畔といったシーンを作るのに便利なモディファイアです。
波打ち際までシミュレートしてくれると理想的なのですが、さすがにそれは別途モデリングが必要なようです(あるいは流体シミュレータを組み合わせるなど)。
あとは、別記事にも紹介した、ボリュームによる雲などを組み合わせることにより、さらにさまざまなシーンを構築できそうです。参考まで。


海はなぜ青い、空は?
海が青いのは、太陽光の赤い波長が海水に吸収され、結果的に青の波長の色が海底などに反射して青く見えるとのこと。空は、大気中の粒子によって散乱する光のなかで青がもっとも目立つためだそう。blender用語的には、海の青は Absorption(吸収)カラーであり、空は Scatter(散乱)カラーであるのかもしれない。
もっとも、今回作成した海は単なるガラス面なので、環境光(HDRI)を反映した表面(鏡面)反射の色である。

参考

設定値の各詳細については上のサイトで確認できる。


5分も歩くと、すぐ日本海がみえるところに住んでいます。ただ、カナヅチなので、通りすがりに眺めるためだけの海です。
水平線まで雲のない晴天の夕暮れならば、ほんとうに刻一刻と沈んでいく夕日をみることができます。


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