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投げ銭という言葉をボクらのプロダクトには使いたくなかった

どうもVoicyプロダクトマネージャーのエモジマ(@kitajima_snooze)です。

Voicyに入社して最初に関わったのがプレミアムリスナー機能で、思い返せばそれ以来課金系の機能は全てリリース判断をしています。

昨年「差し入れ」という機能をリリースしたのですが、これには個人的にも結構なこだわりがあります。

投げ銭って随分マーケティング的な言葉になった気がする

投げ銭って聞くと、どういった印象を抱くでしょうか?

プロダクトマネージャーのマガジンを見ている方にとっては、ライブ配信アプリの課金システムを想起するかもしれないですね。

・プラットフォーム戦略としての投げ銭
・ライバーの収益源としての投げ銭
・オタクの趣味としての投げ銭

といった文脈が語られることが多い(完全に偏見が入っている←)。

音楽の専門学校に通っていた頃、ボクは投げ銭というと「ミュージシャンがその腕前1つで熱狂を生み出し、その場で感謝を受け取る」といったイメージでした。
投げ銭とは、それくらい「カッコいいもの」のイメージでした。

そのことを思うと、なんだか投げ銭って少し恣意的な、マーティング戦略的な文脈のイメージが付いたなぁという印象があります。
(繰り返しになりますが、ボクの完全な偏見が入っている笑)

Voicyにおいては、少なくとも「世界観を維持するために慎重に扱わなければならない機能」として捉えています。

差し入れ って絶妙なネーミング

Voicyが提供している所謂"投げ銭"の仕組みについては、「差し入れ」と名付けました。

生配信中にお金を払って名前を呼んでもらうといったインセンティブが、あえて起こらないよう世界観を設計しました。

あくまで見返りを目当てにせず、パーソナリティへの感謝や労いを表現したい!というリスナーさんの声を反映しています。

ハッキリとした見返りがない、と言う部分が個人的には非常に大切だなと思っています。

めちゃくちゃ気持ち良くCOTEN個人サポーターになった話

Voicyでも配信されている人気Podcast番組 "歴史を面白く学ぶコテンラジオ"のファンなのですが、先日COTEN CREWという個人サポーターになりました。
その一連の体験が素晴らしかったので紹介します。

株式会社COTENで法人スポンサーを募るにあたって、改めて「資本主義」を深く勉強し、3回に渡って紹介されていました。

そして4回目で、株式会社COTENとしてどう考えているのか?を表明。

COTEN RADIOのそもそものコンテンツの面白さもさることながら、事業としてお金を集めるにあたって「資本主義」という前提からしっかり考えるという誠実さ。
(何よりボク自身が、資本主義というものをしっかり学びたかった)

これを聴いてボクは共感と深い納得感を得られ、本当に気持ち良く個人スポンサーの方に参加することを選択しました。

あらゆるものがコモディティ化した世界において、
納得感を持って、気持ち良くお金を払う」と言う体験が非常に重要になってくるのは、言うまでもありません。

寄付するのにもリテラシーがないと戸惑う

ちなみに、去年末に冗談で以下のようなツイートを投稿しました。

COTENの深井さんとNewspicks(当時)の野村さん(Voicyでは風呂敷「畳人」ラジオ)がやられていた a scope という番組が面白過ぎて、これが無料だというのが信じられない…お金を払わせろください!的なことを思っていました。
(むしろこれで無料だとウチもコンテンツ課金しづらいよ…笑)

結果的にCOTENには多少ですがサポート出来た(自分の心からの行動として)わけです。(ちなみにNewspicksはプレミアム入ってますよ←)

また同時に、仏教の回でお話しされていた実験寺院 寳幢寺さんは寄付のみで運営されているようで、こちらにも寄付をしたいと思うのですが、如何せん寄付に対するリテラシーが育っていないので少し戸惑っています。

言い訳ではあるのですが、気持ちとは言えいくらくらいがいいんだ??
口座振り込みって普段あんまやらないからな・・とか、少し腰が重いのも事実。(次の給料日が来たら考えようって思っている・・笑)

クリエイターに感謝を示したいと思った時、ユーザーに心的負担をかけずに気持ち良くお金を払ってもらえるデザインというのが、非常に大事だなぁと痛感するわけです。

こう言った目線を持って、見返りを求めない経済体験を新たな価値とし、プロダクトを通して提供するというのは、PMとしてとても意義を感じています。

ライブハウスでは意識してお酒を飲む

完全に余談ですが、音楽をやっているとライブにゲスト枠で招待をいただくことがあります。
ゲスト枠は正規のチケット金額ではなくディスカウント、もしくはタダで入場できます。(ただし1ドリンク必須がほとんど)

友達だから、仲良い先輩後輩だからゲストにしないといけないといった暗黙の了解があったり、それによって見に行くのを断りづらいなど往々にしてあります。

若くてお金がない時は非常に助かったのも事実ですが、今は本当に行きたいライブ以外は行かないし、基本的には通常料金を払うつもりで行きます。

それでもゲストとして招待していただけることもありますが、そういう時はレコーディングで協力したり、レーベルスタッフとしてお手伝いをしたお礼だったりします。
こちらのギブへのお返しに招待していただいた場合は、ありがたく受け取ることにしています。

そして招待していただいた場合は、出来る限りお酒を何杯も飲むようにしています。
チケット代に貢献することはないのですが、酒代を払うことでライブハウスが潤い、結果的に主催者に還元されることになるのです。
(何よりお酒飲むとライブが楽しくなる!)

このように、払ったお金が提供者に対してどのように貢献できるのかを考えるのが、気持ち良くサービスを受ける、気持ち良くお金を払うコツだと思っています。


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