vol.3/擬制的親子関係の話。
前回【vol.2/よぼし親とは。】はこちら☟
https://note.com/kitajima_sd4/n/n0aaa030f2716
今回は『擬制的親子関係』についてお話します!
擬制的親子関係は、字の通り、「親子と見なす」という意味です。
よぼし親(烏帽子親)と同じく、親子関係のないもの同士が親子のような関係を持つことを言います。
が、この擬制的親子関係の中に『○○親』という名前の付いたものがあるわけです。
おそらく、この関係を結ぶ意味(理由)や、コの年齢、オヤの年齢がどこに当たるか、などで名前が付けられたようです。
調べた資料や文献には、全国様々な土地の名前が挙げられていました。
・鹿児島県沖永良部島
・山梨県南巨摩郡
・岡山県白石島
など…
しかし、やはりこの関係は相当昔から続いてきたものであり、現在どの親子関係が、どこで続いているかを追い続けることは難しいです。
それは、この関係が、行政や役所の管理の下にないからです。
以前少し触れましたが、戸籍が関係しない制度ですので、どこかが統括しているわけでもなく、住民たちの間で長く伝えられてきたものになります。
もしかすると、これら以外の地にもひっそりと残っている場所があるかもしれません。
筆者は、そんな薄れていく関係をアーカイブ化することも目的としています。
現代の人の生き方となかなかマッチしない制度ですが、地方ならではの
助け合う関係や排除しない暮らしという部分は、いつになっても生きていくうえで大切なことだと思うからです。
次回も『擬制的親子関係』についてお話しするので、ぜひご覧ください!
参考:『子育てと擬制的親子関係 /高橋孝代』
『親分子分と本分家 /服部治則』
『仮親子関係の持続と変容に関する民俗学的研究 /藤原洋』
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