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絵本のある毎日

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絵本に触れることは、子どもの感性をはぐくみます。 大人の心を癒してもくれます。 思わず絵本を手にとりたくなる— 子どもに読んであげたくなる—。 本文は、以下のイラストを開いてお…
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記事一覧

絵本の時間を通して感じた、息子の優しさ

ハナミズキ  夜、寝る前の絵本の読み聞かせは、我が家での毎日の日課です。 5歳の息子と家にある絵本や保育園から借りてきた絵本を読みます。寝る前になっても遊んでいる息子に、「寝るよー」と声をかけてもすぐには寝室へ来てくれません。次の手は何かな?と考え、「今日は絵本、読む?」と聞きます。すると、すかさず「よむよむ!」と手を止めて、寝室へ来てくれます。絵本の威力はすごいです!  読む本は毎日2冊と決めています。あるとき、主人が一冊の本をおもしろおかしく読んでくれたことがありまし

vol.13 絵本が教えてくれたこどもの世界

モギ―  モンゴル出身の私は、13年前日本に来ました。 その後、モンゴル出身の主人と出会い、結婚し、長女と長男が生まれ、保育園に通わせながら仕事を続けていました。  息子が2歳のときに、時間の余裕が出来たので、子どもに絵本を読んであげようと思い、近くにある図書館に通うようになりました。  最初は、子どもがどんな本が好きなのかが分からず、絵本を選ぶのに苦労しました。毎週違う絵本を3冊借りていましたが、子どもが気に入ると、何度も読んでほしいと言われ、2週間も読み続けることがあ

vol.12 「なかよし文庫のこと」

なかよし文庫  良子さん  昨年の3月、古い我が家の1階をリノベーションをした半年後の夏、真っ白な天井と床を眺めていると、ふと「ここで何か楽しいことが出来るといいな。」と思いました。 「この辺りの子どもたちが、ちょっとだけリラックスできる場所に使ってほしい。」「ここでも素敵な本と絵本で楽しい時間を過ごせるかも知れない。」と心に決めました。 昔から考えていた訳では、ありません。 やり残した事を埋めようと、思いついたのかも知れません。 自分勝手な思いでも、主人や娘が動いて

vol.11 迫力ありすぎた読み聞かせ!?

えんまちゃん 「お母さんはいつも絵本を読むとき役になりきって読んでくれるでしょ。お母さんの絵本の読み聞かせ僕大好きなんだ。」  そんな息子の言葉に後押しをされ、当時息子の通う小学校の図書ボランティアに手をあげました。 図書ボランティアのメインイベントは月に一度の読み聞かせ会。 私の担当が近づきどの絵本にしようか、あれこれ迷っていた時、息子から、「この本がいい、お母さん迫力あるもん。この本読むと嘘をついちゃいけないって思うんだ。」と持ってきたのが仏教漫画『地獄と極楽』 よおー

vol.10 大人になって読む絵本

ばたこ  今でも仲の良い大学の同級生が、当時私の誕生日に絵本をプレゼントとして贈ってくれた。彼女が贈ってくれたのは「おおきな木」という絵本。彼女のお気に入りの絵本だそうで、大切な友達に渡したかったと言ってプレゼントしてくれた。絵本に全く興味のなかった私だが、その思いがとっても嬉しかった。大学生になって誕生日プレゼントに絵本をチョイスしてくれるという彼女の感性がこれまた素敵で、ちょっぴり他人に自慢したくなる思い出として私の心に残っている。  今回、絵本のある毎日にコラムを書

Vol.9 絵本が教えてくれること

八方美人  11年前に長子が生まれて以来、少しずつ増え続けた我が家の絵本たちは、5歳になる娘に読んでもらうことを待ちながら、おもちゃなどが置かれている棚に鎮座している。そういう意味で、我が家はたしかに“絵本のある毎日”を送っている。  とはいえ、現実は共働きを言い訳に、子どものために落ち着いて絵本を読む時間はなかなか取れていないのが正直なところ。それよりも、仕事から帰れば夫婦で夕飯やお風呂の準備に後片付け、さらには学校の宿題を催促することに追われ、隙あらばテレビやYouT

Vol.8 絵本がくれた、息子との時間

立正佼成会 渉外グループ 田中希依 私が幼いころ、毎日寝る前に母が本の読み聞かせをしてくれました。 布団の中で、母の声で聞く物語にいつもわくわくして何冊もおねだりしていました。 いつか自分の子供にもと夢見ていたのですが、絵本よりも図鑑が大好きだった息子。寝る前は物語ではなく、図鑑に載っている乗り物の名前をひたすら読み上げるそんな時間でした。 子供が興味のあるものに、自分は興味を持てず、夜の読み聞かせがだんだん億劫になっていきました。そんな時、買い物の途中で、図鑑に載ってい

Vol.7 いつのまにか染みこんでる

佼成出版社 もうおばちゃん 長女が2歳ぐらいだったころのことです。 ふと見ると、布団の上に一人でおすわりして、絵本のページをめくっています。 そして、なにやら声を出しています。 まだ字は読めません。 こっそり聞いていると・・・ 「いーまー、やったらー、おばあちゃん でてきました!」 えっ、なにそれ!? しばらく考えて、気がつきました。もしかして、あれじゃない? よく昔話の最初に出てくる・・・・・・。 「むかーしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがすんでいました

Vol.6 選べる自由が、自由な学びへ

元公立小学校長 三村 悟 3月まで勤めていた小学校では、校長室と図書室が同じフロアにあったので、毎日、毎時間のように本を読む子供たちを目にしていました。 夏休みや冬休みの前には、何冊もの本を抱えて歩く子供もいて、その手の中には絵本も見られました。1年生に人気の絵本もあれば、6年生が好む絵本もあり、その多様性が絵本の魅力なのだと思います。 もちろん、私の心に留まった絵本が、子供たちの心にも響けばいいなと思います。「みえるとかみえないとか」は、朝会の講話で紹介したり、校長室

Vol.5 母から私 そして娘へ

立正佼成会 人事グループ さんずいに中 どうしよう…。はじめ、「絵本のある毎日」という言葉に、私はドキッとしました。日々の生活にいっぱいいっぱいで、子どもたちに絵本をまったく読んであげられていなかったからです。 私が子どもの頃、寝る前に妹と一緒に母に絵本を読んでもらった記憶があります。昔話や伝記、たくさん読んでもらった懐かしい思い出。そのことが、ぶわーっと蘇ったと同時に、母と同じように出来ていない自分に、申し訳ない気持ちと、情けない気持ちになりました。 でも、娘が1,2

Vol.4 はみがき×娘=笑顔

立正佼成会 府中教会・二人の子をもつお父さん代表 あんきん 娘と妻に絵本の思い出を聞くと、思いがけない言葉が娘から返ってきました。「親の心子知らず」といいますが、それ以上に「子の心親知らず」だったことを教えてくれました・・・ 娘は一歳になる前から歯が生え始め、歯磨きを勧める映像などを親子で見始めましたが、歯磨きは当初から嫌がっていました。 本格的に歯が出揃う2~3歳頃には弟が生まれ、妻は生まれて間もない息子の面倒に手がかかる中で、歯磨きを嫌がっている娘に、ある絵本を購入し

Vol.3 あたたかい心は絵本から育つ~保育の現場から~

府中佼成幼稚園 主任 桜井美華 今回は幼稚園での「絵本のある毎日」を通して思うことをご紹介させていただきます。 子どもたちは大人が思っている以上に絵本が大好きです。そして、大人が思っている以上に絵本の世界に入り込み内容を記憶しています。「絵本を読みますよ〜!」と声をかけると急いで集まる姿に喜びと期待があふれていることを感じます。 幼稚園では物語はもちろんのこと、集団生活のルールを考えたり、守るように指導(生活指導)する時、苦手な食べ物に挑戦する気持ちを育てる(食育)時、車

Vol.2 居眠りしていても…

保育士 たまちゃん “ねぇねぇ、おかあさん よんでよ~”いつもの娘のおねだり。 仕事に家事に上の子の習い事…いつも後回しになってしまう末娘との唯一の時間。 最初は張り切って声色変えたりして読んでいるんだけど、気がつくと娘より先に寝息をたててしまっている私。あ~またやっちゃった…! そんなある日、気づいたらいつも通り寝息を立てる私の横で、娘がひとりでお気に入りの絵本を読んでいました。「フワフワでわたのようにやわらかいベッドに、わたしもねてみたいなぁ~♪」すっかり絵本の世界に

Vol.1 読み聞かせは楽しい!

佼成出版社 鈴木亜紀 こんにちは。第1回を担当する鈴木と申します。 突然ですが、みなさんは読み聞かせは好きですか? 忙しいときや、疲れているときなど、子どもから「本読んで~!」とせがまれると、「たのむから寝かせて」と言いたくなりますよね。もしくは、読み聞かせは子どものためになると聞いたことがあるけど、うまく読めないからあまり読まない、という人もいるかもしれません。 でも、私はぜひお伝えしたいのです。読み聞かせって楽しいですよ。もっと気楽にやってみませんか、と。 高校生と中