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開発チームのコミュニケーションがうまくいくプロジェクトの始め方

こんにちは、株式会社Relicの北川です!
今回は、先日(5/30)にLbose社と共同開催しました勉強会にて登壇しました内容をnote用にまとめたいと思います。勉強会では時間の都合で駆け足になったところだったり、発表に合わせて削除したスライドもあるので、補足も踏まえて展開したいと思います。

対象とする読者の方

  • 勉強会に参加したがもっと理解を深めたい方

  • 勉強会の対象の方

    • プロジェクトの始まり方や立ち上がり方に悩んでいる方

    • クライアントやチームメンバーとのキックオフでどんなことをしてるか知りたい方

    • トラブルや炎上を起こさないために立ち上げ期やキックオフで意識してることを知りたい方

    • プロジェクトを進めるために立ち上げ時にチームで何を大事にするか知りたい方

今回のテーマ

発表した内容は「開発チームのコミュニケーションがうまくいくプロジェクトの始め方」についてです。
開発チーム、コミュニケーションに焦点を絞ってまとめています。

開発初期に確立させる

まずはやはり初めが一番肝心ということです。
一度決めたことや、決めずになんとなくのチームの習慣になってしまったこと、どちらも変えるのが本当に難しいです。
ですのでキックオフのタイミング、チームがまだまっさらな状態のときに「チームとしてこうしていく」ということを共有することが大事です。

組織図を書くとPMは上部レイヤーになると思いますが、だから偉いということはなく、あくまで”ロール”であるという認識でいます。
知らないことはどんどん聞いていって、メンバーも「聞いていいんだ」と思わせることで、心理的安全性の確保ができるチームであることを認識させています。

事例紹介

私が経験したあるプロジェクトの事例です。
多いときで20名以上になるチームで、将来的にコミュニケーションパスやセクショナリズムの課題が出そうだなと思っていました。

実施したこと①

そのときに実施したことの1つ目を紹介します。
デイリーミーティングは必須で開催しました。
よく「何を話すの?」、「その時間を実装に充てたい」などが話題になりますが、会話の中心は「誰かと一緒に作っていることを認識する」となるようにします。
例えばバックエンドが「API作ったよ!」を受けて、フロントエンドは「じゃあ叩いてみますね!」とか「叩いたのですがこんなエラー出てますけど?」など、連携に関連する箇所を煽動するイメージです。
あと、メンバーが困っていることがあれば話してもらって、別のメンバーが解決できそうだったり、アドバイスがもらえたりとか、「この件について誰か解決策がある方いますか?」と誘導したりと、一人で悩むより早く解決する効果も期待しています。
細かい箇所の話が長引きそうだったら「この後担当者間で話しましょう」ということも意識しています。

実施したこと②

2つ目は相談の文化です。
デイリーミーティングで長引いたことだったり、課題が出たらすぐに相談するのが良いことだと思わせることです。
Slackのハドルがシームレスに使えるので、開発初期だと見積もりとか実装仕様についてPMが率先してハドルを使用していきます。

あるプロジェクトでのSlackハドルの使い方①

Slackハドルの特徴として、手間でもないけどその細かい対応すら考える必要もない、ミーティングを設定するための準備をせずに「今ハドルいいですか?」だけで会話が始められるのが良いと思っています。
まずはPMがどんどん使っていくことで「こうやっていいんだ」とかを認識していただきます。その姿勢を見せていくとメンバーにどんどん伝播していきます。
PMなしの担当者同士のハドルも発生していきますので、PMもしれっと入っていくことをお勧めします。理由は最新情報の取得やPMで解決できることもあるからですね。

あるプロジェクトでのSlackハドルの使い方②

あとは自然とどんどんハドルが発生していくまでやり続けましょう。
そのうち「今ハドルいいですか?」もなくなって、まるでオフィスの隣の席にいるような感覚で、会話が始まるようになります。

実施したこと③

3つ目は、どうしてデイリーミーティングをしているか、どうしてハドルをしているか、について、スピード感を重視しているからである、という理由を言い続けることが大事です。
せっかくのいいアイデアや新規性の高い事業も、他社影響だったり、市場動向の変化で、陳腐になる可能性があります。
1回言ったから良いということもなくて「言い続ける」ことが大事です。
「伝える」と「伝わる」は全く異なるので、「伝わる」まで「伝え続ける」必要があります。

今まで開発チームに閉じた話でしたが、会社組織に対してもアプローチすることも大事です。
実施したこと①②が良いことだよ、と社内に言い続けることによって、メンバーも「やっていいんだ」という認識を広げていくことを目指していきます。

結果

結果としてみんなで話すことが増えました。
その効果もあって、仕様の認識違いがなくなり、背景や経緯などの知見がある状態となるので、プロダクト知識の情報の格差が限りなく、なくなりました。
また背景や経緯があるので「だったらこうした方が良い」というような提案も増えたり、書面や文面上だけでは分かりにくい要求や要件について言葉以上の理解ができるようになったり、メンバーの認識の差が少なくなって、同じ方向に向かうことができました。

反省点

Slackハドルだとあまりにシームレスにコミュニケーションが取れるので、テキストで済みそうなこともハドルでしてしまうこともありました。
ドキュメントに残すことが少なくなってしまったのはあります。
これが反省点として上がってくると、「ハドルで決まったことはドキュメントに残す」ということをするようにしてきましたが、チーム発足からやっていると負荷が高いと思いますので、チームの成長に合わせて”今ならできるかも”というタイミングを見極めて実施するのが良さそうです。

良かったこと

人によっては、テキストチャットは楽なように見えて、送る前に一度内容を見直したり、メンション先が合っているか確認したり、意外と大変であることがわかりました。
その点Slackハドルは”オフィスの隣の席”のような感覚になりますので、ハードルが下がってメンバー自らコミュニケーションを取ることが増えました。

また責任範囲を明確にすることが、メンバーの自立性を確立することの手助けになっていると思います。
PMが、詳細設計など細かい部分も含めて1から10まで全部決め切る、とか、メンバーに丸投げしてしまう、とかだと自立性も生まれません。
PMはWhatに責任があって、メンバーはHowに責任があることを、伝えることで責任範囲が明確になって動きやすくなったと思います。

総評

さまざまな施策を打ってきましたが、すべてこの言葉に帰着するなと感じたのが「納得感」という言葉です。
納得感があればメンバーは自立的に行動し、提案もするようになります。
そうするために促すこととして、責任分解点を明確にすること、シームレスなコミュニケーションをするためにSlackハドルをすること、させること、だったかなと思います。

その他にやったこと

※勉強会では公開しなかったスライドです。
その他にやっていた施策もご紹介したいと思います。
PMとメンバーは1on1を定期的にやっています。
議題としては、メンバーがこれから挑戦してみたいことや、プロジェクトに対して思っていることをヒアリングしています。
挑戦したいこと、例えばバックエンドエンジニアがフロントエンドに関わる部分をやってみたいなど、を知っておくと、そのチャンスやタイミングがあればできる範囲で実現させようとします。
またチームメンバーが大人数の場合、人によっては発言しにくいことがあるので、1on1を通じてプロジェクトへの想いや、考えていることを伝えていき、メンバーの考えと議論することが大事だと思っています。

またキックオフのタイミングより後にチームに入ってくるメンバーのケアも必要です。
今回のテーマの一番初めにお伝えしたように、初めが肝心で、チーム習慣を変えることは難しいので、いつもより手厚くフォローすることが必要です。
リーダークラスのチームメンバーにも協力いただいたりするのも良いですね。

次やるならどうする?

※勉強会では公開しなかったスライドです。
今回の事例プロジェクトでは、やり残したこともあります。
もっとクライアントを巻き込んで、この施策をしても良かったなと思っています。クライアントと本音で話してみるとそう言った声もいただけたので、もっとガツガツと踏み込んでも良かったかなと思っています。

また「開発すること」の方向性は、施策の効果もあって同じ目線だったと思いますが「事業」の方向性まで同じだったかと言えば、できていなかったと思っています。
どう事業化するか、どうKPIを達成するか、どんな価値を提供するか、メンバー内でも少しづつ違ったかもしれないので、方向性を合わせるためにも、もっとクライアントを巻き込んでも良かったと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は先日開催しました勉強会について補足を交えてまとめてみました。
「開発チーム」と「コミュニケーション」にフォーカスして、”うまくいく始め方”に落とし込んでみましたが、みなさんの参考になれればと思います。
今回は事例の紹介でしたが、チームごとに合うやり方も異なると思いますので、チームと向き合って最適な施策を考えることが重要なのかもしれません。

最後に

Relicではオンライン勉強会を定期的に開催しております。
過去のオンライン勉強会の一覧はこちらです。

さらに他のRelicメンバーが書いた記事は以下にまとめられていますので、よろしければ見ていただければと思います!

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それでは次の投稿でまたお会いしましょう!

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