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てくてく北へ #1 「九州南部の旅」(森山智仁)


【この連載について】
フリーライター・森山智仁さんが、2023年4月から半年かけて、鹿児島の開聞岳から北海道の羅臼岳まで各地の山に登りながら、ほぼ徒歩で日本縦断する旅「#日本縦走」。このチャレンジを「食」の観点から綴るフォトエッセイです。鹿児島から時速数キロで北上しながら、各地で出会った味覚についてリポートしていただきます。応援よろしくお願いいたします!
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4月3日、羽田空港を飛び立ったJAL645便は無事、鹿児島空港に着陸しました。

霧島連山に登るのは5日後

加治木駅行きのバスを待つ間、空港内の「大空食堂」にて、鶏飯バイキング。自分でごはんと具材をよそい、鶏がらスープをつゆだくに。

サラダ付き730円

ワサビをちょんと乗せた椎茸が美味! 昔は椎茸の味が苦手でしたが、大人になって好きになりました。どんなジャンルでも、できることが増えていくのは嬉しいものです。

バスと電車を乗り継いで、開聞駅近くの「民宿かいもん」に宿泊。

全部おいしい

お夕飯、野菜がたっぷりで嬉しい! どれも野菜そのものの味が濃厚で、特にショウガとミョウガを乗せたトマトが絶品でした。行きつけの居酒屋にあったら毎回必ず頼んじゃうやつ。鹿児島でのトマトの旬は早く、今頃なのだそうです。

4日、朝8時22分に開聞岳(924m)登頂。厳密にはここから日本縦断の旅がスタートです。

北上開始!

山から下りてきて、下界歩きを開始。霧島連山の麓、霧島温泉まで、3泊かけて歩きます。基本的に昼食は携行食・軽食で済ませるのですが、この日は短い行程だったので、唐船峡のそうめん流しに立ち寄ってみました。

おにぎり・鯉こく・鱒の塩焼きも付いて1370円

何これwww 楽しいwww 誰ともシェアせず一人で回しているだけなのですが、箸にそうめんが当たってくる手ごたえが面白くて、笑いが込み上げてきます。楽しさの効果でおいしさ5割増。セットの鯉こくと鱒の塩焼きもおにぎりと良く合って大満足。内装も渓流沿いみたいな雰囲気で涼しく、夏真っ盛りに来たら最高だろうなと思いました。

キャンプ場→ビジホ→キャンプ場

下界ではコンビニがメインの補給ポイントとなります。普段の生活ではコンビニってちょっと割高なのであまり使わないのですが、ほぼGoogleマップの情報通りに営業していて、イートインコーナーやトイレもお借りでき、こういう旅では非常に頼れる存在です。

腹4〜6分目をキープしていく

7日、霧島温泉の「民宿みちや荘」に到着。雨の中の行軍で疲れた体に温泉が染み渡ります。ここを基地にして、8日は高千穂峰(1574m)、9日は韓国岳(1700m)へ登りました。テントなど重い不用品を宿に置いて行けるので楽々です。

高千穂峰からスタート地点の開聞岳が!

高千穂峰の登山口、高千穂河原の神宮前茶屋で、缶ビールとさつま揚げ(計1150円)。とれたての筍をサービスしてくれました。

筍とは思えない柔らかさ

登山道はかなりの人手で賑わっていたのに、入店時は僕一人きり。最近は立ち寄ってくれるお客さんが減ったそうです。地元・東京の奥多摩でも「みんな通り過ぎていくだけ」という話を聞きました。商売は人の流れさえあれば儲かるってものではないのですね。難しい。

韓国岳から高千穂峰と大浪池を見渡す

みちや荘は朝食のみのプランで予約していたのですが、他のお客さんとの兼ね合いで1食だけ夕食も付けられると言われ、そうしてもらうことに。

突然のごちそう!

鳥刺しうっっっま! 歯応えが良いです。小さめに切ってあるのもグッド。一切れずつちびちびと、ビールのつまみとごはんのおかずに半分ずつ消費しました。薬味は無し→しょうが→にんにく→両方という流れで味変。にんにくが最強でしたね。強烈なうまみが口いっぱいに広がります。

3泊お世話になりました

10日、バスと電車で熊本まで移動。「ほぼ徒歩」と銘打った今回の旅、海路以外で徒歩じゃない区間が2ヶ所あり、そのうちの1ヶ所目です。北海道で本格的に雪が降り始めてしまうと、自分の力量ではゲームオーバーになるので、徒歩での踏破にこだわらないことにしました。

本当は歩きたかった

途中、八代駅前の「より藤」で、九州駅弁ランキング3年連続1位の「鮎屋三代」をいただきました。

テイクアウト・イートインどちらも1350円

炭火でこんがり焼いた天然鮎を二昼夜干して作る「焼鮎」のおだしで炊き込んだごはんと、骨まで食べられる甘露煮。さすが王者、めっちゃうまいです。甘露煮もおいしいけど最早ごはんだけでもいい。香りがすごく良い。

……と、あまり節約せず、食べたいものを好きに食べる感じで一週間旅してしましたが、お金は大丈夫なのでしょうか? ここまでの平均を計算してみましょう。

なるほど

思ったより低い! 1日9000円を下回りました。でも、もう少し抑えたいですね。なぜならこの先、1泊2万円を超える立派なお宿に何度か泊まる予定だからです。奮発したわけではなく、位置的に他の選択肢がありませんでした。

まぁ、交通費は当分発生しない予定だし、少し節約思考で行けばなんとかなるでしょう。今のところ順調! 引き続き頑張ります。

【北海道上陸まで残り167日・車道最短距離で1845km】


文・写真:森山智仁
Twitter:https://twitter.com/bacoyama
blog:https://moriyamatomohito.hatenablog.com/

●森山智仁のyoutubeチャンネル「東京登山」
https://www.youtube.com/channel/UC0HDQAfdJHYJtPpHgJUds1Q
Twitter:https://twitter.com/yamako_yamalove

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