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4組目「炭鉱にまつわる物語」による文化芸術交流/越智香奈江(北海道)じっちゃん(九州)

2024年3月9日に北九州市・門司画廊MoGAにて開催された北海道×九州文化芸術交流 in 門司港。
文化や芸術に携わる北と南の5組の出演者が集い、それぞれの分野を越えたり越えなかったりしながら交流を重ねました。

4組目は文学、その中でも炭鉱にまつわる物語に絞った内容になりました。
というのも大學堂門司画廊MoGAではこれから山本作兵衛さんという、炭鉱記録画を描かれていた方の個展を開催予定でして、せっかくなら炭鉱を題材に何かできないかということになりました。

そこで、九州からはじっちゃんに参加していただき、純度の高い筑豊弁で朗読していただきました。
というのも、山本作兵衛氏さんの炭鉱記録画などの作品は、作兵衛さんが炭坑の仕事に従事した筑豊炭田の炭坑が舞台となっているのです。
お話は労働者目線でハードながらもエネルギッシュな炭鉱の日々が綴られており、生の筑豊弁に圧倒されながら聴いていました。

じっちゃん(九州)
筑豊の炭鉱が多くあった地域の農家に生まれ育つ。実家の横の棚田の上にボタ山、その山を超えると炭住や炭坑跡地があった。現在はその筑豊で学校の教職員を務める。

一方のあたらしい民話プロジェクトは、札幌を中心に活動するプロジェクトで、市井のお話をインタビューして民話化しています。
お話をそのまま民話化する時もあれば、少し内容を創作したものを民話化することもあり、今回は炭鉱にまつわるインタビューをもとに創作された絵本を越智香奈江さんが朗読してくれました。

こちらはじっちゃんが読んでくれた、僕らがまさに想像していたような危険で緊張感のある「The 炭鉱」の物語とはうって変わり、子ども目線による楽しげで冒険心に溢れた炭鉱の町の物語で、みんなでお祭りを楽しむ様子などが描かれてました。

あたらしい民話プロジェクト
越智香奈江(札幌)
札幌市出身。2017年札幌市立大学卒業。演劇公演の企画・広報、またその他プロジェクト行う。また、札幌のICC「札幌試行錯誤」をきっかけに2021年から「あたらしい民話」プロジェクトを開始。

このお二人の対比が非常に鮮明で、とても幅がある組み合わせとなりました。
地域差や世代差ということもありますし、朗読した作品のテイストも全然違います。
ただ、お二人ともその違いを楽しむ余裕があり、じっちゃんさんも炭鉱には過酷でキツいイメージはあるけれども、確かにお祭りなどもあり色々な側面があったと仰っていました。
越智さんも炭鉱の危険さやハードさはインタビュー時に聞かされたと認めつつも、炭鉱の町の景気の良さや活気をあたらしい形で打ち出しました。

お互いを認め、差異を楽しむ。
これこそが文化芸術交流だなぁ、と勝手に満足してしまいました。

あたらしい民話はこちらから読めますので、お時間あればぜひ!
またトークでは野研から小籠包さんにも少しお話をいただきました。
野研によるMoGAでの炭鉱にまつわる展示も間もなく情報公開されるかと思いますので、お楽しみに~

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