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4月のインフレ率

米国の年間インフレ率は8.3%で前月から0.2%低下、食品とエネルギーを除くコアCPIは6.2%で前月から0.3%の上昇となり幅広いインフレの兆候を示しました。

年間インフレ率は、米国がパンデミックからの回復が加速し、サプライチェーンやその他の問題が物価上昇のきっかけとなった2021年から上昇し続けています。

エネルギー価格を除くサービス価格は3月から0.7%上昇して1990年以来1ヵ月で最速の上昇となりました。食料品、外食や航空券など、パンデミック後控えられてきたサービスも値上がりを続けています。航空運賃は3月比+18.6%で、過去最速の上昇率、フルサービスのレストランでの食事代は3月比+0.9%と、昨年10月以来最大の伸びでした。

自動車価格は、需要と供給の問題から昨年から急激に上昇しています。4月の中古車・トラック価格は、前年同月比+22.7%(3月は前年同期比+35.3%)でした。新車価格は前年同月比+13.2%で、年間上昇率としては1949年以来最大でした。

現在の中国のロックダウンは、製造やその他の混乱を長引かせる可能性があるため、サプライチェーンへの圧力が引き続きの問題となります。

4月の米国経済の雇用者数は42.8万人で、12ヶ月連続で40万人超えの雇用をしています。このように雇用が急増しているにもかかわらず、求人数と労働力人口の間には依然として大きなギャップがあって、労働力に対する需要が供給をはるかに上回っていることを示す結果でした。雇用主は需要の増加に対応するために労働者を雇用しようとし、春には1,150万件の求人を出していて2000年以降で最高の求人数となりました。

CPIの3分の1近を占める住宅費が着実に上昇していることも、インフレに拍車をかけています。家賃とオーナーズ家賃はいずれも前年比+4.8%で、1980年代後半から1990年代前半のペースとなっています。

4月のインフレデータを受け、米国主要株価指数と国債利回りはバランスを崩しました。S&P500は-1.6%、ダウ工業株30種は-1%、ナスダック総合は-3.2%で年初来の下落率を27%に伸ばしました。した。10年債利回りは2.918%で、前日から低下しました。2年債利回りは2.629%で、前日の2.623%から上昇しました。

4月のインフレデータ発表以前に、国債の利回りは今週既に低下していました。この下落は、インフレ圧力緩和の兆し、利回上昇、借入コスト上昇、株価の下落、の後、FRBの利上げ計画がインフレ抑制に十分効果的であると投資家の期待を反映したものでした。

10年債の利回りは3%前後で推移、30年住宅ローン金利は5%を超えているため、投資家はFRBが現在の場予想よりもさらに厳しい金融政策を課す必要があるかどうかに注目しています。同時に、借入コストはすでに景気後退を起こすほど上昇しています。これらの事項が作用し、ハイテク株を下落させ、その後、経済不安によってより広い範囲で下落が始まり、債券への資金還流を促しています。投資家は特に海外の景気減速の兆候に注目しています。

国債の利回りは、短期金利が債券の寿命までどのように推移するかという予想を大きく反映している。現状では、金利デリバティブは、投資家が来年のFF金利が現在の0.75%から1.0%の範囲から3.2%程度に上昇すると予想しています。

金利上昇期待の高まりは、今年、ほとんどすべての資産の価格を引き下げました。


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