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ネット難民になる

データ通信が繋がらない。
ここではWi-Fiも無いからなにも来ないし、なにも送れない。

孤立無援の状態だ。

一歩足を踏み出せば沢山の人がいるし、すべて普通に活動している。

しかし、私は孤独だ。
スマホが繋がらないことが、こんなにも巨大な喪失感を与えるとは。

すっかり設定はできているものと思っていた。
しかしそれはWi-Fi経由でのことで、肝心のモバイルデータ通信は繋がっていなかったのだ。
もともとこういうことにはそんなに詳しいほうでは無いと思う。
なんとかWi-Fiを繋げて
アプリの引っ越しやらアカウントのなんやらかんやら。IDとパスワード。もう頭の中は超ビジー状態、意識朦朧としていた。

そんなんなのに格安のスマホをアマゾンで買って、自分で簡単に設定できるなどと思っていたのだから。

それだけではないのだ。
この格安のスマホというのは当たり外れがあるのかもしれない。個体差も大きいのか、イロイロと調子悪いのだ。

昨日は突然、「アンドロイドが読み込めません」とか言い出して、いかにも怪しげな、やばそうな画面に切り替わって切れてしまうし。

モバイル通信ができないと言うことは現代社会から隔絶されたようなものだ。

誰に助けを求めることもできない。

どこかWi-Fiの繋がるところへ行って「SOS」を発信するか。いや、そんなもの発信したところで火事でも救急でも無いのだから誰にも助けてもらえない。
そもそもどうやって?
画面の上の端を見るとアンテナはいっぱい立ってるのに。

ん、と言うことは、データ通信はできなくても通話はできるんじゃないか?
誰かに電話をかけてみよう。しかし誰に?
こんなしょーも無いことで電話できるやつなんていたかなぁ?
あ、そうだ、いた、しょーも無いやつ。オレだ! オレんちへかけてみよう。自宅へ。
今なら誰もいないから留守電になるはずや。
「トゥルルルー、トゥルルルー」
おっ、やっぱりかかったぞ!
留守電になるかなぁ・・・

しかし電話が繋がったところでいったい何ができるというのか、ネットに繋がらなければなにひとつできないではないか。


結局、家へ帰ってから、Wi-Fiが繋がるようになってネットで検索した。

まぁほどなく接続の設定方法がわかって無事モバイルデータ通信はできるようになったのだが、この出来事は自分がいかにこのネット社会に依存してしまっているかということを自分自身に問うこととなった。

自分はそれほどネットやスマホに依存している人間では無いと思っていたのに、こんなにもパニクるとは。

買ったばかりの繋がらないスマホを地面に叩きつけてやろうかとさえ思った。

そして周囲にはたくさんの人がいるのにも関わらずそれほどまでの孤独感。

病んでる人だなと思った。

そして、そんな私の孤独な戦いなど、なにも知らずに帰ってきた妻子には、うっかり消し忘れていた留守番電話に残された間抜けな独り言を笑われるのだった。

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