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弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第11話 ホール練習

7月中旬に開催されるコンクール地区大会。まずはそれに向けての練習が始まった。
様々な改革によって平日の練習時間は2時間、土日はいづれかの日で3時間までというルールの中、感染症対策を行いながら練習をしていく日々。

6月上旬、地元のホールを借りて練習をすることになった。
コンクール本番や、地域の演奏会では自由に撮影できないし、雑音を拾ったり鑑賞している保護者の方々が画面の下半分を占めていたり・・。
記念の思い出作りのために撮影させてほしい。そう顧問の先生に承諾を取り、準備を進めた。

私の手持ちのハンディカムの録音マイクは絶望的な性能だったため、色々調べに調べて外部マイクを購入。また、吹奏楽のYouTube動画を参考にして、カメラを4ヶ所に設置(2台はスマホ)。同じ曲を他の方がアップした動画を見て、どのセクションをどの角度で撮影したら良いかとか、カメラワークなどを学習。

素人同然ながら、ホール練習当日に向けてあれこれ勉強・予習を重ねていった。
やはり再生回数の多い動画などを見ると、カメラマンが4〜5人、無線で撮影指示のやり取りをするコントロール役の方がいたり、外部マイクも至る所に散りばめられていたり・・。

これ、私1人でやれるのか?
プロじゃあるまいし、まして営利目的で撮影する訳でもない。残念な仕上がりになってもいいじゃん、素人だし。気楽な気持ちで臨むしかない笑

ホール練習当日がやってきた。
午後の13時から16時までの3時間を使っての練習。
午前中に練習をしていた他の中学校の練習の様子を少しだけ見学できた。とても人数が少ない学校(12人)で、それでも一生懸命練習している姿に心を打たれた。クラリネットが1人しかいない。
時間的に練習の終わりが近づいてきた頃、

『はいっ!それでは審査用の撮影をします』

審査用?そんなものがあるのか!
きっとホールの撮影・録音機器を使ってやるのだろうと思って見学していたら、客席最後方にいる顧問の先生がおもむろにiPadをなんと固定せずに手持ちで!?撮影を開始。

我々の練習時間がやってきた。
さっそくカメラの設置をはじめる。
ん〜。想像していたよりホールは広い。しかも先生はメンバーの配置を変えてきた・・。クラリネット部隊が左右逆になっている!
そして衝撃の知らせが!

先生『撮影していただいたものを録音録画の審査用として、吹奏楽連盟事務局へ提出します。15時半くらいに声をかけますのでよろしくお願いします。』

私『えええっ!そうなんですか!わかりました。精一杯やらせていただきます。』

先生『それでは撮影・録音のルールはこの用紙に書いてありますので、よろしく🩷』

こういったことはいつも突然やってくる。やるしかない。
我が吹奏楽部が、万が一コロナ関係で欠場となった場合、私の作った映像によって県大会へ進めるか否かの判断を審査員が下すことになる。

お気楽撮影モードが一転してしまった・・
そして練習がスタートした。

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