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ヨエコを聴く会(東京ピアノ/前編)

東京にお住みの皆さん、こんばんは。
そうでない方たちも、こんばんは。
どうも、きすけ(鳥)です。


さっそくですが皆さんは、倉橋ヨエコという歌手をご存じでしょうか?

ピアノを巧みに使った美しい音楽と少し暗さのある独特なリリックから「ポガティブ(ポジティブ+ネガティブ)」という新ジャンルを開拓し、主に
ニコ動を中心に人気を博していました。
特に「夜な夜な夜な」や「卵とじ」などの曲が人気で、MAD動画がいっぱい作られていました。たぶんこの曲なら聞いたことある!って人も多いはず。


しかしその人気をよそに、2008年に"廃業"ライブを行い惜しまれつつ引退。

私含め多くの倉橋ヨエコファンは、止まってしまった彼女の音楽を繰り返し繰り返し聞き続け、引退した彼女に思いを馳せつつ、心のどこかで彼女の復活を待っていました。


そして今年2023年、7月のことです。
突如として衝撃の発表がツイッター(現X)上を駆け巡ります。

倉橋ヨエコが、「ヨエコ」として復活する。
ツイッター上でも約4.5万リツイートを記録し、多くのヨエコファンが歓喜しました。

自分はこのツイートを見たとき、ちょうど新宿に遊びに行っていたのですが、無茶苦茶びっくりして街中で声が出そうになりました。
それくらい衝撃だったし嬉しかったです。


そんな彼女は、復活発表とほぼ同時に復活アルバムのリリースも発表しました。タイトルは「ニューヨエコ」。復活を飾るにふさわしいタイトルです。

発売日は9月20日。意外ともうすぐじゃないの!!!
みんな買わなきゃだね!!!
もうリンクも貼っちゃえ!!!えい!!!

是非によろしくお願いします。


ところで、新たなアルバムの発売を前にしてファンがやることと言えば
もう決まっています。
過去のアルバムを聴き漁って気持ちを高めることでしょう。

そんなわけで今回は、いちヨエコファンがアルバムを一本聴いて感想をつらつらと書いていくという記事になります。
アルバムは「東京ピアノ」。これは名盤ですよ~。

それでは早速行きましょう。
東京とヨエコが織りなす、美しい音楽の世界へ……

皆さんもぜひ、一緒に聞きつつ記事を読んでみてください。


ちなみに今回は各曲への熱い思いをつらつらと書いていたら想定以上に量が多くなったので、前後半へ分けてお送りしたいと思います!



東京ピアノを聴く(前半7曲)

1.東京

ん〜、一曲目から軽快でノリノリだ。素晴らしい。特にドラムがめっちゃかっこいいですこの曲。金管の奏でるメロディーもいいアクセントですよね〜。

こんな軽快な音楽なのに歌詞は上京したての不安定な心を描いてるってのがまたいい。これぞヨエちゃんのポガティブ節なんですわ。

キラーフレーズは初っ端のここ
「涙のレンズから覗いた街は綺麗」
分かるー!涙で乱反射した夜の街の光が輝いて綺麗ってコトよね〜!!なんでその感覚をこんな素晴らしいフレーズで書けんのやこの人。天才。


2.白い旗

うおっ重…………。

東京のときには半分冗談ぽく辛さを歌ってたけど本格的に辛さに押しつぶされてしまった感じしますね。
弦楽器とピアノのみというシンプルな構成も、孤独さ、無力さの演出に一役買ってます。

キラーフレーズはココ!
「何を見て誰を見てその口は綺麗な嘘ばかり今日も言う」
この完全な人間不信感、凄い。
聴いてる私が思わずごめんなさいと言いたくなってしまう迫力です。

「何を見て、誰を見て」っていう強調の仕方がカッコいいんですよね。私ならこんな場面で嘘はつけない、お前は本当に人間か?という問いかけが切に迫ってきます。


3.ロボット

ここでみんなお待ちかねの変拍子曲だ!!
3拍子と5拍子(3+2拍子)を行き来するこの不安定な曲は、心の病んでる感じを表しているんでしょうか。
よく変拍子は人間を急かされている感じにさせると言うそうですが、何か結果を残さないとと思いながらも結果を出せない、上京人の不安を表してるのかもですね。

ロボットのように何も感じない人間になりたいと何度も願うほど、人間のように感情が溢れてしまうって構図を見事に曲に落とし込んでるのもすげぇですねこの曲。
(曲の後半になるにかけてだんだん声にかけてる機械音声みたいなフィルターが弱くなっていき、音楽も盛り上がっていく。これが上の構図を見事に表しているように思えます。)

キラーフレーズは2番の初っ端
「どんなに上手くても嘘は嘘でしょう」
ヨエコさん、嘘、めちゃ嫌いなんだろうなぁ。


4.赤い靴

うぉ〜なんだか一気に気分が晴れやかになったぞ!肩幅をグンと広げて、背筋をピンと伸ばしてえいえいと歩き出したぞ!何事だ!?

聞くとどうやら、上京の不安も吹っ飛ぶような人徳あるよき人間(歌詞中の「優しい人」)に出会った様子ですね。
恋しちゃったりもしてるのかもしれません。それにしてもその人の言うことやることに全部したがって、信用しすぎな気もします。そんな一途なとこも可愛げがありますけどね。


キラーフレーズはそんな可愛げがみえるココ!
「優しい人の言葉がきっと真実なのでしょう」
うんうん〜!正解!間違いない!

優しくて明るい人の言うこと大体正解!間違いない!私もそう思います。だから私も明るい優しい人間を目指しています。

また、このあとに続く「それならば私はもう一度外に出よう」と合わせると、ここまでメンタルが終わっていた上京人さんが、優しいこの人のおかげで立ち直るきっかけを得たようにみえます。よかったね!


5.朝焼け

この曲のすごいところは、とてつもない朝焼け感なんですよね。もう朝焼けにしか聞こえないのよこの曲。なんででしょうね。

朝焼けが見えて湧き立つ気持ちを、徐々に増えて重なってくる楽器たちに重ねているんでしょうか。しんみりとした雰囲気ながらも、強く生きていきたい気持ちになる曲ですよね。最初の方に出てくるギターとピアノというなかなか無い組み合わせも好きです。


この朝焼け感に乗せて、キラーフレーズはこちら
「泣くな泣くなと誰も言わないけれど
 泣くか泣くかとそっと呟いてみた」

うーむ強い、心が強い。しっかりと立って人生を踏み締めている強さを感じますよね。全体に孤独さを漂わせる歌ではありますが、「白い旗」とは逆で希望へ向かっているのを感じさせます。アルバム内でのこういう対比は最高や。


6.二番目の道

またまた一気に明るさ全開で来ました!
この元気いっぱいな明るさ、朝焼けで感じた寝起きのセンチメンタルさからの続きもののようにも感じますね。
朝焼けが寝起きで、この曲が日中みたいな。

メロディーを作ってるファーファカ鳴る楽器もめっちゃいいです。
底抜けに明るく感じるのはだいたいこの楽器のおかげな感じ。


キラーフレーズは
「嘘つきになりかけたからこの街になど染まらない」
嘘を許さぬヨエコさんならではの最強フレーズ。

嘘で溢れた都会に一瞬染まりかけたけれど、私は私らしく行く!
染まらねぇぜ!といったところでしょうか。

う〜んロックだ。ヨエコはロックだ。(?)


7.不安のお山

未だかつてあったでしょうか?
渦巻く不安に押しつぶされそうなシュンとした感情を、
こんなにギターを響かせて、ある意味 "陽気" なまでに歌い上げる曲が。

歌詞は基本的にずっと暗めでネガティブなんですが、それにしては曲がジャキジャキしすぎている。ネガよりのポガティブです。……なんだそれは。

あと、自分のやることはどうせ失敗するだろうという不安感情を終始語っているかと思いきや、「朝よそんなに輝くな」っていうちょっと反抗的なところがあるのも好きです。かわいい。


キラーフレーズはさっきもちょっと挙げましたが、ここ!
「朝よそんなに輝くな 私が惨めに映るじゃない」
光あるところに闇あり、の構図を太陽(ポジティブ)と私(ネガティブ)に当てはめていると。
規模の大小が激しすぎるな。


東京ピアノ・前半戦を終えて

ここまで7曲聞いてきましたが、いかがでしたでしょうか?
前半7曲だけでもヨエコさんの色んなエッセンスがふんだんに味わえて、非常に満足感のある内容だったのではないかなと思います。やはり名盤。

後半もぜひ、見ていってくださいね。おすすめ曲がまだまだありますので!

では!




おにぎりが大好きなヨエちゃんからしか得られない栄養素がある。


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