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あなたがダサいと感じている「そのデザイン」は本当にダサいのか?

あなたが、今ダサいと感じている
その壁紙
その天井
その床
その設備
は、本当にダサイのでしょうか?

私が、リノベーションの仕事を経験した事から感じた事が一つ有ります。
それは

「ダサいと思っていた要素でも、周りが変わるとお洒落に見えてくる」

という事です。
不思議ですよね。どーゆー事?って思いますよね。

これは、一度や二度リノベーションを経験しただけでは、中々気付けない
非常にマニアックな気付きなんですね・・。

ちなみに私がインスタグラムで挙げている手直しも技術は素人並みですが、考え方は足し算でなく、引き算のインテリアなので、非常にマニアックな考え方です。

そもそも、何故その建具や設備をダサいと思うのでしょうか?和室をダサいと思うのでしょうか。

おそらくですが、根拠は「無い」のです。
すなわち「ダサいと思い込んでいる」だけなので有って、本当にダサいかどうかは「本人にも分からない」が本音と言ったところでしょう。
または、みんながダサいと言っているから、ダサいと思うのかもしれません。

試しに、襖や障子の周りの壁を白く塗ってみて下さい。
床を無垢床にしてみて下さい。
仕上げ材を剥がしてコンクリートを剥き出しにしてみてください。
すると、「あれ?襖、障子、ってこんなにカッコよかったっけ?」となると思います。

この気付きは、真っ先に襖や障子を解体撤去してしまう現在の住宅事情では、中々得ることが出来ません。

とあるショールームに行った時に、昔に使われていた様な、古いアパートで見かけそうな、幾何学的なデザインの壁紙を天井にあしらったブースがありました。

恐らく、薄汚れた古家やアパートにこの壁紙が使われていたら「ダサいなぁ」と感じたであろうその壁紙が、無垢床や綺麗な白い壁との組み合わせで素晴らしいマリアージュを生み出していて、美しいと感じたんです。

レトロな柄の天井や壁紙、タイルは古くて薄暗い部屋で埃を被っている事が多いので、どうしてもダサいと感じる事が多いかもしれません。
流行っていないし、時代錯誤を感じるから出来るだけ早く隠したいし、変えたい!って突発的に思ってしまう。

しかし、私がおすすめしたいのは「このデザインは本当にダサいのか」
と、一度疑ってみる事です。

何故そのデザインをダサいと思っているのか。
組み合わせを変えてもやっぱりダサいと思うのか。
上手に組み合わせて、お洒落に見せている人が他には居ないのか。
本やネットで調べて確認してみる事です。

それをしなければ、ダサい物はずっとダサいままです。
その価値を見直される事も無ければ、その事に気付く事さえ無いままに、次々と壊されていきます。
空き家が増え続けるのも、スクラップ&ビルドに歯止めが掛からないのも、私は個人的に、この事が一番の理由だと思っています。

何故なら、古いデザインや空き家のデザインを「趣が有ってお洒落だ」
と言う価値観にする事が出来れば、多くの人が空き家に住みたいと思うはずだからです。

もちろん、劣化や地震への不安、立地の不便さ、など超えなければいけない問題は多く有ります。
が、人によって価値観や優先順位ってバラバラ。

デザインさえ自分好みなら場所なんて気にしない。
他には無い雰囲気だから地震は不安だけど即決します。
そんなツワモノも中には沢山いらっしゃるんですね!

この事は、面白い物件ばかりを扱っていた不動産会社に勤めていた時に感じた、私の実体験です。
住まいへの価値観は、立地やグレードを優先していた頃とは、明らかに変わってきていると言う事です。

そして、価値を見直されないままに解体された建物は、結局のところSNSに溢れている「ありきたりなデザイン」に落ち着いてしまうんですね。
それは本当に個性と呼べるでしょうか?

確かに、人と違うデザインを取り入れること、SNSで流行っている物以外の物を取り入れる事は、勇気が必要です。

何故なら、その空間をSNSにアップしたところで、いいねが付かないのではないか?と考えてしまうからです。

けど、この不安・心配をしてしまう事自体に違和感を感じるのは私だけでしょうか?
もし、この内容を聞いて少しでも不安を感じたのであれば、それはSNSに依存し始めているのかもしれません。

私は、流行りを取り入れるよりも、古さを活かす事をメインテーマに手直しをしています。
「その家の良さ」を人とは違う視点で捉えて、そこを際立たせる方法で手直ししています。
これは、新しく作り替えてしまうリフォームやリノベーションとはちょっと違うやり方なんですね。

それでもインスタグラムは沢山の方がフォローして下さいました。
それは結局のところ、古くても中途半端でも、組み合わせ方と伝え方が肝心なのだと、今では考えています。

趣の有る家を一人一人が尊重して、古い家も面白い!楽しそうじゃん!と評価されて、後世に残して欲しいと心から願います。

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