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アルバイト経験と想像力

学生時代にアルバイトの経験をしておくことは結構重要だなと思う。
私自身は、高校時代は特にアルバイトはしておらず、大学生の時に書店でアルバイトをしていました。
大学を卒業してからはIT企業に就職してエンジニアとして働いていたました。
ITエンジニアといえばバリバリの専門職だけど、それでもぶっちゃけ学校での勉強よりもアルバイト経験の方が仕事に役に立っていたなと思うことが結構ある。

もちろん、学校での経験も無駄ではなかったとは思っている。
大学でずっと理系分野(私の場合は数学)を学んでいたからこそ、未経験の状態でもプログラミングのスキルを比較的早く習得できたと思う。
学校での知識が役に立っていることは少ないけれど、長い期間、論理的に考える訓練をしてきたことは確実に役に立っている。
そう考えると学校での経験ももちろん重要ではあるけれど、お客さんの立場や上司の立場で物事を考える視点というのは、アルバイト経験から培ったものが大きくて、そして仕事というのは専門知識以上にそういった相手の立場でものを考える想像力の方が重要だったりもします。
なので、学生時代、アルバイトで「他人と接することでお金を稼ぐ」という経験をしておくのはとても重要だと思う。

私が新卒で入社したIT企業の同期に、何名かアルバイト経験のない人がいました。
その人たちは情報系の大学や専門学校を出ていたので、新人研修の時点で既に知識が豊富ですごいな、とは思ったけれど、現場に入って実際にユーザーが使うシステムを作るとなると、ユーザーの視点、あるいは今後そのシステムをメンテナンスする人の視点が欠けているな、と感じることがありました。

今はエンジニアを育てる教育の仕事をしているけれど、やはり、アルバイト経験のない人はアルバイト経験のある人に比べると色々な視点が欠けていると感じる。
それは、相手の立場で物事を考える想像力だったり、人のために仕事をするという意識だったり。
エンジニアは専門職なので、プログラミングなどの専門知識ももちろん大事。
けれど、人の立場で考える想像力や、仕事に対する責任感・プロ意識というのは、専門技術を身につける上でもベースとなる部分であるようにも思う。
私が見る限り、中途半端に学生時代に専門知識をかじっていた人よりも、仕事に対する意識が高い人や、相手の立場で物事を考えられる人の方が専門技術の習得も早いようにも感じる。

私は高校時代、アルバイトはしていなかったし、部活もしていなかった。
じゃあ勉強していたかというと、勉強も試験前以外ほとんどしなかった。
マンガを読んだりゲームをしたり昼寝したりと、ひたすらだらだら過ごしていた記憶しかないです。
今思うとなんて無駄な時間を過ごしていたのだろうと思う。

高校生だった頃、親からは、高校にいる間はバイトしなくていい。それよりも勉強しろと言われていた。
だけど、勉強もぶっちゃけほとんどしていなかったので、多分バイトしていた方が人間的に成長できていただろうなと今は思う。

ただ、中には接客業のアルバイトを経験しているのに、他人の立場で考える想像力を全く感じない人もいる。
そういう人は個人的にはかなり謎です。
働いているときはお客さんのことを考えていても、立場が変わることで思考停止になってしまうのか、それとも働いている時も特に何も考えずに誰かの指示にしたがっているだけなのか。
どっちかなのかはわかりませんが、個人的には想像力を強くするには
「経験  + 読書」が大事なのかな、と最近は思っている。
経験 + 自分で考えるきっかけ、みたいなものがないと想像力は身に付かないのかもしれません。

仮に高校時代から人生やり直せるとしたら、何かしらのバイトをして、稼いだお金でいろんなジャンルの本を買って読みまくりたい。
部活は部活で学生時代にしか経験できない貴重な経験ができそうだけど、同じ世代で同じことが好きな人たちで集まっているコミュニティだと、視野が大きく広がることは少ないような気がしてしまう。
本当に心からやりたいと思えるものがあるなら別ですが、そうでないならアルバイトをして学校以外の人間と関わった方が得られるものは大きいような気がします。

高校生くらいの世代の人たちには、学校の勉強よりも、アルバイトの経験とたくさんの本を読むことがきっと将来の役に立つと伝えたい。
でも、勉強は勉強でそれなりに大事。
知識はほとんど役に立たないかもしれないけれど、論理的に考える訓練をしておかないと大人になった時に何も考えられない人になる。

どんな仕事をするにおいても、最大の武器になるのは論理的思考力と想像力であると思う。
学生時代からその2つが身に付くような生き方をしていれば、将来どんな仕事についても自分の力で成果を出すことができるんじゃないかと思う。


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