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新社会人に伝えたいビジネスマナー

普段は仕事ではプログラミングを教えていますが、新人研修の時は初日にビジネスマナーを教えています。
何度か教える中でビジネスマナーとして伝えたいことが自分の中である程度かたまってきたので、ここにまとめます。
主に新社会人など、これから本格的に働き始める人や、新人の教育担当の方、自分にはマナーがないと感じている方などに読んで参考にしていただければ幸いです。

マナーとは

結論からお伝えすると、マナーとは人に好かれるスキルです。
一般にビジネスマナーと聞くと、
・身だしなみ
・言葉遣い
・文書の書き方
・電話対応
・名刺交換
・席次

といったものを思い浮かべる人が多いかと思います。これらはマナーというより常識です。これらの常識があることは大事ではありますが、マナーの本質ではありません。たとえ常識があったとしても、相手から好かれなければマナーとしては失敗です。逆に常識がなかったとしても、相手から好かれていればマナーとしては成功です。
常識はあくまでマナーにおいての失敗(相手から嫌な印象を持たれる)する確率を下げるための知識だと思ってください。

ビジネスマナーの目的

ではなぜ仕事において人に好かれるスキルが大事なのでしょうか。
そのためにはビジネスマナーの目的を考えることが大事です。
ビジネスマナーの目的は、簡単に言えば仕事を円滑に進めることです。
では仕事を円滑に進めるためには何が重要でしょうか。
これにはいろんな要因が考えられますが、どの仕事でも共通して言えるポイントはコミュニケーションです。
仕事というのは基本的に1人では成り立ちません。お客さん、取引先、上司や先輩、部下、後輩など、様々な人間が関わり合って一つの仕事が成り立っています。
仕事上でのコミュニケーションが円滑であれば、作業の手戻りも少なくなり、問題が起きた時は相談もしやすいです。逆にコミュニケーションがうまくいっていない場合、認識のずれ、すれ違いなどが多く発生するリスクが高まります。相談したくても怒られるのが嫌で相談できず、気づいたときのは手遅れ。。なんてことにもなりかねません。
だから、仕事においてコミュニケーションが円滑であることはとても大事です。
そして、コミュニケーションが円滑になるために重要なのが、人に好かれることです。
少し想像してみてください。仕事上の関係だとしても、嫌な印象を持っている人とは自分から積極的にコミュニケーションを取りたいとは思わないはずです。逆に印象が良い人とはもっと積極的にコミュニケーションを取りたいと思うはずです。
仕事を成功させる確立を上げるためには、お互いが良い印象を持ってコミュニケーションを円滑にできるかどうかが一つの鍵となります。
そのために、マナーを身に付けることが必要になってきます。

人に好かれているとチャンスも多い

人に好かれることのメリットは仕事が円滑に進むだけではありません。
周りから好かれている人は、それだけで成功のチャンスも多くなります。
例えば、仕事の実力が同じくらいのAさんとBさんがいたとします。Aさんは普段から周り人と仲良く話していて、Bさんは周りの人とはそこまで仲良くないとします。
AさんとBさんおの上司である営業のCさんが、1人分の仕事を受注してきたとして、AさんかBさんのどちらかに依頼するとなった場合、どちらに仕事を依頼するでしょうか。
おそらくAさんに依頼する確率が高いでしょう。
なぜかというと、その方が仕事が成功する可能性が高いからです。
AさんとCさんが普段から仲良くしているということは、普段からお互いよくコミュニケーションを取っているということです。
そうすると仕事を依頼しても気軽に相談や質問ができます。
その結果、仕事が進めやすく、成功の確率が上がります。
つまり、仕事の実力がほぼ同じな場合、普段から周りと仲良くしている人の方が多くの仕事を経験できます。
これは、周りの人よりも忙しくなるという点でマイナスととらえる人もいるかもしれませんが、成果を出せるチャンスが多くなる、という点では明らかにプラス面が大きいです。つまり、仕事で多くの成果を出したいのであれば、周りから好かれている方が有利なのです。

人に好かれることのメリットは他にもあります。
仕事で何か問題が発生したとき、周りの人に助けを求めたくなることはよくあります。その時、普段から周りとコミュニケーションを取っていて、好かれている人は、多くの人が積極的に助けてくれます。一方であまり好かれていない人は、周りの人は積極的には助けてくれないかもしれません。
結果的に、周りから好かれている人の方が問題解決のスピードが速くなります。また、周りから多くの信頼を集めている人は、新しい仕事やプロジェクトを始めた時にもサポートしてくれる人が多いので、結果的に成功する確率が上がります。

このように、仕事において人に好かれるスキルはどの業界の祖語と出会っても案外バカにできないスキルなのです。

人に好かれるためにすること

ここまでの話で人に好かれることの大事さを分かってもらえたでしょうか。
ここからは、人に好かれるためには具体的に何をすればいいかという話です。何をすればよいかというと、
・相手が喜ぶことをする
・相手が嫌がりそうなことをしない

の2つです。

言葉にすると当たり前のことですが、実践するのは簡単ではありません。
人間の価値観は人によってバラバラなので、何をされたら喜ぶのか、何をされたら嫌がるのは人によって様々です。
相手から好かれるには、「相手の視点に立って、何をされたら喜ぶのか、何をされたら嫌がるかを想像するし、行動に移す」ことが必要になります。

マナーを身に付けるには

ではこのような相手から好かれるスキルを素早く身に付けるにはどうすればよいでしょうか。
手っ取り早くマナーを身に付ける方法は、1流のホテルに泊まり、ホテルの従業員がお客様が喜ぶためにどんなサービスを提供しているかを自分の目で見て盗むことです。1流のホテルに限定しなくてもいいですが、要は、自分がサービスを受ける側の立場の時に、サービスを提供する側の人が相手を喜ばすためにどんな工夫をしているのかを観察して取り入れること。
これがマナー習得の近道です。

もう一つのマナーを身に付けるための方法は、本を読むことです。
読書には、想像力を鍛える効果があります。
相手の視点で物事を考えることができず、常に自分の視点でしか考えられない人は一定の割合でいるのですが、そういう人達に欠けているのは想像力です。本を読んで想像力を養うことで視野を広げ、様々な価値観があることを知ることが重要です。
もちろん、想像力を鍛える方法は読書だけではありません。
大事なことは、他者の視点で物事を想像する習慣を身に付けることです。

身だしなみ

ここまでは人に好かることを1つのテーマとして書いてきましたが、ここからはもう少し具体的なテーマで掘り下げていきます。
まずは身だしなみについてです。
身だしなみにおいて最も大事なことは清潔感です。
マナーにおいてはどんな格好(服装)をするかはあまり重要ではなく、一緒に働く人が良い印象を持つかどうかが大事です。
少なくとも不潔な印象を持った人とは一緒に仕事をしたいと思う人はほとんどいないです。
家を出る前に鏡をチェックして、不潔に見える要因がないかを確認する習慣を持つと良いでしょう。

見た目以上に気を付けておきたいのはにおいです。
口臭や汗の臭い、生乾きの臭いなど、不快な臭いのする人が周りにいた経験を持つ人は多いかと思いますが、臭いがきつい人は、一緒に仕事をする以前に、そもそも近くに居たくないと思う人がほとんとでしょう。
臭いに関しては見た目以上に万全に注意を払う必要があります。

口臭が気になる人は、食後に歯磨きをしたり、口臭対策のタブレットを持ち歩くなど、何かしらの対策をする必要があるでしょう。
汗に関しては体質も影響するので難しい問題ですが、汗をかきやすいという人は、ハンカチや着替えを持ち歩くなどして、清潔な状態を保てるような工夫をしましょう。
梅雨の時期などは洋服が生乾きになりやすいです。部屋干しで乾きにくいならクリーニングに出す、そうでなければエアコンを使うなど色々工夫しながら生乾きを防ぎましょう。

服装についてはサイズ感が合っているかがポイントです。高い服であろうと安い服であろうと、サイズがその人にフィットしていればきちっとした印象になりますし、サイズが合っていなければ不自然な印象を与えます。
スーツなのか私服なのか、については、その企業の風土に合わせたルールがあるはずなので、そのルールに従って周りに嫌な印象を与えない服にすれば良いでしょう。
高い服がいいのか、安い服でもいいのか、また、地味な方がいいのか派手な方が良いのか。これらに関してはそれぞれの個性でもあるので、正解はありません。周りに悪い印象を与えなければ何の問題もありません。強いて言えば、仕事の状況に合わせて変えるのがベストでしょう。
例えば、お客様に謝罪に行く場面で、高級で派手な服装で行ってしまうと決して良い印象は持たれないでしょう。
TPOに合わせてベストだと思う服装を考えることが大切です。

身だしなみにこだわるメリット
上で述べたように、身だしなみは清潔感・におい・サイズ感に気を付けておけば最低限問題はありません。ただし、身だしなみで細かい部分までこだわることによるメリットもあります。

自分が身だしなみで細かい部分まで気にするようになると、相手が身だしなみで細かいところまで気にしているかどうかに気づくようになります。
例えば、毎日足元に注意を払って靴磨きをしている人は、他人の足元にも気が向くようになります。
服装に気を使っている人は、他人の服装にも目を向けるようになります。
相手の身だしなみに気が向くようになると何が良いかというと、相手が細かい部分まで気にする性格かどうかがを見極められるようになります。
身だしなみで細かい部分まできっちりしている人は、仕事においても細かい部分まで気にする可能性が高いです。逆に細かい部分まで気にしていない人は、仕事でも細かい部分は気にしない可能性が高いです。服装に対して何かしらのこだわりがある人は、仕事においてもこだわりがあるかもしれません。

つまり、身だしなみで自分自身が細かい部分までこだわるようにあると、他の人が身だしなみにどの程度気を使っているかが分かるようになり、それによってどんな性格なのかがある程度推測できます。そうすると一緒に仕事をする人がどんな人なのか見抜く力が付くので、仕事をする上での参考になります。

身だしなみをきっちりしなければいけないのか、それとも適度に緩いのかは企業風土や上司の価値観などで大きく変わってくるので、どうするべきかという答えはありませんが、まずは自分の身だしなみを気にすることで、他人の性格を見極められるような洞察力を磨いてみるのも良いかもしれません。

言葉遣い

ビジネスマナーに関するサイトや書籍を見ると、敬語の使い方について色々と書かれています。敬語には尊敬語と謙譲語があって、それぞれどんな場面でどの言葉を使うのかが解説されていたりします。これら尊敬語や謙譲語については、一通り目を通して知識として知っておくことは大事です。
ただ、それを完璧に使いこなせなければいけないかというと、案外そんなことはありません。
敬語は要するに相手に失礼にならないための言葉です。
なので、マナーにおいて相手と話すときに重要なことは、敬語を完璧に使えるかどうかよりも、相手に失礼にならないかどうかです。
中には言葉遣いに厳しく、正確な敬語を使わないと注意してくる人もいるかもしれません。
そういった人にも対応できるように知識として正しい敬語を知っておくことは大事ですが、相手と話すときは、表情や、話し方など、トータルの振る舞いで相手から見て失礼に思われないかを考えて発言することが大事です。

話すときの表情が明るかったり、話し方に感情がこもっていて、気持ちが相手に伝わるような話し方を心がけていれば、敬語の使い方が合っているかどうかはさほど気になりません。
ほんとんどの人は、自分がお客さんとしてお店で接客を受ける時、言葉が正しくても対応がテキトーだと良い印象は持たないでしょう。逆に言葉が多少間違っていても、相手のことを真剣に考えながら対応している人の方は良い印象を持つのではないでしょうか。
また、相手のキャラによってはフランクに話したほうがより仲良くなれる場合もあります。相手が先輩や上司、お客さんの場合、最低限の敬語(ですます調で話すなど)は必要ですが、相手のキャラによって多少言葉を崩して使うこともありだと思います。

先に何度もお伝えしていますが、人と話すときは「相手から良い印象を持たれるかどうか」が大事です。
結局、正しい敬語の知識を持っていることよりも、他者の視点に立って考えることができているかどうかの方が大事なのです。

仕事力を上げるコツ

ここで、ちょっと話題を変えて仕事力を上げるコツについてのお話をします。マナーとは一見関係なさそうですが、最終的にはマナーとも関連する内容にまとめたつもりです。
「仕事ができる」という表現は結構あいまいで、人によっていろんな解釈があるかと思います。ここでは、仕事ができると評価される人に共通する特徴をいくつかピックアップしました。

・時間・納期を守る
・話は簡潔にまとめて結論から話す
・分からないことはまず自分で調べる
・質問するときは内容をまとめてから質問する
・資料は簡潔に分かりやすく書く
・人の話を聞くときはメモを取りながら聞く

これらのことは、職種に限らず、どんな仕事においても求められることです。一つ一つ細かいテクニックはありますが、入社して間もない期間で全てを覚えて完璧に実践するのはなかなか難しいです。実際、社会人になっていきなりこれら全てが完璧にできている人は少数だと思います。

ただ、これらの要素は実は一つの共通した目的があります。
この目的を意識することで仕事のコツは圧倒的に身に付きやすくなります。
その目的とは、人の時間を奪わなことです。

タイムイズマネー(時は金なり)という言葉がありますが、この言葉は正しくありません。お金というのは、失ってしまっても本人の努力次第で取り戻すことが可能です。
しかし、時間は唯一どんな人間にも平等に与えられたもので、一度過ぎた時間は二度と戻っては来ません。1日が24時間で1年が365日という事実はどんな人間であっても例外はありません。
プライベートで気の合う人同士で無駄な時間を過ごすことは何の問題もありませんが、成果を出すことが求められる仕事という場面において、人の時間を奪うという行為は非常に罪深いことだと認識しておく必要があります。

人の時間を奪うことに何の抵抗もない人は、先に挙げた仕事のコツを身に付けることは難しいです。逆に、人の時間を奪わないように常に意識して行動している人は、先に挙げたコツはすぐに身に付けることができます。

時間・納期を守る
仕事で(プライベートでもかな?)時間を守らずに遅刻したり、納期に遅れる人はよく周りから注意されます。なぜ遅刻したり納期に遅れることがいけないのかというと、それによって予定が崩れ、時間を奪われる人が出てくるからです。例えば、会議の予定があったとして、参加者の一人が遅刻した場合、開始時刻が遅れます。開始時刻が遅れると、その分終了時刻も遅れる可能性があります。そうすると、会議の後に予定が入っていた人は、予定を変更しなければいけなくなるかもしれません。
つまりは会議に遅刻した人は、会議に参加する人の時間を奪ってしまったことになります。

また、上司から依頼された資料や、お客さんに納品すべき納品物の納期が遅れた場合にも、上司やお客さんの予定が狂ってしまい、時間を奪ってしまいます。逆に、人の時間を大切にする意識があれば、納期に送らせないために定期的に上司やお客さんと確認作業をしながら作業を進めようとするはずです。そうすると上司やお客さんも安心して仕事を任せることができ、信頼度も上がっていきます。

人の時間を奪わないようにする意識があれば、遅刻や納期に対する意識は自然と高まってきます。

話は簡潔にまとめて結論から話す
仕事では定期的に報連相(報告・連絡・相談)することが求められます。
報連相以外でも仕事進め方が合っているかどうか定期的に確認することも大事です。これらの作業は、直接対面で話す場合もあれば、電話やメールやチャットで行う場合もあるでしょう。
どんな手段で行うかは状況によりますが、どの手段を取るにしても大事なことは、話を簡潔にすること、そして結論から話す、ということです。
なぜそうしなければいけないかというと、その方が内容が分かりやすく、伝わりやすくなるからです。
自分が話を聞く立場を想像すれば分かりますが、だらだらと1文がやたらと長く、全く結論に辿り着かない話をずっと聞かされるのは苦痛です。
プライベートでの会話なら結論を先にしなくても問題ありませんし、話によってはオチを最後に持ってくる方が盛り上がる場合もたくさんあります。
しかし、仕事上での報告や確認は、基本的に結論を最後に持ってくるメリットはありません。報告を受ける側は結局どうなっているのかが早く知りたいからです。
仕事上での会話や文章はとにかく分かりやすさが正義です。
1文1文を短く簡潔にし、結論から話すことを意識してみましょう。
それだけで分かりやすさ・伝わりやすさが大きく変わってきます。

分からないことはまず自分で調べる
分からないことに直面した時に、すぐに周りの人に聞いてしまう人がいます。分からないことを質問することは悪いことではありません。
むしろ、分からないまま1人で抱え込んで仕事が納期に間に合わなくなる方が周りにとっては迷惑なので、分からないことを質問するのは良いことです。
しかし、自分で調べればすぐに分かるような事柄を、調べるのが面倒という理由ですぐに人に聞いてしまうのは問題です。
人に質問するということは、回答者の人の時間を奪っていることになります。
簡単に分かることをすぐに先輩や上司に聞くのは、その分先輩や上司の貴重な時間を奪っているということです。今はパソコンやスマホで分からないことはいつでもどこでも調べることが可能な時代です。分からないことがあっても、まずは自分で調べてみるという癖をつけましょう。

ただ、気軽に質問することが必ずしも悪いことばかりではありません。時には一緒に仕事をするメンバーと雑談すること大事です。雑談しながら相手のことを知ることで、仕事がしやすくなったり、一人では思いつかなかったアイデアが出てくることもあります。雑談のきっかけとして気軽に質問してみるのは場合によってはありでしょう。
大事なことは、忙しそうな人に簡単な質問をするなど、自分の都合だけで他人の時間を奪うことをしないように心がけることです。

質問するときは内容をまとめてから
一つ前の話で分からないことはまず自分で調べましょうというと述べましたが、15分以上調べても分からなかった場合は、諦めて誰かに質問するようにしましょう。15分というのは何か意味がある数字ではなく、あくまでも目安です。ただ、統計上15分以上調べても分からないということは、1時間調べても分からない可能性が高いです。つまり、15分以上分からないことを調べ続けるのは、時間の無駄になる可能性が高いということです。
組織の中で働いている場合、自分の仕事が遅れることで周りの人に影響が出ることも少なくありません。自分の作業がはかどらず、周りに迷惑をかけてしまう可能性があるのであれば、分かりそうな人に質問することで解決を図るほうが効率的です。

ただし、先に述べたように質問するということは相手の時間を奪っていることでもあります。相手から奪う時間を最小限にするために、質問の仕方は工夫する必要があります。
・質問したいことがいくつあるのか
・質問したいことは何なのか
・理解していることは何なのか
・理解していないことは何なのか
・試したことは何か

これらを一度整理してみてください。
そして今の現状を簡潔に正しく伝えられるようにしましょう。
そうすることで、相手は質問への回答がしやすく、最短の時間でやり取りを終えることができます。

可能であれば、質問するときはYes/Noの2択で答えられるクローズドクエスチョンにするのがベストです。そうすれば最短で回答を得ることができます。可能であれば、極力はクローズドクエスチョンになるように工夫する。それが無理な場合、上記に書いたことを整理して、できるだけ状況を正確に伝えられるように工夫しましょう。

資料は簡潔に分かりやすく書く
仕事では報告書を作ることもあれば、プレゼン資料を作る場合もあります。
どんな資料を作成するかによって細かいポイントは変わってきますが、どの資料にも当てはまる最も大事なポイントは分かりやすさです。
資料は、基本的に人に読んでもらうためのものです。そして、資料を読むにはその分の時間を使います。つまり、読む人の時間を奪っているとも言えます。
資料が分かりにくい場合、内容を理解するのに時間がかかるため、相手の時間を多く奪ってしまいます。逆に資料が分かりやすければ、少ない時間で相手に伝えることができます。

資料作りで分かりやすく作るためのポイントは、目的を意識することです。
どんな資料を作成するにしても、どんな相手に何を伝えるたいか、という目的があるはずです。その、最も伝えたい事柄を、一番強調して最初に結論として書いておく。これがほとんどの資料作りに共通したポイントになります。

人の話を聞くときはメモを取りながら聞く
新人の時は話をするときにメモを取っていないと周りから注意される場面が多いです。メモを取ることには様々な目的や効果がありますが、メモを取ることの最も大きな効果は、人の時間を奪わないようになることです。
人間は自分が思っている以上に忘れやすい生き物です。
だからこそメモが必要になります。メモを取ることの最大の目的は忘れても思い出せるようにするためです。
メモを取らずに人の話を聞いた場合、内容を忘れてしまったときに思い出すことができません。その場合、もう一度話を聞きに行って確認する必要があります。それはつまり、相手に同じ話を2度話してもらうということなので、その分相手の時間を奪っているということです。
人の時間を奪ってしまわないように、話を聞くときにメモを取る癖をつけておくことは非常に大事です。

また、メモを取りながら話を聞いていると、話している方も安心して話を進めることができます。上司が話をしていても、全くメモを取らない人は、この人は話の内容を覚えていられるのだろうか?と不安に思います。メモを取りながら聞いていると、話を忘れてしまっても、後で自分で思い出すことができるので、安心して話すことができるんです。
結果的に、メモを取る習慣があると、相手からの印象は良くなり、信頼されやすくなります。

人の時間を奪わないことが人に好かれることにつながる
ここまで、人の時間を奪わないための仕事のコツについてお伝えしました。
ビジネスマナーのテーマでなぜこの話をしたかというと、人の時間を奪わないことが人に好かれることにつながるからです。
最初に述べたように、人に好かれるためには、相手に喜ばれることをして、相手が嫌がることをしないことが大切です。
しかしながら、相手が何を望んでいて、何を嫌がるかは人によって千差万別で、明確な答えはありません。
一つだけ言えることは、人に時間を奪われることが好きな人はいません。だからこそ、人に好かれるためのスキルの一つとして、相手の時間を大切にすることを心がけてみてください。

人間関係は因果応報

因果応報とは、自分がした行いは周り回っていつか自分に返ってくるというものです。人間関係は因果応報で成り立っていると知ると、マナーのスキルは自然と高まってくるでしょう。
例えば、周りに困っている人がいたとして、自分の時間を犠牲にしてでもその人を助けることを優先したとします。すると、きっと自分が困っているときにも他の誰かが助けてくれることでしょう。
立場に関係なく、自分から先に挨拶をするようにしたり、周りが嫌がる仕事を率先して行ったりしていれば、それはいつか自分にとってプラスな出来事として返ってくるでしょう。
逆に、周りが困っているのに無視したり、嫌な仕事を人に押し付けたり、立場が下の人に上から目線で偉そうにしたり、自分がされて嫌なことをしていれば、それは回り回っていつか自分に返ってきます。
相手が何を求めているのかは、相手のことを観察して想像力を働かせないとと分からないことも多いですが、自分がされて嫌なこと、自分がされてうれしいことは少し想像すれば簡単に分かるはずです。
自分がされて嫌なことは人にはしない。自分ががされてうれしいことは相手にもしてあげる。
それをするだけでも人に好かれる確率は上がることでしょうし、それができない人は人から好かれるのは難しいです。

最後に

最後に重要なことを2つお伝えします。

ビジネスマナーとは人に好かれるためのスキルだとお伝えしましたが、
人に好かれるスキルとは、相手に媚びを売ることや、無理に共感することではありません。
この点は勘違いしないようにしてください。
日本は妙な同調圧力が強い国で、周りに合わせないとKYだと言われて浮いてしまうこともあります。合わせることが良いことで乱すことが悪ような雰囲気がありますが、それは、マナーとは一切関係ありません。
人の考え方、価値観は人それぞれです。
共感できることは共感して何の問題もありませんが、考え方が合わない部分を無理に共感して合わせる必要はありません。むしろ今の時代、ちゃんと自分の意見を持っていて、それを主張できる人の方が求められます。周りの意見に合わせて言われたことだけただ淡々とこなす人は、いくらでも替えのきく人材にしかなれません。
マナーで重要なことはで相手の視点で考えて行動することであって、相手の意見に合わせることではないということを理解しておいてください。

最後の話は、先ほどの内容にも通じる部分もありますが、自分がどう思われるかを気にしすぎないようにしましょうという話です。
人は周りから好かれようと意識しすぎると、周りからどう思われているかを気にするようになってしまします。しかし、周りからどう思われるかを気にすると、自分の発言や行動が制限されるだけで、メリットは何もありません。それに、人の価値観はそれぞれ異なるため、どう頑張っても全ての人から好かれるなんてことは事実上不可能でしょう。なので、周りからどう思われているかは気にせず、自分の意思で考え、行動することが大事です。一部の人から否定されたとしても、自分なりに周りの人のことを本気で考えて行動していれば、必ず自分のことをよく思ってくれる人はいます。

人から好かれようとすることと、自分がどう思われているかを気にすることは一見関係ありそうですが、実は関係ないのです。
マナーで大事なことは、相手がどう思うかを考えることで、つまり相手主体なのです。一方で、自分がどう思われるかを気にするのは、自分主体です。

相手主体で、相手が何をすれば喜んでくれるのかを自分の意思で考えて行動する。これがマナーにおいて最も大事なことです。


以上、私がお伝えしたいビジネスマナーについてでした。

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