最強の思考法「抽象化」を身に付ける

抽象化についての本は以前こちらの記事で紹介しましたが、最近自分の中ですごく重要なスキルだと思っているので、改めて自分なりにアウトプットしておきます。

抽象化とは

抽象化の対義語は具体化、あるいは具象化。
具体とは名前の通り具体的な物ごとのとらえ方を指しますが、抽象は対照的にあいまいな捉え方をすることです。
何となく世の中的には、抽象的であることよりも、具体的であることの方が重要だと認識されていることが多いようです。

しかし、実際には抽象化の能力の方が重要であるように思います。
特に、数学など、科学では物事を抽象的にとらえることが重要になります。

例えば、数学などで出てくる公式というのは、具体的な数値での計算を抽象化(一般化)したものです。
計算式を一般化することで、具体的な数字に依存しない計算ができるようなり、応用が効くようになるのです。

科学の世界で有名な逸話としては、ニュートンが木からリンゴが落ちるのを見て、万有引力を発見したという話です。(本当かウソか分かりませんが)
これは、「木からリンゴが落ちる」という具体的な事象から、「物と物はひきつけあっている」という抽象的(一般的)な法則を発見し、その法則を応用した結果、地球と月も引っ張り合っていることが分かりました。
抽象化を応用して新しい事実を発見した有名な例と言っていいでしょう。

抽象化とは異なる事象から共通している性質を見つける能力と言ってもいいかもしれません。
このように説明すると抽象化は難しい考え方のように思うかもしれませんが、実は多くの人が無意識にやっていることでもあります。

例えば、「芸人の人は○○だよね」とか、「男の人は△△だよね」とか、「日本人は○○だよね」という風に、特定の誰かのことを指さずに、多くの人をひとくくりにして考えることが抽象化です。

様々な場面で必要とされる抽象化の能力

抽象化の能力は仕事をするときや、新しいことを学ぶ際にとても重要です。

私はプログラミング関係の仕事をしていますが、プログラミングにおいては抽象化の能力がとても重要です。
プログラミングは、基本的な知識を身に付ければどんな人でもある程度のレベルまでは書けるようになります。
しかし、ある程度書けるようになってくると、その後はいかに効率よく書けるかどうかが重要となってきます。

効率よくプログラムを書くためには、似ている処理を1つにまとめて、できるだけ書く量を減らしていくことが重要になります。
このとき、似ている処理を見つけることができるかどうかは、抽象化のスキルが高いかどうかがポイントになります。
抽象化の能力が高い人は、効率の良いプログラムを書くことができ、逆に抽象化の能力が低い人は、無駄の多いプログラムを書くことになります。

また、抽象化は応用力があるかどうかにも大きく関係しています。
私は仕事でExcelを使う場面が多くあります。
Excelは、プログラミングと似ている部分が多くあります。
この事実を知っていると、プログラミングを効率よく書く方法や、分かりやすく書く方法をそのままExcelに適用することができます。

つまり、抽象化の能力が高い人は、自分が知っている知識を他の分野に応用することができます。
そうすることで、知識量が豊富でなくても大きな成果を出すことが可能になってくるのです。

抽象化は経営者、企業家の人にとっても重要な能力です。
新しいビジネスを生み出すときには、抽象化の視点で世の中を見ることが必要で、それはメモの魔力を読むとよく分かります。
お金2.0では、経済の正体を解説しているのですが、経済が自然や脳に似ていることから、自然や脳の法則を経済に当てはめて説明しています。

新しいビジネスを生み出している人には抽象化の能力が高い人が多い。
逆に言うと、経営をする人には必須の能力なのかもしれません。

抽象化の能力を身に付けるには

どうすれば抽象化の能力を身に付けることができるのか。
これは難しい問題です。
大人になってからでも、似ているものを見つけることを意識することで鍛えることはできると思います。
ただ、個人的には数学ができるかどうかが割と大きなポイントのような気がします。

数学とはそもそも抽象化を鍛える学問です。
私も大学の時に数学を学んでいるとき、大学の教授から言われて印象に残っている言葉が、「数学で大事なのは似たものを探す力」というものでした。
数学は役に立たないと思っている人も多いかもしれませんが、数学の勉強は抽象化の能力を鍛えるのに役に立ちます。

抽象化についての理解を深めれらるおすすめの本はこちら。


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