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【読書】「FACTFULNESS」データを元に真実を見極める

最近Amazonのビジネス書ランキングでも上位にあることが多く、売れ続けているようです。
ファクトフルネスは、人間の10の思い込みを乗り越え、データを正しく読み解き、正しく世界を見るための知恵と知識をくれる本です。

まずは10個の思い込みと、その思い込みを乗り越える方法について。

1. 分断本能
世界は分担されているという思い込み。
多くの人は、世界は「豊かな国」と「貧しい国」に分断されていると思っている。
しかし、実際には分断などなく、2つのグループには重なりがあり、誰もいないと思われていた中間部分にこそ大半の人がいるのだそう。
分断本能を抑えるには、大半の人がどこにいるのかを探すこと。

2. ネガティブ本能
世界はどんどん悪くなっているという思い込み。
世界の人口のうち、貧困にある人の割合、平均寿命、犯罪の数などがどのように変化したかを尋ねると、多くの人は悪くなっていると思い込んでしまう。
しかし、実際には、悪いことで減り続けていることはたくさんあるし、良いことで増え続けていることもたくさんある。
一般に、ニュースなどメディアの報道は、悪いことの方がニュースになりやすく、良いことはニュースになりにくい。
その影響もあって、人々はネガティブ本能が働いてしまう。
ネガティブ本能を抑えるには、良いことと悪いことは両立するということを知ること。
そして、悪いニュースの方が広まりやすく、良い出来事はニュースになりにくい事を知る事。

3. 直線本能
世界の人口はひたすら増え続けるという思い込み。
直線で増え続けているグラフを見ると、本能的に今後も増え続けると思い込んでしまう。
しかし、実際には世の中の様々なデータを見ると、直線のグラフの方が珍しい。
そして、直線のグラフがひたすら増え続けるという事はありえない。
どうして人口が増え続けているのか、その理由を知る事。

4. 恐怖本能
危険でないものを恐ろしいと考えてしまう思い込み。
メディアの報道や、自分自身の恐怖に対するフィルターにより、実際よりも恐ろしいと感じてしまう傾向がある。
恐怖本能を抑えるには、リスクを正しく計算する事。
リスク=危険度✖️頻度。
恐ろしさとリスクは関係ない事を知る。

5. 過大視本能
目の前の数字が一番大事だという思い込み。
ただ一つの数字が、とても重要であるかのように勘違いしてしまう。
過大視本能を抑えるには、数字のインパクトに騙されず、他の数字と比較したり、割り算をして割合を知ることが大事。

6. パターン化本能
一つの例が全てに当てはまるという思い込み。
自分の国の当たり前が、他の国に当てはまるとは限らない。
一つの集団の例が他の集団には当てはまるとは限らない。
パターン化本能を抑えるには、分類を疑う。

7. 宿命本能
すべてはあらかじめ決まっているという思い込み。
少しずつでも確実に世界は変わっている。
宿命本能を抑えるには、ゆっくりとした変化でも、変わっているという事を意識する。
知識をアップデートすることが大事。

8. 単純化本能
世界は一つの切り口で理解できるという思い込み。
一つの視点だけでは世界は理解できない。
一つの分野だけで何もかも解決できるわけではない。
単純化本能を抑えるには、なんでもトンカチで叩くのではなく、様々な道具の入った工具箱を準備する。
自分の考え方を検討し、知ったかぶりを止める。
自分の専門分野以外のことで、知った気にならない方が良い。

9. 犯人探し本能
誰かを責めれば物事は解決するという思い込み。
問題を解決するのに、犯人探しは役に立たない。
誰かが見せしめとばかりに責められていてら、それに気づくこと。
犯人探し本能を抑えるには、誰かに責任を求める癖を断ち切る。
犯人ではなく、原因を探す。

10. 焦り本能
今すぐ手を打たないと大変なことになるという思い込み。
今するに決めなければならないと感じたら、自分の焦りに気づくこと。
焦り本能を抑えるには、小さな一歩を重ねること。

以上の10個が、ファクトフルネスの中で紹介されている思い込み。
これらの思い込みのせいで、多くの人は世界の状況を正しく認識できていないのだそうです。
本の中では、1つ1つの思い込みに対して、データを元に世界の現状を正しく認識しながら、思い込みに惑わされないための解決策を提示します。

思い込みに惑わされず、データを元に世界の現状を正しく理解する力を身に付けると共に、世界の現状を知ることができる本です。

この本を読んだとき、テレビなど、大衆受けを狙ったメディアの情報だけでは世界の本能の姿は見えてこないし、学校の授業で習った事も、それは世界のほんの一部でしかないのだと感じざるを得なかったです。
教養を身に付けるためには、やはり本を読むことが必要だし、思い込みに惑わされず、物事を正しくみる習慣を身に付ける必要があると再認識させられる本でした。


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