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リモートで新人研修を実施して感じたこと

4月からIT企業向けの新入社員研修を実施しています。
研修を依頼してくださった企業は6社で、研修対象の新入社員は合計で20名以上になります。
始めの2週間は、研修生全員が研修会場に集まって研修を実施していましたが、新型コロナウイルスの影響が拡大し、緊急事態宣言の対象地域が拡大したこともあり、3週目から一部の会社様はZoomによるリモートでの研修に切り替えることになりました。

現状、約1/3の研修生は自宅からZoomで研修に参加しており、残りの2/3は研修会場で実施している形になります。
(研修会場では、講師は必ずマスクをして、アルコール消毒を徹底したり、窓を開けて喚起をするなど、できる限りの大作は実施しています)

ここからはZoomを利用したリモートでの研修を実施してみての所感について書き残していきたいと思います。

意外と何とかなる

実施してみてまず最初に思った事は、意外と何とかなる、という事です。
まだリモートでの研修を実施して1週間しか経っていないからかもしれませんが、今のところ大きなトラブルもなく進めることができています。

今までの私の講義スタイルは、プロジェクターを使ってスクリーンにスライド資料の教材を移しながら、ホワイトボードを使って細かい解説を行うというものでした。

Zoomを導入してからは、スライド資料はカメラで映し、細かい解説はZoomの画面共有機能を使ってテキストエディタを映しながら解説する形にしています。
結果、講義中はホワイトボードを使用しない形となりました。
今までの講義スタイルを捨てて新しい講義スタイルに切り替えるのはそれなりに勇気がいることでしたが、実際にやってみると意外と何とかなっています。

今は研修会場で研修を受けている人と自宅からリモートで研修を受けている人がいますか、仮に全員が自宅からリモートで研修を受ける形になったとしても何とか対応することができそうです。

リモートで研修を実施する話が出た時は色々と懸念点がありましたが、結果的には新しい知見が多く得られたのでその点は良かったです。

ITの教育はリモートワークとの相性が良い

今回リモートでの研修がそこそこうまくいっているのは、IT技術の研修だから、という点が大きいと思います。

私が教えているのはプログラミング技術ですが、プログラミングはそもそもPCを使って操作していくものです。
そのため、画面共有をして遠隔の人にも細かい解説がしやすいです。

イメージ的には、動画によるプログラミング学習サービスの「ドットインストール」のような解説スタイルを、リアルタイムで研修生と対話しながら進めているようなイメージです。

時には手書きで図解して説明をしたい場合もありますが、その場合はZoomの画面共有の機能にある「ホワイトボード」という機能を使用しています。
ただ、PCによる操作だとどうしても手書きの様にうまく描けないことがデメリットです。
ただこの点についてはiPadとの連携で解決可能なのです。

研修ではグループを作成して作業をしてもらう事も多いのですが、これについてはZoomのブレイクアウトセッションという機能を使うことで、Zoom上でグループを作成することが可能になっています。

直接対面で講義をしている時と比べると、質問のしやすさや雑談のしやすさといった点は課題になりますが、講義内容という点だけ見ればリモートでも通常の講義と遜色ないものができることが分かりました。

チャットの導入によるメリット

研修がリモートになると、対面の時よりも直接話すコミュニケーションが難しくなることが懸念されたので、積極的にチャットを活用することにしました。
もともとZoomのデスクトップアプリにチャットの機能が付いているので、その機能を活用しています。
個人間でのチャットのやり取りをしつつ、講義用・業務連絡用・雑談用のように、目的に合わせて全員が参加できるチャンネルを作成してチャットを運用しています。

チャットを導入することで、いくつかのメリットや発見がありました。

報告の管理がしやすくなった
まずチャットの導入によるメリットとして、報告がしやすくなった点が上げられます。
通常の業務でチャットを使用している企業の場合、チャットで業務報告を行うことは普通のことだと思います。
ただ、新人研修ではチャットは導入していなかったため、今までは全て口頭で報告をしてもらっていました。
課題を提出した旨を報告してもらったり、課題の提出が遅れることを報告してもらったりなどです。

口頭で20数名分の報告を受けるのはそれなりに大変な作業で、すぐにメモに残しておかないと講師が把握できなくなってしまいます。
しかし、チャットで報告をしてもらうことで、履歴が残るようになったため、講師が研修生と質問対応をしている状態の時でも、気軽に報告ができるようになるというメリットがありました。

チャットによる報告の練習ができるようになった
チャットでの報告が可能になったことで、文章で報告内容を簡潔にまとめることの練習ができるようになりました。
IT企業であればほとんどの企業が社内でのコミュニケーションでチャットツールを導入しているかと思います。
そうなると当然チャットで報告をする場面も考えられます。
新入社員研修でチャットを導入することで、現場に配属される前にチャットによる報告の練習ができるようになったのは思わぬメリットでした。

チャットだとよく話す人が出てきた
チャットの導入による一番の発見はこれかもしれません。
全員が研修会場に来て研修を実施している時にはコミュニケーションが少なかった研修生が、リモートになりチャットが導入されたことでよく話すようになったことです。

もちろん、全員がそうなるわけではなく、リモートになることでコミュニケーションが減った人もいれば、対面で会っていた時と変わらず多くコミュニケーションが取れる人もいます。

対面でもリモートでもコミュニケーションが少ない人もいます。

色々な人がいますが、リモートになることで直接会っていた時よりもコミュニケーションが増える人がいるというのは私の中では1つの発見でした。

まとめ

リモートの研修を実施する前は、デメリットのことばかり考えていました。
・講義の理解度が下がるのではないか
・報連相やプレゼンなどの社会人スキルの指導がしにくくなるのではないか
・研修生がどういう状況なのか把握するのがむずかしくなるのではないか
などなど。

ただ、実際にやってみると、デメリットだと考えていたことは意外と気にならなかったり、逆にZoomを導入したことによるメリットが大きかったりで、感触としてはむしろやってみて良かったと感じています。

結局のところ、
・導入したツールをどれだけ使いこなせているか
・運用をどう工夫していくか

の2点が大事で、この2つをクリアできればリモートによる研修は十分実現できると分かりました。

ただし、リモートでの研修はまだ始まったばかり。
これからもリモートでの研修の期間が延びた場合、今まで研修会場で研修を受けてきた研修生と比べてどういった差が出てくるかは未知です。
新入社員研修は3ヵ月の期間があるので、実際にリモートによる研修にどれだけの効果があったかは、全てのカリキュラムが終わってみないと分からない部分ではあります。

この辺りは研修が終わった後に発信していければと思います。



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