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成功するかどうかは始まる前からある程度決まっている

仕事をするとき。いや、仕事に限らず、何かにチャレンジするとき。
それが成功するかどうかは、始まる前の段階である程度決まってしまっているのかもしれません。

内定者向けの研修を実施したときにそんなことを思ったので、今回はそんな話。

内定者向けの研修

4月からはIT企業の新入社員研修を実施しているのですが、3月には、その前段階として内定者向けの研修を実施しています。
自由参加の研修ですが、研修開始前の段階から研修生同士の親睦を深めてもらったり、ITに対して興味を持ってもらい、4月からの研修をスムーズに進めるようにするために実施しています。

カレー研修
内定者向けの研修は3日間あるのですが、初日は研修生同士でグループを作成して、グループごとにカレーを作成してもらうという研修をしています。カレー作りとITでは何の関係もないと思われるかもしれません。
実際、関係ありません(笑)
カレー作りをするのは、プロジェクト単位の仕事の流れをイメージしてもらうことを目的としています。

作業内容
まず、決められた期間(時間)までに、決められた予算内で、決められたチームで作業を完了させるという流れを体験してもらいます。
そのために
・カレーの材料の洗い出し
・作業工程と予定工数の洗い出し
・計画の立案
・役割分担
を決めます。
それができたら、あらかじめ立てた計画に沿って作業を進めていきます。
実際の作業と計画にずれが生じたら、適宜計画を修正していきます。

食べて後片付け
カレーを作り終えたらみんなで食事をし、後片付けをします。

振り返り
後片付け後には、事前に立てた計画と実際の作業とのズレを確認しながら振り返りを行います。
・計画通りに進められたのかどうか
・計画とズレた場合、その要因は何だったのか
・今後の改善点は何なのか
といった点を話し合いながら洗い出していきます。

この一連の流れを通して、プロジェクトという単位での仕事の進め方をイメージしてもらいつつ、
・計画を立てることの難しさ
・役割分担の難しさ
・計画通り進めることの難しさ
・振り返り作業の大切さ
を体感してもらいます。

やってみた結果

研修当日は7名の参加者がいたので、3名チームと4名チームに分け、それぞれ作業をしてもらいました。
結果、両チームとも、材料は予算内に収め、ぎりぎり時間内までに完成されることができました。
ただ、カレーの完成度ではそれぞれのチームで差が出る結果となりました。

結果の要因は
チームを作成したときに、それぞれのチームでカレーを作ったことがある人がいるかどうかを確認してみました。
その結果、3名のチームには、普段からたまに料理をしていて、カレーも作るという人がいたのですが、4名のチームは、カレーを作った経験がほぼなく、料理もほぼしない人達で固まる結果になりました。

その結果何が起きたかというと、3名のチームは、材料の洗い出しや工程の洗い出しの作業がスムーズに行えたのに対し、4名のチームは、そもそもカレーを作るための材料の洗い出しや、作る工程の洗い出しでつまずく結果となりました。
まあ、今の時代スマホを使って調べればカレーのつくり方くらいすぐに分かりますが、今回は1から計画を立てることの難しさを体験してもらいたかったので、作り方や材料に関してはあえて調べさせずに実施した結果、このような結果になりました。

(そもそもこの研修の考案者は、「カレーなら誰でも作ったことがあるだろう」という前提でカレー作りの研修を考えたようなのですが、今の時代ではその前提が成り立たなくなっているのかもしれません)

この研修の様子を見ていて思ったのは、成功するかどうかは始まる前からある程度決まっているのだな、ということ。

普段からカレーを作っている人は、カレーの材料の分かりますし、材料費がどれくらいかかるかもある程度予想しやすいです。
また、調理のそれぞれの工程で時間がどのくらいかかるかもある程度予想できます。
結果として、計画を立てて計画通りに進めるにしても、成功の確率は上がります。

しかし、カレーを作ったことがない人は、作ったことがある人よりも、材料の洗い出しや、材料費・料理時間の計画のハードルはグンと上がります。

ただ、普段から料理をしない人であっても、研修ではカレー作りをすることは事前に伝えられていたので、その情報を元に、自宅で一度カレーを作っていれば、結果も変わってきたのではいかと思います。

結局、研修が始まる前の段階で、この研修が成功するかどうかはある程度決まってくるということになります。

事前にどれだけ準備できたかが重要

この研修から分かったことは、事前にどれだけ準備できていたかがそのまま成功率につながるという事。
事前にやることが決まっている事柄に対しては、自分自身で一度経験してシミュレーションすることが、成功率を大幅に上げることになります。

当たり前と言えば当たり前のこと。
私は講師をしていますが、講義がうまくいくかどうかは、事前にどれだけ準備してシミュレーションしたかで思い通りにいくかどうかが変わってきます。
自分自身に当てはめてみれば当たり前のことなのですが、今回カレー作りの研修を通して研修生を客観的に見てみることで、事前準備の大事さを痛感しました。


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