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やりたいことが邪魔になる

ITエンジニアの仕事を始めて10年以上が経ちました。
はじめの頃は、自分がエンジニアとして何をやりたいかなんて全く考えていなかったし、やりたいことも特になかった。
でも、自分が知らないことや新しいことを学ぶことは好きで、かつ周りから実力を認めてもらいたい承認欲求も強かったので、勉強はそれなりにしていたと思う。
自分が知っている知識をより深掘りしたり、書店に行って本を眺めながらなんとなく面白そうと思った本を買ったりしていて、目的はないけど、とりあえず自分の知識を増やすために何か勉強する、という時間が多かった。

今でも自分が知らない知識を勉強することはあるけれど、昔に比べると学びのスタイルが大きく変わったなと思う。

最近は、自分の中で明確にやりたいこと(作りたいモノ)がある。
なので、やりたいことを自分の中のベストな案で実現するために必要な技術を学ぶ、というスタイルになった。

つまり、昔は明確な目的がないままに勉強していた。
いうならば、勉強すること自体が目的になっていた。
逆に今は目的ありきで、目的達成のための手段として必要なことを勉強している。

一見、明確な目的を持って行動している人の方がしっかりしていて良い印象を持ちそうな気もするけれど、最近は目的なしに自分の興味がある分野を突き詰めて勉強している人たちの方がかっこいいなと思うようになった。

今一緒に働いている組織の中には、新しい技術を学ぶのが好きな人たちが多くいる。
その人たちは、(私からみると)やりたいことを実現するために技術を学ぶのではなく、まずは新しい技術を学び、仕事の中でその技術が使えそうな機能や仕組みを探して、半ば無理やり盛り込んでいるようにも見える。

目的のための手段として技術があるのではなく、まず学ぶことが目的になり、それを活かす場を後付けで考える、という印象です。

なんとなく目的と手段が逆転している気もしますが、エンジニアとして技術力を高めるという意味ではこの手法はきっと間違いではなく、見ていて楽しそうだし、かっこいいなと思う。

一方で今の自分はどうかというと、目的(やりたいこと)があるせいで、そこに活かせそうな技術は興味あるが、そうでない技術には対して興味を持たなくなってしまった。
また、やりたいことをやる時間を確保するために、新しい技術をキャッチアップして学ぶ時間は減ってしまった気もしている。
つまり、目的(やりたいこと)ができてしまったせいで昔よりも視野が狭くなってしまった。

目標や目的を持って生きることはメリットもたくさんあるかもしれないけれど、無目的に新しいことを学ぶ時間がなくなり、視野が狭くなるという、なかなかのデメリットもあるなと思った。

やりたいことが多い、というのは、充実した日々を送れる可能性が高い反面、自分の成長を妨げる障壁にもなる邪魔な存在でもあるな、と思う。

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