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「食とシネマ」



Ep.4
「食とシネマ」

私が映画を好きになったのは、
小さい頃から父にたくさんの洋画を見せられたことが始まりです。


王道ですが『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や
『インディ・ジョーンズ』、『ハムナプトラ』などなど…

SFや冒険ものを見てワクワクし、
他の世界に行ったような感覚を楽しんでいました。

それからしばらく映画からは離れ、
気になったものや話題の作品を見るだけの、
映画好きでも何でもない日常を過ごします。


22 歳。社会人 1 年目でコロナに直面し、
職場のカフェで働けずに 1 年間自宅待機をしていた頃。

時間を持て余した私は、
再び映画の世界にどっぷりと浸かることになるのでした。

洋画、邦画、アニメ、古いものから新しいものまで。

好きな映画を挙げるとキリがないので、
今頭に思いついたものだけ…


「レオン」 「ユージュアル・サスぺクツ」
「君の名前で僕を呼んで」
「グランド・ブタペスト・ホテル」
「トゥルーマン・ショー」
「ミッドナイト・イン・パリ」
「パプリカ」「夜は短し歩けよ乙女」
「横道世之介」 「街の上で」
「退屈な日々にさようならを」
「PERFECT DAYS」


外出できるようになってからは、
京都の出町座や京都シネマ、
今はなき京都みなみ会館、アップリンク京都など
ミニシアターに通い詰めました。(今では日常)

「映画」を見て、何を感じるかは人それぞれ。

良し悪しではなく、鑑賞して何かを思い、
考察し、吸収するのです。

日々を生きていく中で「映画」は想像力を育み、
自分の中にある様々な感情に気づくことのできる
大切なものだと思っています。

さあ、ここでやっと食べ物の話へ。

食べることが大好きな私は、
映画に出てくる食事の場面を見ることが好きです。

そこで、今回は食にフォーカスして
映画紹介してみようと思います。



・食事

『かもめ食堂』


フィンランドの首都ヘルシンキにある小さな食堂で、
3 人の日本人女性を中心に
少し不思議でほのぼのとした日常が描かれています。

おにぎり、焼き鮭や生姜焼き、とんかつなどの定食。

そしてシナモンロール。

個性的なお客さんたちが食堂に集まり、
温かく美味しい料理に癒されている様子が見られます。


舞台のフィンランドには“Fika”(フィーカ)
という習慣があり、家族や友達と
コーヒーや甘いものを楽しみながら、
コミュニケーションをとることを意味します。

食事を通して、その楽しさや美味しさを
誰かと分かち合うこと。

穏やかでゆっくりと流れるその時間を、
北欧の人々は大切にしているのです。

(デンマークにも“Hygge”という似たような言葉がある)

日本人である私たちにとってもそれは同じことですが、
北欧の人々は、誰かと食事をしながら話すという時間を
暮らしの中でかなり大切にしているように思います。

私は食を通じてコミュニケーションをとることの
大切さに気付かされ、それを伝えていきたいという
思いをもって、今はカフェ店長のかたわら、
グルメアカウント「喫茶と休日」に参加しています。

同じ荻上直子さんの作品では、
『めがね』の朝食の梅干しや、
『東京オアシス』のうどんも印象的なのですが…
気になった方はぜひ。




・おやつ

『アメリ』


パリ・モンマルトルを舞台に、
空想好きな女性アメリの日常を描いています。

人間観察をして想像力を膨らませ、
楽しんでいたアメリ。
ある出来事をきっかけに他人を幸福にすることに
喜びを感じるようになります。
楽しい悪戯を仕掛けてお節介を焼く彼女は、
ある日自分も恋をするのでした。

自分のことに不器用なその姿は、
可愛くてつい応援したくなる…
ユーモラスで皮肉もたっぷりのフランスらしい
オシャレな映画です。


モンマルトルのカフェで働く
アメリが好きなもの、それは
「クレームブリュレ」

表面のパリパリのカラメルを、
スプーンでコンコンと叩いて割るシーンが印象的。

ほろ苦くてカリカリの食感と、
中のトロトロで甘いクリームがクセになります。

バニラの香りが豊かで濃厚なのがポイントです。


これと少し似たような感覚で、
私はおやつに対するある行動がくせになっています。

それはミルクレープの断面をフォークで
ズタダダッと切ること。
あの薄くて柔らかいクレープ生地も、
重ねるとこんなに厚みが出て
楽しい感触を作り出すのかと驚いたものです。

あれがとても気持ちよくて好きなのです。

あれ、変ですか…?

きっとどこかに共感してくれる人がいるはず 、です 。
もちろん味も大好きですが。

私はとにかく層になっているものが好きなのでしょう。
ミルフィーユ、クロワッサン、バウムクーヘン。
どれも何重にもなった層が楽しい食感を作り出しています。

おやつの時間の「おいしい記憶」です。

何か、しんどいことがあった時。

仕事や人間関係に疲れたり、イライラしたり、
悲しくなったり。

生きていると楽しいことばかりではないですし、
皆それぞれ、何かに悩んで考えて、
一生懸命今を生きています 。

そんな時、その人にとって元気をチャージできる
存在があるでしょう。

映画を観ることで、心が救われてきた人は
きっとこの世の中にたくさんいます 。

私もその一人です 。

そしてもう一つ。

どんな時だって、お腹はすきます 。

こんなに悲しいのに、涙が出るのに
お腹は容赦なく、ぐぅと音を鳴らすのです 。

そんな時は、好きなものをたくさん食べましょう。

眠れない夜には、
素敵な映画を観ながら夢の世界へ行きましょう。



「美味しい」 「面白い」 「悲しい」 「幸せ」
色んな感情が頭を駆け巡り、体中を満たします 。

自分の中にあるすべての感情に素直になってみるのです。

また美味しいものを食べて、あの映画が見たい。

私はそれを楽しみに、日々を頑張れています 。


さあ、今回はここまで。

最後に、先ほども挙げた私の大好きな映画をご紹介します 。


~本日のおすすめ映画~

「グランド・ブタペスト・ホテル」



ウェス・アンダーソン監督のこだわりが
これでもかと詰まった作品。

1930 年のヨーロッパを舞台に
伝説のコンシェルジュ、グスタフ・H とベルボーイが
繰り広げる冒険を描いたコミカルなミステリー。

究極のおもてなしを信条とするグスタフが
懇意にしていたマダム D が何者かに殺害されたことから
物語は始まります。

その莫大な遺産と貴重な絵画をめぐる騒動に
巻き込まれながら、ベルボーイのゼロとともに謎を解き、
ホテルの威信を守るべくヨーロッパを駆け巡るのです。

衣装、セット、小道具すべてがとにかく可愛い。

カメラワークや演出が唯一無二で、まるで絵本の世界!

ゼロの恋人、アガサが菓子職人として働く
メンドルで作られるのはシュークリームを
縦に積み上げたお菓子。(画像参照)

このお菓子は劇中で大活躍するのですが、
それは映画を観てのお楽しみ。


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