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種は愛

何かを始めてもあきっぽい性格なのでなかなか長続きがしない。
一度楽しんだら・味わったらそれで終了というものが多い中で続いているのが畑作業。東京にいる頃から季節ごとに実家に戻っては耕していました。
種を蒔いてみたかったからという理由と、
畑には、土の中には、見えるものと見えない生命(土壌微生物、バクテリア)がたくさんあります。だからなぜか気になる、放っておけない、命があるならできる限り付き合ってみようとなりました。何より、自分で作った野菜はふぞろいでもプライスレスでおいしい!あ、ちゃんとニンジンの味だ!とか、トマトだ!赤い!って当たり前のことに感動です。

あと、私の精神衛生を整える手段として”土”で植物を育てることがいいのです。たぶん、最近増えてきた水耕栽培ではダメなんです。

新しく私の家庭菜園の成長期マガジンを作りました。
「土の声」今回は 1回目。

土には見えないものだらけだから、声なんて聞こえないんですけどね、レイキを当てたりしているのでなんとかして対話ができたらなあ、笑。

人と土の関係は坂口恭平さんの「土になる」にすべて書いてあるので(坂口さんの本の中で一番好き)、私が言葉にしなくてもいいかなと思ったりしたけど、自分のためにも作業をしている時に何を感じているか見ているか表現してみることにしました。畑って、何かを野菜でも花でもハーブでも育てるってかなりその人のセンスが問われるし、区切られたスペースで作るというのは創造のキャンパスと一緒なので結構クリエイティブ。

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(ちょっと遅いかもしれないけど、一部だけ先日天地返しをしました)

土に何かの種をまいて、成長を待ち、収穫できるまで種類によってはものすごく時間がかかるものがあります。桃栗三年柿八年といいますが、果樹の品種改良がすすんで果実が実りやすくなりましたね!それでも実がなるシーズンは一回だけ。葉物は成長が早いし、鹿児島は暖かいので年間で2シーズンいけたりして結果がわかりやすかったりします。
それでもいろんな種類を育てていても、年間を通して結果がわかるので私はまだ数回しか収穫までの経験をしていないということになる。
ということは、初心者のぺーぺーすぎるということ!

だから土のこともまだちゃんとわかっていないし、どの肥料を使うか、そして与えるタイミングも1回のシーズンしか経験できないので自分のデータは薄っぺらい(しかも残念なことに私はログを残すということが苦手)。
本やネット調べたら答えを教えてくれますが、すべての条件が私の畑と一致しないのでその通りはいかない。
”耕さない農業” 不耕起栽培という農法もありますが、やってはみたけど知識が追いついてなくてダメにした苗がたくさん・・・(すまん、涙

種も個性があるんです。すべて一緒ではなくて、じっくり見ると一つ一つちがいます。でもその一粒がどんな個性なのかはわからないので、とりあえず土にまいて、様子をみながら水を与えて、気温を気にかけながら、芽が出てくるは今日かな?明日かな?とハラハラとドキドキしながらじっくり待ちます。
顔を見せてくれた時は本当にうれしいです。残念ながら顔を見せてくれない子もいます。Topの写真は栽培・販売しているバタフライピーの種です。ふわふわのサヤに包まれています。あったかそう❤️

自分で種をまかなくても、誰かがまいてくれている時もあります。

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これはたぶん野いちごだと思うんですが、知らない間に苗になっていました。おそらく、みかんの樹の下なので実を食べにきた鳥がフンをして、そのフンの中にいちごの種が入っていたのでしょう。本当に食べれる野いちごなのかしばらく様子をみてみます。

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パクチーに紛れて、雑草と呼ばれているホトケノザも顔を出しています。葉の形が似ているのでパッと見は気づかないです(笑
たまたま一緒に生存しているのかもしれませんが、ああ賢いなあと思ってしまいました。
左がパクチー 右がホトケノザ

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にんにく、初めて作ってます。

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(最近、ニンニクの漢字を知りました)
パクチーとニンニクはどこかにお邪魔するときの手土産用。お菓子や何かめずらしいものに疎いので。

よーく見ると葉の筋がとてもきれい。

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その周りにサラダ菜がいつのまにか成長。ここ一帯でサラダ菜を育てたのは昨年の春。それがやっと芽を出したのか、それともちょっと離れたところで育てているのでそれのこぼれ種か。(何かの偶然でここに落ちた可能性)

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植物生態写真家の埴 沙萠・はにしゃぼうさん(ハニー)からずっと種のおもしろさを教えてもらっていました。条件がそろったら季節問わず、芽は出るんだよって。
だから何も種の袋に書いてある時期に絶対まかないといけない、ということはない。すべては”条件”と。
(もちろん袋に指導してある時期は栽培として適切です)
だからとにかく種はどこでもなんでもまいていたらおもしろいよって。

なんかこれって人生というか生き方にもあてはまり、ハニーは植物を通して生き方も教えてくれていたんです。いつ芽が出るかなんてわからない、鹿児島は雪があまり降らないので、寒い冬に地中から地上に芽を出して世界にこんにちは!ということもありますし。
しかも自分がまいていなくても、誰かが勝手にまいてくれていてくれることもある。それを育てるか育てないかは自分次第だけど、育つかもわからない、でもどうなるかわかりません。

昨年、一ヶ月だけ愛媛で一緒に生活したある人からの置き手紙に書いてありました。
「敦子さんは果実が実る樹のような人」と。泣いた。
私はいつのまにか自分に種をまいて、それが育ってくれて樹になり、実を実らせていたようです。(おそらく)
彼女はそれを受け取ってくれただろうか、おいしかったかな。いつか聞いてみたい。

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(苗を植えてから2年目かな?やっと今年実ってくれました!キンカン)

種は姿形はコロコロとして小さいし、種類によっては鼻息で簡単に飛んでいってしまう綿毛もある。でもその中にぎゅっと愛が詰まっているんです。

種は愛だ!としたかったけど、こんな歌のタイトルがあることを思い出しました。
「愛は花、君はその種子」
原曲Bette MidlerのThe rose 日本語翻訳は高畑勲監督


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