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生理痛とピルとアルコール。

nrnoteさんの記事で読んでから、飲んでみたいなと思ってたやつ。


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実はYouTuberのねこてんも配信の時に飲んでて「こういうお酒で炭酸入ってないの珍しい。」「野菜ジュースみたい」って言ってて気になってたやつ。

飲んでみたいと思いつつも、私はトマトは大好きだけどトマトジュースは大嫌いだし、にんじんは食べるけど嫌いな野菜のうちの一つだし、キウイなんてアレルギーがあるから絶対に飲めないと思って、見つけてもスルーしていた。それに何より、酒が飲めない。
なのにこの間、ファミマにポテチを買いに行った時にまた目に飛び込んできて、しかも客も私一人だったからまじまじと成分表示を確認してとうとう現品を買ってしまった。

私が行ったファミリーマートには赤とオレンジしかなくて、私はりんごジュースもオレンジジュースも大好きだからすごく迷って、2本とも買っちゃおうかな、とも思った。だけど成分表示を見たら赤には一番最初にトマトって記載がされていた。これはきっとトマトジュースの味なんだよって意味だと思ってすぐに棚に戻した。オレンジは4番目ににんじんて書いてあったからそんなににんじんの味が濃くないだろうと思ってこれにに決めた。「成分表示って分量が多い順に書いてあるんだよ」って何も知らない子供に自慢したい。

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ちなみにファミマのポテチは、今年から私家ポテトチップスランキングの1位に君臨している。審査委員長は私で、補佐は夫。
美味しい食べ物に出会った時に常時入れ替わる便利ランキング。
みんなも一回食べてみてね。

お酒の味は、まぁまぁ美味しかった。
よくある「何これにんじんジュースじゃん!」ていう野菜ジュースよりもにんじんの味が薄くて良かった。でも、美味しいんだけど、驚くほど美味しいってわけでもない。一番好きな市販の野菜ジュースにウォッカを少し入れて飲んだらもっと美味しい自家製ベジバルができると思う。
いつか閉経してまたお酒を飲みたいと思う日が来たら試してみたい。

*   *   *

お酒を飲まなくなって3年が経った。
3年前まではまさに浴びるように飲んでいた。
仕事から帰ってきたらまずビール。飲みながらスパスパタバコを吸って、2本目に突入した頃に夕飯づくりに取り掛かる。立派なキッチンドランカーだった。

休みの日はお昼ご飯を作る時に飲み始め、居酒屋に行けば開店から閉店まで延々と飲む。好きなお酒はビールと梅酒とジンとテキーラ。家にジンやテキーラの瓶があった。インテリアじゃなくてガチで飲む用に。そういえばテキーラサンライズを作るために買ったグレナデンシロップは、まだ冷蔵庫に鎮座しているな。

シャレオツにお酒を嗜む生活をしたいけど、市販の炭酸ジュース系のお酒が苦手だという人は是非家でカクテルを作ってみて欲しい。
お酒を飲まない人からすれば、家にアルコールの瓶があるだけで立派なアル中だと思うだろうが、実は自分で作ったほうがアルコールの量が調節できるから、市販のうっすいジュースみたいなお酒よりも余程美味しいカクテルができる。炭酸だって入れなくていい。

あの頃、女子に注文して欲しいカクテルナンバーワンと言われたカシスオレンジは、カシスのリキュールをオレンジジュースに混ぜるだけでできるし、さっぱりした味が好きな人には桃のリキュールで作るピーチウーロンとかがお勧めだし、こってり甘い系が好きな人には牛乳で割ったベイリーズを飲んで欲しい。
200mlのリキュールが入った小瓶は、数百円で売っている。飲んだあとも、飲む前も、インテリアにしたらそれはそれは映えるだろう。瓶のデザインでリキュールを選ぶのも楽しい。

私がお酒を飲み始めた頃、そのビジュアルに一目惚れして買ったお酒がボンベイサファイアだ。それが縁でジンベースのカクテルを飲むようになり、ジンライムに着地した。
ジンライムはライムのシロップで淡い緑色になるのがたまらない。しかも入れた瞬間にジンと氷と融合していく様子がうねうねと芸術的で、見ているだけでうっとりする。

いつもジンライムと一位を競い合ってるのが、グレナデンシロップを入れて作るテキーラサンライズ。テキーラサンライズは、まさにメキシコのサンライズとも言うべき赤からオレンジへのグラデーションがたまらない。
缶のお酒も美味しいのはたくさんあるけれど、グラスに入れたときの美しさは、手作りには敵わない。
この見た目の美しさを楽しむのも、お酒を飲む理由の一つだと思う。

*   *   *

3年前、産婦人科に行った。
ずっと我慢していた生理痛をなんとかしたくて。

初潮以降、私の生理周期は乱れたことがない。
生理痛もなかった。股間から血を垂れ流しているという不快感こそあれ、鎮痛剤に頼ることもない。生理が重いという話を聞いても「大変だね〜」くらいにしか思わなかった。私とは無縁の世界だと思っていた。

20代後半、少し痛いなと思う日が増えた。
市販の鎮痛剤で解消する程度の痛みだった。

30代になった。痛くて動けなくなった。
おなかに使い捨てカイロを貼って、ずっと布団に包まっていた。
鎮痛剤を飲んでも、何も解決しなかった。
あることがあってから避けていた産婦人科に再び行くことを決めた。

「子宮筋腫大きくなってますね。ピル飲みましょう。鎮痛剤も併用してね。」
「ピルは保険適用とそうじゃないのがあるけどどっちがいい?」
「じゃあ最初は保険が効く方から試してみましょうか。」
あれよあれよと言う間にピルを飲むことが決定してしまった。
当時はタバコも吸っていたけど、それに対する説明は何もなかった。

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「次の生理が来たら、最初の1錠を飲み始めてください。飲み始めたらこの曜日のシールを貼って飲み忘れがないように。ピルは毎日同じ時間に飲むお薬だからね。飲み忘れがない時間に飲むようにしてね。朝起きたらすぐに、とかね。」

生理が来た。
1錠目を飲んだ。
血が止まった。
翌日、2錠目を飲んだ。
血が出ない。
その翌日、3錠目を飲む。
やっぱり出ない。生理止まった。
病院に電話をする。
「ピル飲み始めたら生理止まりました。」
「え?一滴も出なくなったんですか!?」
「はい」
「先生に確認するのでお待ちください。」
「飲み始めは人それぞれ違う症状が出るみたいなので血が止まっても大丈夫です。1週間経っても生理が再開しなかったらまた連絡してください。」
翌日、続きの血が出た。

その月と翌月くらいまではまだ痛みがあった。
それが3ヶ月目になると、鎮痛剤を飲めば動けるようになった。
それから少しずつ症状が軽減されてもう4年目。
今は子宮内膜症を併発している。その影響かどうかはわからないけれど、生理の時、子宮ではなく膣が痛む。それでも、生理に振り回されることはなくなった。出血量も少ない上に3日で終わる。それから、生理が来る日にあらかじめ鎮痛剤を飲んでおくっていう小技も使えるようになった。

*   *   *

あれだけ大好きだったお酒は、飲めなくなった。
昔、お酒のことを「消毒液のにおい」と表現した人がいた。「何言ってんだこいつ??」と思った。「お酒飲めないなんて人生損してる!」と言った。その私が、お酒を「消毒液のにおい」と言うようになった。


ピルは、体に「妊娠している」と勘違いさせて排卵を止める薬だ。
妊娠すると体質が変わるって言う話はよく聞くけれど、ピルでもそれが起ったのだろうか。私の体は、私が3年以上も妊娠し続けていると思っているのだろうか。とにもかくにも私は、ピルを飲み始めてからお酒を飲みたいという気持ちにならなくなった。「なかったら買いに行く」私が「あっても飲まない」になったのだ。
周囲の人たちには散々驚かれた。そりゃそうだ。隙あらば飲んでいた私が、ぱったりと、一滴も、飲まなくなったんだから。

*   *   *

子宮筋腫が発覚した時、子宮ごと手術で取ってしまいたいと思った。その時の男性医師は「その前に子供を産め」と言った。もう子供を作る意思がないことを伝えると、責められた。少子化が云々と。だから痛みがひどくなるまで産婦人科に行けなかった。数年後に産婦人科に行った時、女性の先生に代わった。「痛かったでしょう」って言ってくれた。
泣きそうになった。

その先生は今年、別の病院に移った。
私の担当は、私よりもずっと若い、可愛らしい先生になった。
初めて診てもらった時、カルテを熟読してくれていた。
新しい出会いに感謝した。


私は、大好きなお酒と引き換えに、生理痛に苦しまない日常を手に入れた。
それが正解だったかどうかは今もわからない。
あの耐えがたい痛みよりも飲酒を優先した方が良かったかも、なんて言うと頭がおかしいと言われるだろうし、実際自分でもそう思うけれど。


また、ボンベイサファイアを買おう。
テキーラを買おう。
いつかまた、お酒を美味しいと思える日が再来したら。

おわり。



くる〜きっとくる〜。

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