短歌 風の歌

われもまたオブジェのひとつかもしれぬ美術館のロビーの椅子に

やまなみの裾をほのかに暮れ残す秋桜揺れてゆられてひとり

奥院のもみじ織りなす色の彩(あや)きっとサヨナラできるとおもう

死ぬほどに我れが欲しくば奪い去れますらおたちの三角四角

お笑いのコンビのようにこれからを吹きゆく風の歌をうたおう

こもごもの後に来るとう現身のたゆたうような眠りを愛す

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