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きし とうか (小説&写真)
2015年8月15日 19:43
暑い夜だった。 じっとりと首筋に汗がまとわりつき、ちくちくした刺激を放っている。俺は誰にもぶつけられないイライラを飲み込み、昨晩壊れたエアコンを恨めしげに眺めながら、うちわで必死に生ぬるい風をかき混ぜようとしていた。 窓を開けていても外の空気は微動だにせず、かえって湿度の高いムッとした夏のにおいが押し寄せてくる。 ああもうどうしてこんなに日本の夏は蒸し暑いんだ。 やけに腹が立