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2023_0218_本読み

<1533字>

冒頭の写真:
少し離れたところの公園(高井戸公園)が、もうオープンから3年経っていました。はじめて来た。
ミツマタがすごい逞しさでした。去年丹沢で見たのとえらく印象が違ってました。

去年12月の丹沢のミツマタ。つぼみがまだ小さいのもあるけど、枝が全然シュッとしてる。

公園のは、タイリンミツマタ、っていうらしいです。



2月18日(土)は以下を読みました。

『あまりにロシア的な。』 
亀山郁夫 著

青土社
第3章 魂たちの帝国
(139〜141ページ)

レーニン廟の建設(建立こんりゅう、ということばも使われていた)についていろいろ説明されていましたが、ともかく、すごかった。
現代にピラミッドを作るようなものですね。
エッフェル塔と同じ高さのレーニン像が提案されていたりもしていました。

ほんとうに「神」として祀られる感じなのだな、と思います。
(死に姿をそのまま保つ、というのが、何かすごく古代から変わらぬ「権力を知った」人間の本性というのか、そんな感じ。)

(音読した人:山崎)





『チェルノブイリの祈り』  スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 作、松本妙子 訳

岩波書店
万物の霊長 月面のような景色

今回のところは、またいろいろと。

タクシーのフロントグラスに鳥が落ちて、ぼとぼとぶつかってくる、
とか、
線量計をあてると「ペチカはミニ原子炉だ」
というのは、
大学の講師の人への、衝撃の聞き書きでした。

事故処理作業者の人のもとても悲しかった。
妻の浮気に、やけになって「ここ」に来ている、その最中も妻は。
というようなことを答えていて。

(音読した人:こいでさん)





『漱石・子規往復書簡集』 和田 茂樹 (編集) 

岩波文庫

子規の三通目。
漱石の二通に対して答えた書簡。眼病に対して、夜目遠目病み目と、女を見る目をこき下ろしたり、いろいろと楽しく、切れ味するどい文でした。
易の六三で、と、中国の古典を引用して占ってくるところに、ぐっと惹きつけられました。
あとで、はやしさんがその箇所を『易』(本田濟、朝日新聞社、125ページ)から、ささっと見つけてくださいました。

「履」(兌下乾上)の六三
〈 たんに曰く、履は柔剛をむなり。よろこんで乾に応ず。ここを以て虎の尾をむ。人をくらわず、とおる。剛、中正にして、帝位をんでやましからず、光明なり。 〉

先日の漱石の手紙の英文は、シェイクスピアやミルトンからの引用だったそうで(あとで注を調べためいさんの報告)、
子規と漱石は、お互い西洋と東洋の古典からの引用でやりとりしているところが、教養あるこの時代の大学生っぽいと思いました。

(音読した人:めいさん)





『世界一ばかなわたしのネコ』  ジル・バシュレ 文・絵 いせ ひでこ 訳

平凡社

不思議な絵本でした。
最後にたねあかしがあるのかな、と思っていたのですが、そうではなかった。ネコなのに、登場するのはどうみてもゾウ、そして鼻に軟骨ではなく骨があるゾウ。
これは近くで細部を見ながら、楽しむナンセンス?絵本ですね。
それにしてもこの発想、思い浮かばないです。

(音読した人:はやしさん)





『芭蕉連句集』  中村俊定・萩原恭男 注

四四 秋立て(あめ子)150~152ページ
岩波文庫

〈 薬を休む喰いもの|《ゝ(の)》味  芭蕉 〉

という句で、はじめて芭蕉登場。名残の折の四句目です。
これの前句が、

〈 行にして朝起きならふ五六日  之道 〉

というわけで、三日坊主ならぬ五六日坊主で、修行(あるいはダイエット?)休止みたいな雰囲気、でしょうか。

なにか、大縄にすっと入ったような感じがしました。

(音読した人:山崎)

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