2022_1221_本読み
<1613字>
冒頭の写真:
いつのまにか、もう紅梅が咲いていました。咲き出しを見そこねました。
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12月21日(水)は以下を読みました。
『あまりにロシア的な。』
亀山郁夫 著
青土社
第Ⅱ章 石の迷宮、蓮の楽園
1 ビバ・ペテルグルグ!
「サンクト・ペテルブルグ便り」 書簡2 (73〜79ページ)
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フレーブニコフが登場しそうな、第Ⅱ章のタイトルです。
先日の「優雅な冒険1」で描かれていた感情の激しい上下動をを引き起こしたアルハンゲリスクへの旅立ちが、ここではさらっと(書簡ですから)知人に向かって書かれていて、その調子の違いが、コラージュの面白さだな、と思いました。
そして、「評伝」というスタイルを思いました。
それで、前に読んだ『ひみつの王国 評伝石井桃子』を思い出しました。
それは、下の『細雪』の時代背景とも繋がっています。
(音読した人:山崎)
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『チェルノブイリの祈り』 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 作、松本妙子 訳
岩波書店
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先日の講演「カタストロフィと文学」で、亀山先生もおすすめされていた本でした。
最初のところ、チェルノブイリの事故直後に消火にあたった消防士被爆者の妻からの聞き書き。
苦しくなります。
こいでさんの読まれているのは岩波現代文庫版。
ちょうど山崎も、同じ本を図書館から借りていて、それ「完全版」と銘打った2021年に出た単行本でした。同じ訳者さんですが、修正を加えたというより、元の本から新たに訳したのかな、というくらい表現が変わっていました。それが印象的でした。そうなのかもしれません。
あとがきか何かにあるか、と見てみるとやはりそうでした。
アレクシエーヴィチは10年に渡って書き直しをしており「完全版」のものは2016年出版のものから訳した、とありました。
新版を目で追いながら、元版の音を聞く、というなかなか体験できない状態です。
(音読した人:こいでさん)
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『俳句的生活』 長谷川櫂 著
中公新書
第3章
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続く『細雪』の話題。
倚松庵という、谷崎が細雪を執筆時に住んだ建物のこと。
中央公論に連載がはじまって2回目で、軍から掲載中止を要求されて、一旦休止。私家版の形で出版するも、再び軍から阻まれたとのこと。
などが書かれて、「作家が自らの欲望のままに書く」ことこそが、支配への最上の抵抗活動だ、と敬意を表していました。
倚松庵は、橋の建設のため移築され、そのお陰で五年後の神戸の震災を逃れて、今もあるそうです。
(音読した人:きよもとさん)
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『漱石・子規往復書簡集』 和田 茂樹 (編集)
岩波文庫
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漱石の九通目。
ずいぶんたくさんの英語が挟みこまれた文章で、面白かったです。
それで、この間の、手習を控えて読書を勧める、のと似た
Essenceを第一に、Formは従に、みたいなことをお勧めしていました。
この、お節介といえば言えそうな、仲良し(と書いてみたくなりました)漱石に子規がどう答えたのか、いよいよ次回(か、その次?)、この書簡への返信だそうです。
(音読した人:めいさん)
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『芭蕉連句集』 中村俊定・萩原恭男 注
四三 (木のもとに)蓑虫庵小集 147~149ページ
岩波文庫
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今日から次の歌仙。最初にある歌仙自体についての脚注が興味深かったです。
初折の十八句が亭主の風麦の筆により、残りが芭蕉の筆による、と書かれた懐紙があるそうです。
何かの事情で別のものと継ぎ接ぎされているのでしょうか。
時々参考にしている『校本 芭蕉全集第四巻』(角川書店)をみると「木のもとに」は「その1」と「その2」が掲載されていて、その1は四〇句、その2は三六句。初折の十八句はどちらも同じです。
岩波文庫には三六句の方が載っています。どの句が抜かれて、結果つながりがどう変わったのか。読みこなせる人が読んだら、さぞ面白いんだろうな、と思います。
(音読した人:山崎)
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