10月9日
めずらしくイベントつづきの今週。陸前高田で、本日、初日を迎えた自身のうつわの個展に在廊した帰り、三陸花火競技大会へ行った。競技大会だと知ったのは、帰宅後、今日のことを書くために調べたとき。見ているあいだは普通の花火大会として楽しんでいた。
いつもは「混む」という言葉と無縁な陸前高田も、今日ばかりはごった返している。しかも、普段はあまり見かけない若者ばかり。街を挙げてのお祭りに現れる屋台の群れと歩行者天国に、花火があがる前から浮かれているのがマスクごしでもよくわかる。学生たちはじゃれ合い、恋人同士で来ているものを羨み、紅潮した顔で屋台メシを頬張っている。こんな光景を見るのはいつぶりだろうか。
あのはじけるような若さは一瞬だ。するすると空を駆けあがって鮮やかに咲き、瞬く間に散る花火のように、美しくせつない。わたしは、そのあとに白く残った、花火の亡骸のような煙を優しい気持ちで見ていた。
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