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10月8日

 車で片道2時間半の街・仙台。それほど遠いわけでもないのに、これまで行く機会がなかった。その仙台に行くことにしたのは、この春、仙台から遠野に越してきたデザイナーの阿部拓也さんのグループ展を観に行くためだった。

 作家は、阿部さんの他にイラストレーターが3名。阿部さんは遠野での暮らしをマンガに綴った、その名も『僕の遠野日記』を出展していた。毎日8コマずつ、阿部さんのツイッターで投稿されるこのマンガが、めっぽうおもしろい。絵のタッチこそゆるふわだが、確かな技術に裏打ちされているし、田舎にやってきた人なら誰もがうなずけることと、阿部さんならではの視点の塩梅が絶妙にいい。

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 他3名の作家さんの作品にも、思わず唸るような上手さがあって、その人たちが生涯現役で描き続けることを誓った作品展は、それだけの見ごたえがあった。ものづくりに完成はない。「一生描きMASS展」は、芸術の秋のはじまりに実にふさわしかった。

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