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10月15日

 昨日の玄平窯の余韻が、まだ残っている。とても心地いい時間を過ごして、かたくなだった考えの一部がまたほぐされたように思う。

 近ごろは、自然と共にある生活について考えている。それは森のなかで暮らすとか、自然由来の日用品を使うことを意味するわけではなく、自然のサイクルと共鳴し生き物としての力を強めること。季節の巡りを肌で感じ、旬の恵みを受け、太陽をたよりに労働に励む暮らしを指している。

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 本を読んでなんとなく気になっていたことを、五十嵐大介さんたちとの会話によって確かめ、りんご農家さんの手伝いをすることで体得し、食の匠や玄平窯の暮らしに見た心地よさのわけをようやく理解し始めている。遠野には職業人としてこれから活きる力を身につけるためにやってきたつもりでいたが、もしかしたら、生き物として地に足つけて生きる力を身につけるための遠野だったのかもしれないと、思い始めている夜である。

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