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兼業作家になれたので三年後ぐらいに起業する -受賞、ちょっとニート、転職した一年を振り返る-

 こんにちは、初めまして。またはお久しぶりです。
 名義をいくつか使うスタイルなので名乗りがたまに変わりますが、最近は約間円(やくまえん)や本名名義を名乗ることが多いですね。

 今回は以下の4月、8月の記事の続きです。(以前の内容は後述のダイジェストにて) 本記事は「起業準備を進めているけれど、中々いい感じに進展してきたよ」というお話になります。

 4月、8月、12月と大体4ヶ月スパンで状況が変わってくるので、いい感じにマイルストーンというかターニングポイントにできてますね。思考や方針も整理できるのでnoteありがたい。

1.これまでのダイジェスト

 さて。
 一つ目の記事の内容は、端的には「一念発起」みたいなものでした。

 厳密には元々やりたいと思い続けていたことですが、今年の4月を目途に前職を退職したり商業作家としてデビューしたりと色々あったので(その辺りの背景は当時は書いてませんが)、ここを改めてスタートにしようと思って書いた記事になります。

 「日本のコンテンツ産業をハリウッド化させる」という50年越しの長期目標と、その過程としての起業プランについて。

 (転職の話とライトノベル作家として賞を頂いた話、まだどこにも公開してないんですよね。いつか書きたい。自分以外にも影響のあることなので、少しだけ慎重に)


 というわけで今年の4月に一気に色んなことが変わって、次の方針を決めて、6月に現職の内定を貰い、8月から働き始めました。

 計4ヶ月ほどあったニート期間は正直かなり楽しかったです。業界がITなこともですが、『専業作家』という肩書きを名乗れるのは精神的に余裕ができて有難かった。

 その時期に書いたのが以下の記事。

 マイナビ、リクルート、Geekly、dodaと転職エージェントをハシゴしたお陰で、(doda以外の)キャリアアドバイザーさんからはかなり有意義なアドバイスを頂くことができました。人生単位のキャリアを練る場合、複数のプロフェッショナルに協力を求めるのは本当にオススメです。

 この時期に決めたのが、「エンジニア路線でWebサービス事業を立ち上げる」ということ。

 大学の経営学部時代から様々な起業手法は学んでいましたが、頂いたアドバイスのお陰で自分の方針を掘り下げて、まずはWebサービスを個人開発することが一番向いていそうだなと。

 起業分野においては「情報を売る」Webサービスはコストゼロで始められることが最大の強みだとよく言われます。ブログ、ゲーム開発、スマホアプリ開発。どれも広義のWebサービス。手軽に挑戦できて、かつ現代ではとても幅広い可能性のあるジャンルですね。

 唯一必要なのがエンジニアスキルだったので、そちらを方針に設定。
 ちなみに他の主な候補は営業路線でした。

 私も人と話すのは好きですが、「まだ何もモノがない段階で技術者を誘って後から実現する」という離れ業はもっと営業向きな人が持つ稀有な才能ですね。私はモノづくりの方が手に馴染む様子。

2.色々始まってる現在の状況

 それからまた4ヶ月ほど経って、現在は案外いい感じにスキル習得や実施中の計画が揃ってきていたりします。

 最近主にやっていることは、

1.『画面開発系プロジェクトへの参画』
2.社内コミュニケーション改革『プロジェクトの発起』
3.新設『ゲーム開発部』への参加&チームマネジメント役職付き
4.イラストレーターさんと共同で『漫画製作』×2作品

 の四つになります。

 一つ目は通常業務です。Vue.jsがだいぶ学べてきました。転職時に検討した通り、現職だとかなり成長効率が良いのを感じます。自分に合った環境は大事ですね。(ついでにホワイト!)

 二つ目は現職で見つけた社内課題について自ら立ち上げたプロジェクトです。いわゆるコ ロナ禍での社内コミュニケーション問題というやつ。

 スタートアップ企業なので課題は色々ある代わりに、それを変えていく人を応援してくれる気風が強くありました。リーダー層に協力を仰ぎ、様々なサポートを貰いながら提案する形。お陰で全社的な改革を主導する経験が現在進行形で得られるため、とても楽しいですね。とりあえずLINEWORKSからSlackに社内チャットツールは変わりそう。

 三つ目はゲーム開発!
 これはどう考えても楽しいやつですが、なんとゲーム業界歴十年以上のベテランで『ファイナルファンタジー15』等の超大作にも携わっていたゲーム開発系エンジニアの方が主幹を務めて下さっています。

 しかし率先して指揮を執るのはあまり得意な方ではないようで、設立後一度は活動が停滞しかかってしまっていました。あまりにもったいない! ということで、主幹の方の「できれば趣味から社内の新規事業にまで育てたい」との夢を実現するためにも調整進行役を申し出てみました。
 シナリオ製作は当然得意分野ですので、コミケなどのイベントで頒布して話題になるようなゲームを目指して部を発展させていきたいと思います。

 四つ目は漫画原作。
 色々調べていると、出版社側から斡旋してもらう以外にも作画担当の方を募集する方法はいくつかある様子。
 商業出版実績がある原作担当を名乗れたこともあり、結果として漫画描きさん、専業イラストレーターのお二人と巡り合うことができました。
 こちらは鋭意製作中で、二作品とも2月頃に完成予定となっています。出版社への応募の他、Twitterなどでも公開予定ですので興味のある方はぜひ覚えておいて頂けると嬉しいですね。

 というわけで、現在既に開始している活動がその四つ
 (あとは出版作の二冊目も執筆中)

 そして次に始めようと思っていることが二つあります。

3.次にやりたいこと

・『絶滅戦争』シリーズの執筆
・人生経験値可視化サービスの開発


 次にやることの一つ目は小説執筆。
 賞を頂き、念願のプロと名乗れる作家デビューができたことはとても嬉しいことでしたが、一作目はそれほど売れたわけではありませんでした。

 しかし同時に、大きな学びがありました。

 同期の作家さん方はそれぞれ個性的な戦略を持っていて、自分の武器を最大限活かすことでかなりのヒットや話題性を獲得した方が何人かいらっしゃいました。一言でいえば、何らかの形でPRを大きく成功させた方が人気作家になったと言えます。

 これは中身が関係ないというわけではありません。むしろこれまで人生で読んできた多くの作品と比べても、確実に『面白かった小説』に分類したくなるほどに同期の先生方の全作品が本当に面白かったためです。また自作についても有難いことに、多くの応援やお褒めの言葉を頂きました。

 だからこそ。戦略的思考と「自分らしさを貫く」ことがヒットの秘訣であると改めて強く感じました。

 経営学でいえばコア・コンピタンス(中心となる、他とは違う価値)でしょうか。この「自分の目指す価値」を揺るぎなく打ち立てるような作品を創ること。それが小説執筆上の次の目標です。

 『絶滅戦争』シリーズはいわゆる大作で、異世界との絶望的な大戦を描く作品を予定しています。ここまでスケールの大きなアイデアは作家志望者時代には到底書き上げられず、また避ける方が遥かに賢明なものでした。

 しかしこの一年で得た知識、経験のお陰で「自分の書く力そのものはこのくらいあるはず」と目算ができるようになったので、以前からあった数百の作品構想のうちこの一作に本腰を入れて挑戦してみたいと考えています。

 (起業プランなどもそうですが、アイデア先行型の人間なのでネタだけは膨大に溜まる)


 そして次にやることの二つ目は人生経験値可視化サービス開発です。

 
これは今年4月時点から言っていたWebサービス開発にようやく実現の目途がついてきたものになります。(同人誌国際化サービスはDLsiteが先行して実施し、意外とまだ市場規模が小さそうなため内容は別案に切り換えましたが) ゲーム開発もそれに近いですが、こちらもぜひやってみたい。

 私は人生をゲーム攻略のように「状況を分析し、計画を立て、目的を実現する」という生き方がとても好きです。(誰かに押しつけるのではなく、自分自身が選んだスタイルとして)

 私はこれまでの失敗と成功の経験から「分析し、計画し、手順を踏めば手順に応じた結果は必ず出る」「目指した結果と異なるなら分析か計画のどちらかが間違っているのが要因なので、それを再検討すればいい」という考えを持つようになりました。

 今のところ、これはどんな目標の実現にも有効なやり方だと感じます。(「本当に物理的に不可能な目標」と「一見不可能に思えるが手順を分解すれば可能性のある目標」の違いも見分けていける)

 これらを踏まえて、どうにか自分のやり方を汎用化できないかというのが以前から考えていたことの一つでした。

 また、「人事評価にゲーム的な経験値とレベルアップ制度を取り入れる」というアイデアは大学時代に思いついたものです。(講義後の「新しい社内制度を考えよ」という課題に回答として提出していました)

 『努力』というのは極めてあいまいな概念です。私は「努力という言葉は実現の敵である」とまで断言してしまってもいいとも思っています。

 だって1の努力も100の努力も、1万の努力も100万の努力も、全部『努力』ですから。自分が求める幸せもわからずに迷走中のヒロインが思う「幸せになりたい」ぐらい、人を惑わせるよくわからない言葉だと思います。

 その点、「健康な受験者は平均百時間の学習で受かる試験がある」「一ヶ月に十時間の学習を実施する」「十ヶ月間これを継続し、月末に模試で現状を把握する」「模試の結果が悪い場合は受験計画全体を再検討」という分析と計画なら遥かに具体的です。

 プログラミング的な考え方でもありますね。
 上記まで設定すればプログラムは動きます。
 『努力する』の一文ではプログラムは動きません。

 人間も同じですね。
 『努力する』の一言で何かを実現できるのは天才か、簡単なことだけ。

 人生経験値可視化サービスは、「自分が目標のために何をしようとしているか」「これまで何をしてきたか」「目標の実現まであとどのくらいか」を『経験値』と『レベル』の数字で可視化する試みです。

 RPG風の要素とデザインを入れることで、誰でもわかりやすく親しみやすい形で人生設計ができる。ゲームに慣れた子供なら、「このゲームを攻略するには?」という形で問えば生真面目な白紙の進路希望用紙を渡すより遥かに書きやすいんじゃないかなとも考えています。

 子供の頃に『十三歳のハローワーク』という名著を読んだ記憶がありますが、現代のそれに近いジャンルのサービスを目指したいですね。

4.まとめと今後の展望

 4月、8月の時点では実際には「本当に起業できるのか」はまだ感覚として未知数でした。

 あえて3年後と銘打ったのも、見切り発車でも予定を決めてしまわないとぐずぐずと何もしないまま歳を重ねてしまうという危機感があったから。

 しかし2021年12月の現在、起業はそれほど遠い目標ではないと感じることができています。これは現職の社内で様々な経歴を持った方々と交流し、社内を変えるプロジェクトを自ら実施できたこと。ゲーム開発や漫画製作といった、小説以外の分野にも活動を広げていける具体的な道筋があること。それらが大きく影響していると思います。

 目の前のやりたいこと、やるべきことを全力でやった先で起業は自然とやるべきプロセスになる。

 と同時に、「不可能」と言い切られるほどスケールの大きな夢を掲げないと燃えられない性でもあるので。日本産のコンテンツのハリウッド化や、その先も思い描いていきたいなと。


 子供の頃に「しょうらいのゆめはしょうせつか」と書いた夢は分析と計画と実行を重ねて目標に変わり、今年実現しました。

 次の遠すぎる夢にも、きっといつか辿り着ける。
 そのための道筋を考えられることが、今は最高に嬉しいです。

 今年もお疲れ様でした。
 皆様、よいお年を!

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