迷ったときに前に進むキッカケになる、3つの言葉
生きてると色んなことがありますよね。ぶつかったり悩んだりしたときに、なんか前に進む自分なりの方法を持っていると助かります。
ぼくの場合は、今までに出会った「言葉」がそれかもなーと思います。随時アップデートされるので色々あるのですが、今日は思い出したものを3つ紹介します。なんか当てはまるものが1つでもあれば嬉しいです!
「ひとはみんな、途中で死ぬんだよ」
いきなり死ぬ話かよ! ってそうなんですが。
酒を呑んで階段から落ちて頭を打って死んだ小説家の中島らもさんが、どっかで言ってた言葉だと記憶してるんですけど、記憶が定かじゃありません。間違ってたら教えてください。
ひとが何かをやり遂げた充実感の中で死を迎えるというのは、きっと幸福なことなんだろうなあと思うんだけど、だいたいほとんどの人は、何かを成し遂げないまま、志半ばで人生を終えるものだという真理をらもさんらしくシンプルにあらわした言葉ですね。彼自身、まさしく「途中で」死んじゃったわけです。
ぼくはこの言葉が結構好きです。変な言い方かもしれないけど、逆に自分が生きる元気をもらえる言葉です。
ぼくには、やりたいことがいつも山ほどあるので、だいたい全然前に進みません。だからいつも、ひとつのことをやり終える前にTO DOリストばかりが増えていくという状態です。例えば本とかも、読み終わる前に次の本を買っちゃうので、どんどん積ん読です。
とは言うものの止まってるわけではなくて、順番にできることをひとつひとつやってきてるんですけど、たぶん欲張りなんですよね、やればやるだけ、もっと次の何かをやりたくなるという。やることが増えていくので、だからいつまでたってもゴールにつかないのです。
つまり、きっと死ぬ直前というかその瞬間まで、何かをやってるんだろうという確信があるのですね。死ぬときは多分、なにかやってる途中だと思います。
昔は、どんどんやるべきことが溜まっていくものですから、よくパニクっていたんですが、
ひとはみんな、途中で死ぬんだよ
らもさんのこの言葉を知ってからは、焦らなくなった。どうせ途中だ、やるだけやろうという風に開き直れます。逆に、終わらせられないんじゃないかと心配で、結局やれないという人生より、やりかけで死んだとしても、最期に振り返ったら色々なことが経験できてた人生だったな、と思いながら途中で死ぬほうがいいかなと、ぼくは思います。
「人生は短い、楽しまなきゃウソだ」
高校3年のとき、死にたくなるほど落ちこんだ出来事があったんですが、その日、とりあえず死ぬ前に最後に映画でも観よう、と思ってフラッと入った映画館で観た『フェリスはある朝突然に』という80年代アメリカ青春映画の名セリフがこれです。
めちゃくちゃ要領が良くて、かっこよくて、クラス1の可愛い彼女がいて、両親からも街の誰からも愛されているスーパー高校生フェリス・ビューラーが、仮病を使って学校をサボる1日を描いたコメディ映画。ひとりで入った平日夕方のガラガラの映画館で、ぼくは上映5分で引き込まれ、2時間たったときには死のうと思ってたことをすっかり忘れるほど楽しくなっていました。そのとき、映画にはひとの人生を変える力があるということに驚き、自分のその後の人生の進むべき道を決めるキッカケになりました。
ぼくはフェリスの友人のキャメロンにめちゃくちゃ感情移入したんですね。キャメロンは親が金持ちだけどちょっと引きこもってる根暗なヤツで、いつもフェリスに嫉妬してる(と同時に憧れている)。フェリスはだけど、いつもキャメロンを誘って、楽しいことを一緒にやろうとしてくれる。そんなキャメロンに向けて(そして画面を見ている観客の僕らに向けて)カメラ目線でいったセリフが
人生は短い。楽しまなきゃウソだ
でした。本当に自分に言われたように錯覚してズキュンときたのを今でも覚えています。
前向きに楽しもうが、後ろ向きに悲観しようが、時間は流れるし、人生は進むのです。どうせ巻き戻せない人生だから、どう生きるのかは自分で選べばいいのさ、と。人生も未来も自分も、考え方ひとつでどっちにも変われるんだと、ぼくは迷ったらいつもこの言葉を思い出します。
「People will forget what you said, people will forget what you did, but people will never forget how you made them feel.」
急に英語ですみません。でもこの言葉はリズム含めてとても大切にしているヤツなので、原文ママで失礼します。
Maya Angelouという作家の方の言葉です。
意訳するとこうです。
人間は、人に言われたことや、されたことは忘れてしまうものだが、その体験でどういう気持ちになったか? ということは決して忘れない。
長年の友だちと思い出話をしているとき、楽しかったとか悲しかったとか、そのときの気持ちはアリアリと思い出すのに、その体験のディテールは思い出せないという経験ありますよね。この言葉はそういう人間の特性をあらわしています。
ぼくたちは仕事をするときとか、「この技術を使ってなにかおもしろいことできないか?」とか、「このタレントさんを使って面白いネタを」とか「とにかくこの商品の特徴を連呼して」とかいうリクエストを受けるときがあります。よくあります。でもこれは、手段と目的が反転している状態で、「なんのために?」という目的が忘れられちゃってる状態なんですよね。でも、コンテンツを作って、それを媒介にして何かを伝えようとするとき、ぼくらが決して忘れちゃいけないのは「それを観た(体験した)あとに、観客はどういう気持になるのか?」ということです。どんな読後感とか、後味とかを残したいか? ということですね。
ついつい面白い技術やネタがあると、手段が目的化してしまうことが多いので、そうなりそうになったときに気持ちを引き締めてくれる言葉です。
ところで、指名が多いキャバ嬢とかホストって、この辺の「後味」の残し方がめちゃくちゃうまいらしいですよ。店で話した内容はよく覚えていないけど、なんかすごくいい気持ちにしてもらった、という記憶がじわっと残るらしくて、客はついついまた指名してしまうんですって。知らんけど。
(Photo by Thom Holmes on Unsplash)
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この「読後感」については、Pathfinderでも大切なテーマとして考えていて、どういうストーリーやコミュニケーションモチーフがどういう読後感と相関関係があるのか? とか、読み手の価値観との組合せでどう変化するのか? などを体系化する研究をしています。ご興味がある方はお声掛けくださいませ。
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