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今年のサクラ

ユーミンがポッドキャストの『うそラジオ』にて、『身近にある桜を自分の桜と決めて、毎年見つめ続け、自分とリンクさせるとまたいいですね』と語っていた。
確かに、『花見』と称して晴れやかにお出かけするのもいいけれど、日々の定点観測の方がより『去年の自分はこうだった、とかあの年は。。』と思いが深まるもの。

今年は、もう4月半ばかと勘違いするほど暖かく、関東でも北国の春のように一斉に春の花が咲き始め、やや戸惑いがち気分、気持ちが少し遅れてついていっている。
という訳でライカを持ち出す準備もないまま、まずはGRⅢで撮影しておく。

毎年見ている大島桜も早くも満開。
お陰様で、私の活動範囲の周辺は、自然がいっぱいで、あえて花見に行く必要もない。

大島桜

桜の花の下に潜ると、ミツバチが活発にブンブンする羽音が大合唱。
養蜂箱には、桜の風味の蜂蜜が出来ているに違いない。

大島桜

桜は、やはり、モノクロで撮るのが気に入っている。
フワッと、吐息が聞こえてくるようだから。

さて、花のお稽古では吉野桜を使った。
あまりに沢山の枝であった為、バルコニーに置いて室内から楽しんだ。
室内には、一本だけ桜をいける。
花を付け始めた、カラスノエンドウを添える。

吉野桜、カラスノエンドウ

桜は、高揚感のある咲き始めと、儚さたっぷりの散りゆく期間が好きだ。
満開の桜は、何処かお祭りっぽくて『綺麗だね、見事だね』だけで、その先はあまりないもの。
そして、晴れの日より、曇りの日、雨の日の方がしっとりと美しさを増すように思える。

桜と珈琲

アレルギーで耳が詰まりがちになる春先の雨の朝は、気圧が重く、体が全く目覚めない。
さっぱりとした浅煎りの珈琲で、暫く雨に濡れるバルコニーを眺めなが過去の桜の頃のことをぼんやり思い巡らしてみる。

毎年、同じようでも同じ桜は二度とない。

そして、また散る始める頃にはフィルムで撮影に出かけなきゃ、と少し目覚めてから思い始めるのであった。

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