あの日の白木蓮
急な冷え込みが2日ほど続き、ようやく春の暖かさが戻ってきた。
もし、私が自分の庭を持つのなら、白木蓮をシンボルツリーにしたいと思っている。
春になって、何もない枝から、ぽっと白い鳩が次々に増えていく様子は、マジックのようでもあり、 幸福感が溢れているから。
そろそろ、あの家の白木蓮も見頃を迎えるに違いない。
M4を持って出かけた。
途中、ボケや椿、桜もちらほら、満開のミモザの下に入り、誘惑は沢山あったが、今日は白木蓮だから。
近くまでついてもなぜか、白い塊が見えない。
まだ咲いていないのかな。
不安は的中。
白木蓮はおろか、そのお宅ごと無くなり、すっかり更地になっていた。
その場に立ち尽くしてしまった。
結局、カメラのシャッターを一回も切らずに家に戻った。
あの日の木蓮は、記憶の中に。
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