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ボンネットは新緑 イタリア大使館別荘
初夏の中禅寺湖を訪ねる1day short trip.
そこには素敵な建物があるとHは言う。
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指定の駐車場から暫く緑の中を歩く。
風はやや強め。眩しい水面を背景に若葉が輝く。
波音とざわざわと葉の擦れ合う音だけが聞こえる。
国立公園内とあって余計な人工物も見当たらず。
また、高地で風通しが良いせいか、木々や葉には虫食いあともほとんどなく、思いきり大きな黄緑色の葉を広げている。
完璧な初夏の午後。
![](https://assets.st-note.com/img/1653799281241-vakKOQdEHm.jpg?width=1200)
自然に溶け込むようにイタリア大使館の別荘は立っていた。
木造で、木と竹のパターンによる、内外装の美しさ。
思わず、ため息が出る。
またしても、完璧なロケーションによる完璧な建物。
![](https://assets.st-note.com/img/1653799862832-MCMRs5LEUb.jpg?width=1200)
室内からの眺めは、1Fリビング、2F寝室、何処を切り取っても絵になる。
遠い昔のここを訪れた人々の時間の過ごし方を想像しながら、暗い室内から、揺らぐ古いガラスを眺める。
時間を忘れて、いつまでも居れそうだった。
目で見て肌で感じるこの感覚は、写真では到底超えられそうにない。
多分、カメラなど必要ない、真に贅沢な時間を過ごしていたに違いない。
![](https://assets.st-note.com/img/1653800083998-yjkX8dh5ZH.jpg?width=1200)
もっとゆっくり過ごしたいと言う思いを残し、ボンネットに新緑を映しながら、クルマはまた、幾重にも蛇行した山道を降って行く。
多分、この新緑の記憶にはもう会えないだろうと思いながら。
![](https://assets.st-note.com/img/1658832393837-jQs99sv56W.jpg?width=1200)
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