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空が近い場所 麗しのビーナスライン

長い長いトンネル渋滞を抜けて、向う先はビーナスライン。
まだ6月なのに梅雨は突然去ってしまった。
今日は猛暑になりそうだ。

諏訪南ICで降りて、蓼科高原、白樺湖方面へ進む。
インターを降りてすぐは、なだらかな傾斜地に畑が広がる。
民家の庭先の花は、高地で寒暖差があるせいか、色鮮やかだ。
夏を過ごす場所なら、こんな場所がいいと思った。

ビーナスのような美しい輪郭のカーブを辿りながら、赤松から唐松、白樺と林道の木々は変化してゆき、車はグングン上がっていく。
柔らかな稜線の山々に雲の影が流れてゆく。
気温は24℃。窓を開けて走った方が爽やかだ。

ビーナスライン 今回は全てGRⅢで撮影

まずは、八島湿原へ向かう。
『あと8分』と、グーグルでは表示されていたものの、突然、『42分』と表示された。どうやら道を間違えたようだ。さっき通りすぎたところには、分岐する道などなかったなずなのに。一度戻ってみると、そこは、人道。ロープが張られ、車が入っていける道ではなかった。

もう一度、本線に戻って先へ進んでみる。
すると、八島湿原の駐車場が現れ、一安心も束の間、駐車場は一杯。
ハイキングで訪れる人が多く、長時間利用の人も多いのだろう。
運良く、端っこが空いていたのを見つけ、車を滑り込ませた。

八島湿原

気温は低いものの太陽に近いせいか、肌がじりじりと焼ける。
帽子を忘れてきたことを悔やんだ。
時折現れる木漏れ日の木道に癒される。

八島湿原 木道

壊れかけた木道にはまらないように注意しながら歩く。
夏の花との端境期のせいか、キスゲもこれから、といったところ。色のあるのはミヤマツツジくらい。しかし、日陰に群生していたグンナイフウロという花は、6月らしいみ瑞々しい透けたような花色だった。

グンナイフウロ

ビーナスラインは長い。
美ヶ原を目指してさらに先へ進んでみることにする。最終的にたどり着いたのは、空にとても近い場所だった。

美ヶ原

おまけに、お食事。
蓼科高原の『蕎麦街道』の『みつ蔵』さんで、いただいた絶品『卵焼き』をご紹介したい。
喉越しの良い細麺の蕎麦、出汁の聞いたつゆも勿論のこと、このふわふわの卵焼きは忘れられないほど美味しかった。

みつ蔵さんの卵焼きハーフサイズ

追記
車のこと。
ここに、30年前に女神湖で撮ったFIAT PANDAの写真がある。
実は、この時ビーナスラインを訪ねた後、中央道で車が故障し、レッカー移動となった痛い思い出がある。
痛い思い出は、今は色褪せながら、いい思い出に変化してゆくものだ。

1992年 女神湖

現在の山方面の相棒。
今は、FIAT500となり愛用しているものの、流石に年齢と共に、長距離と山登りは難しくなった。
はてさて、次の30年後はどうなっているのだろう。
免許返納か、最新のクルマに乗れているかどうか。
みつ蔵さんの卵焼きが食べれるかどうか。
雲の上にいるかどうか。

八ヶ岳は一つの山でない。

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