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フィルム写真

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フィルムカメラLeicaM4で撮影したモノクロ&カラー写真及び私のカメラ考。
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#花写真

LeicaM4で撮るモノクロの花

長きにわたり花の仕事をして、散々花の写真を撮ってきました。 花は、たとえ切り花となったとしても生き物なので、段々枯れて行きます。 開花前の蕾の初々しさ、誇らしげに咲く満開、花弁が落ちてゆく物悲しさ、その瞬間、瞬間の美しさを写真で留めておきたいと私は思っています。 今では、デジタルカメラもレンズも、写真アプリも進化して、誰でも素敵な写真に仕上げられるようになっています。 4年ほど前から、私は『その日その時その瞬間』という写真のノンフィクションが何となく薄れてしまうような気がし

秋風に身を任せて 秋明菊

昨日は、記事を書こうとPCへ向かったが、流石に台風による低気圧降下に押し潰されて無理だった。 ようやく和らいだところで、いよいよ秋の花の話をしようと思う。 秋の庭の草花で一番好きな花、といえば秋明菊。 ピンクもあるが、白がいい。 マットな白い花弁が秋風に揺れる様子は、眺めているだけで『ああ、やっと秋が来たな』と。 こちらは、横浜の『港の見える丘公園』にて、昨年モノクロフィルム撮影したもの。この公園の植栽は、いつもセンスがよく四季折々目を楽しませてくれる。 秋明菊について詳

儚い夏の花 芙蓉、木槿、葵

連日の猛暑の後、ついにお盆に台風。 夏が嫌いで辛い毎日だったが、クリスマスの頃の冬の空気を想像しながら、きっといつかは終わると信じて2週間過ごしてきた。 こんな夏の中にも元気な花はある。 英名でハイビスカスに属する芙蓉、木槿、葵だ。 花型と花芯の形がそっくりなので、葉を見ないとわかりにくい。 また、朝咲いて夕方には閉じる一日花。露草も一日花。 過酷な日差しにも負けずに咲いた分、夏の命は儚いもかもしれない。 まずは、酔芙蓉。 葉が木槿に比べて大きく、手を広げたよう。 この

夏の百合 その場所で咲くこと

先週のお稽古で使った向日葵は、やはりこの猛暑であっという間に枯れてしまった。いけられた花は、夏は特に長持ちしない。 これまで季節がなんであれ、花をいけることを当たり前に続けてきた。 しかしこの数年、植物の自然環境下での生き生きとした姿、在り方を注意して見つめるようになり、その面白さに惹かれるようになった。 最近は、生産された花をデザインしていけることが少し辛くなることがある。 ただ、美しいという花よりも、それぞれの環境下での『姿や在り方』を見つめる方が愉しい。 山百合。

モノクロの時計草

7月は、梅雨末期から夏に変化する微妙な月。 梅雨明けが長引いて太陽が待ちきれなかった年もあれば、今年のように早くに梅雨明けしたものの、また逆戻りのような不安定な年もある。 この時期、人間も気候に合わせて体の調子を整えるのが難しい。 しかし、植物は柔軟だ。 年によって、遅かったり早かったり、沢山花を付けたり、または寂しい年もあるが、時間にになると咲いてくる。 時計草。 鎌倉の光則寺さんの手前にある幼稚園の壁一面の時計草。 毎年、楽しみにしている。 先週、様子を見に行ったが、今