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フィルム写真

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フィルムカメラLeicaM4で撮影したモノクロ&カラー写真及び私のカメラ考。
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#カメラのたのしみ方

LeicaM4で撮るモノクロの花

長きにわたり花の仕事をして、散々花の写真を撮ってきました。 花は、たとえ切り花となったとしても生き物なので、段々枯れて行きます。 開花前の蕾の初々しさ、誇らしげに咲く満開、花弁が落ちてゆく物悲しさ、その瞬間、瞬間の美しさを写真で留めておきたいと私は思っています。 今では、デジタルカメラもレンズも、写真アプリも進化して、誰でも素敵な写真に仕上げられるようになっています。 4年ほど前から、私は『その日その時その瞬間』という写真のノンフィクションが何となく薄れてしまうような気がし

フイルムで果物を撮る

夏から秋、冬と果物のバリエーションが目白押しで、花と共に果物の形や色、質感に惹かれて、写真を撮っている。 いわゆる 『果物版 still-life-photography』 無論、デジタルカメラは色や質感を忠実に細部まで再現すると思うが、フィルムで撮ってみたらどうなるだろうかと色々試している。 洋梨。 50年以上前のオールドレンズ、Leica DR-summicron とモノクロフィルムで撮ると洋梨と膝掛けの質感が『鉛筆画』のような荒いタッチで表現された。 分割してみると

モノクロの時計草

7月は、梅雨末期から夏に変化する微妙な月。 梅雨明けが長引いて太陽が待ちきれなかった年もあれば、今年のように早くに梅雨明けしたものの、また逆戻りのような不安定な年もある。 この時期、人間も気候に合わせて体の調子を整えるのが難しい。 しかし、植物は柔軟だ。 年によって、遅かったり早かったり、沢山花を付けたり、または寂しい年もあるが、時間にになると咲いてくる。 時計草。 鎌倉の光則寺さんの手前にある幼稚園の壁一面の時計草。 毎年、楽しみにしている。 先週、様子を見に行ったが、今

カラーフィルムの水色写真集

過去にカラーフィルムで撮った、梅雨期の写真を眺めて気がついたこと。 やはり、水色は6月の色。 今日はその写真集。 梅雨の晴れ間の朝。 晴れると日差しが眩しいね。 さて今日は何しよう。 雨上がりには、長靴を履いて出かけてみよう。 水の中にも素敵な絵がある。 アガパンサスは、雨上がりでも傘をいっぱい広げています。 看板は、deep blue となっていますが。 Kodak portraのブルー系はやはり綺麗ですね。 すっかり、最近モノクロばかりになってしまったけど、たま

モノクロフィルムで撮る初夏の花

初夏は、白い花が多い。特に木の花には白いものが多い。 モノクロフィルムで撮影する場合、花弁の厚さと色は、光の透過度で表されるが、『白い花』が一番その特徴を撮し出しやすいと思う。 だから、この季節はワクワクが止まらない。 本日の花の画像は、Leica M4 / DR-summicron / Kodak Tri-X 400 で撮影し、スキャンした画像。 5月初旬から時系列で追っていく。 まずは、エゴノキの花が紫陽花の葉に降り積もっていた。 山法師。 木の上の方に上向きに花をつ

5月の古民家だより

毎月一度、友人の移住先の古民家を訪ねている。 庭や畑の手伝い、お昼は炭をおこして庭で食事。 私は、午後の珈琲。 今月の豆は、鎌倉のディモンシュさんのホンジュラスを選んだ。 硬い豆で一気に挽けず、5名分のハンドミルは休み休みの作業となった。 そして、最初の一口。 今までに味わったことのない、なんとも言えない独特な香りと味が一気に口の中に広がった。 友人は、一昨年より二拠点生活から定住になった。 庭や家がだいぶ整い、最近行く度に少しづつ目に見えて変わっている。 元々、あった納

晩春から初夏へ

この時期、木の芽時は何かと体調を崩しやすい。 子供の頃に至っては、入学式後に水疱瘡になり、学校の一泊遠足の夜から熱を出したり、病気が見つかって入院など、といいことがなかった。 昨年もめまいで辛かった。 今年はお陰様で比較的体調が良く過ごせている。 しかしなぜか葉桜の頃になると、なぜだか空っぽの気持ちになり、大丈夫かな、と思ったが、5月の連休前から日々の忙しさで体を休めるのに精一杯。以後いいのか悪いのか、何も考えられなくなった。 気がつけば、季節は変わって晩春から初夏。 楓

ブルーグリーンのクルマたち

春から夏はブルーグリーンの車がいいな。 過去のフィルム写真をめくってみるとこの季節、ブルーグリーンの車を沢山撮っていたことに気がついた。 Kodak portra のブルー系はやはり綺麗。 あの車が銀座四丁目の交差点にあったのは確か1991年ごろ。 2020年の春、また登場していてなんだか嬉しくなった。 車のフェスでは。 そして、街中では。 このコーヒースタンドには2年前から出会えていない。 そして、愛車もブルー。 いよいよ雨の季節になりますね。

企画展へ参加中

4/29よりいつもお世話になっているZushi art gallery さんの10周年企画展『猫とバラの日々』に参加しています。 今回は、モノクロ写真4点と会場に薔薇の花で少し装飾もしています。 写真は、FLATLABOさんで、一度試してみたかったネガスキャンしたものをデジタルプリント出ししました。バライタ調の用紙を選び、手焼きとそんなに変わらない風合いに仕上がっています。 勿論、自家プリントするのが望ましいのですが、果たして自分はそこまでこだわっているかというとそうでも

アナログなフィルムスキャン

少し時間が取れたので、これまで撮ってきたモノクロ写真を並べ、まとめる作業をしている。 本日は、フィルムスキャンの話。 以前は、現像とスキャンまで現像屋さんにお願いすることが多かったが、依頼先によってあまりにもアウトプットされてきたものにブレが大きいので、一年くらい前から現像は毎回同じところ依頼し、フィルムスキャンは、自分で行っている。 フィルムスキャン後はLightroom→photoshopで手焼きと同じ程度の修正を加え(明るさ、コントラスト、追い焼き少々程度)一旦確認

時々、color film

4月に入り、ようやく落ち着いた時間が取れるようになり、これまで撮ってきたフィルム写真を整理している。 私のLeica M4と所持レンズは、ちょうどカラーフィルムが出始めの頃の製造年。カラーフィルムにもなんとか性能が発揮できるかなと思い、一昨年までは、モノクロフィルムだけでなく、カラーフィルム(主にKodak portra 400) でも時折撮影していた。 しかし、思うところあって、昨年は、Kodak Tri-X 400だけであえて撮影した。 久しぶりに、改めてカラーフイル

モノクロの桜

桜はそれだけ誰にとっても忘れられない花。 特に日本人にとって、この季節の過去の記憶と結びつくことが多いからだと思う。 私は、歴史ある小学校の校庭で、桜が散り始める4月、思いっきり花吹雪の下で漕いだブランコのことが今も忘れられない。 そのブランコは、休み時間には走って行かなくてはいけない程、人気だった。 あれ以上、素敵な桜には多分もう会えないと思う。 大人になった今では、あの頃の透明な気持ちは何処かへ忘れ、毎年段々複雑になる気持ちを抱えて写真を撮っている自分がいる。 先日

あの日の白木蓮

急な冷え込みが2日ほど続き、ようやく春の暖かさが戻ってきた。 もし、私が自分の庭を持つのなら、白木蓮をシンボルツリーにしたいと思っている。 春になって、何もない枝から、ぽっと白い鳩が次々に増えていく様子は、マジックのようでもあり、 幸福感が溢れているから。 そろそろ、あの家の白木蓮も見頃を迎えるに違いない。 M4を持って出かけた。 途中、ボケや椿、桜もちらほら、満開のミモザの下に入り、誘惑は沢山あったが、今日は白木蓮だから。 近くまでついてもなぜか、白い塊が見えない。

偶然の失敗を愉しむ

朝ボーッとしていて、フィルム交換しようとカメラにフイルムが入ったまま、裏蓋を開けてしまい、立ち直れないショックだった件は、先日お話ししました。 その現象が戻ってきました。 『おお、割とまともに現像できていそう。』 蓋を開けていたのは、わずか2秒くらいだったので、フィルムロールの中心に近い部分はほぼ大丈夫でした。 私が主に被写体としている生きている花を撮る場合は、自然風景写真やstreet-photoと同じで(大体において写真とはそういうものですが)蕾から開花、枯れるまで