「ぼくときみの半径にだけ届く魔法」を読んだ

 今日読んだのはこちら

 特に思い悩んだりストレスを感じたりすることもなく読める小説が読みたくて本屋に行った。スッと入ってきてスッと世界に浸れるような本。で、表紙裏のあらすじ見て、タイトルを見て、なんとなくこれだなと思って購入。実際、すっと読めたし、ご都合主義と言われるかもしれないハッピーエンドだけど、それがとても心地よかった。

 語り手は売れない写真家の須和 仁。タイトルでいうところの「ぼく」はこの人だ。そして「きみ」は特殊な病に侵された女性の幸村 陽。この二人が主人公の物語だ。

 彼女は特殊な病を抱えている。また、家族関係にも大きな重しを抱えている。そんな彼女に対し、写真を撮ってしまったという縁で深く接していくことになる。

 ところで、例えば困難な恋に出会ったときに、そこから目を背けることなく突き進んでいくことができるだろうか。また、自分一人が突き進むのではなく、お互いに手を取り合いながら共に進んでいくことができるのだろうか。

 この物語の二人は、ご都合主義と言われようが何だろうが、最後の最後まで進み続けることができた。暖かな光をまとった写真のように、緩やかに、でも確実に進み続けた二人の物語に、少し幸せを感じることができた。

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